エネルギーハーベスティングで電力問題の解決とコストの低減 スフェラーパワー社と、太陽光発電技術を利用したBeaconの共同開発で合意

Aplix Press Release
各 位 2018 年10月1日
株式会社アプリックス
(コード番号:3727 東証マザーズ)

エネルギーハーベスティングで電力問題の解決とコストの低減
スフェラーパワー社と、太陽光発電技術を利用した Beacon の共同開発で合意

IoT(Internet of Things)製品向けソリューションの開発を手掛ける株式会社アプリックス(本社:東京都新宿区、
代表取締役 兼 取締役社長:長橋賢吾、以下「アプリックス」)は、球状太陽電池の開発・製造・販売を行うスフェ
ラーパワー株式会社(本社:京都府京都市下京区、代表取締役社長:井本聡一郎、以下「スフェラーパワー社」)
と、太陽光発電技術を利用した Beacon(ビーコン)の共同開発を行うことについて、2018 年9月に合意しました。
太陽光発電技術を利用した Beacon の試作機はすでに完成しており、引き続き製品化に向けて共同で開発を
進めていきます。またスフェラーパワー社と協力し、国内の企業や各種法人に対し、太陽光発電技術を利用した
Beacon を積極的に提案していく予定です。
今後アプリックスは、Beacon やセンサーをはじめとした IoT 機器における電力コスト・工事コスト・保守コストなど
の低減と、より設置自由度の高い IoT 機器を実現する手段の1つとして、エネルギーハーベスティングを活用して
いきます。


<背景>
Beacon とは、省電力の近距離無線通信である Bluetooth® Low Energy などを使い、近くのスマートフォンなどに
情報を発信する装置です。アプリックスはオリジナルの Beacon「MyBeacon®シリーズ」を開発・販売しているほか、
Beacon を使ったスマート打刻サービス「DAKOQ™(ダコク)」の提供、Beacon を使う IoT 製品・サービスの受託開発
などを行っています。
Beacon をはじめ、IoT 機器が通信するには電力が必要です。IoT 機器の数が増え、設置する場所が多方面に
広がるにつれ、電気代や電力供給のための配線、電池を使う場合は電池のコストや電池交換の手間など、電力
に関するさまざまな問題が顕在化しています。
そのような中、周囲の環境から光、熱、振動などのわずかなエネルギーを「収穫(ハーベスト)」して電力に変換
する技術「エネルギーハーベスティング(環境発電)」が、IoT においても大きな注目を集めるようになりました。ア
プリックスでも以前からエネルギーハーベスティングを活用した Beacon の研究を進めており、次に記載する特徴を
もつスフェラーパワー社の「スフェラー®」に着目しました。


<「スフェラー®」の特徴>
「スフェラー®」は、世界初の三次元受光を実現した球状太陽電池です。
球状太陽電池とは、通常の平らな太陽電池と異なり、光を受ける面が球のかたち
をした太陽電池です。直径が 1~2mm の球状シリコンで作られ、pn接合が球面で
プラス、マイナスの電極が対向した構造が特長です。一般的な平板太陽電池とく
らべ球面全体で光を受けて発電するため、入射光の角度変動や設置角度の影響
スフェラー
が少なく、使用期間中の実質的な発電量が大きい特長があります。
また、必要な出力仕様に応じ粒状のセルをメッシュ状に直並列接続してモジュー
ル化でき、出力やその外形形状は、用途に応じて曲面化を含めフレキシブルに設
計できる。また、メッシュ状の直並列接続によって平板太陽電池とくらべて、温度上
昇や部分日陰に対する出力低下も少ない特長を持った太陽光電池技術です。
・ 太陽がどの角度にあっても、光を採りこむことができる。
・ 垂直面や曲面にも設置できる。
・ セルを透明な樹脂の中に封じ込め、自由な形の発電モジュールを形成する
ことができる。
平板太陽電池 スフェラー



Aplix Press Release
<試作機について>
スフェラーパワー社が開発・販売している「スフェラースティック」を基に、
「スフェラー」で動作し、電池交換することなく長期間運用可能な Beacon の
試作機を共同開発しました。「スフェラースティック」は「スフェラー」を使った
ソーラーLED ライトです。
試作機では、「スフェラースティック」のケース(直径 24.5mm×長さ 156mm)
と内蔵されているリチウムイオン二次電池(容量 700mAh)を流用し、
MyBeacon の機能を搭載したアプリックス製の Bluetooth Low Energy モジュ
ール「JM1L2S(ジェイエムワンエルツーエス)」を組み込み、Beacon として使
用できるようにしています。
この試作機で Beacon の送信出力を最大(0dBm)、信号を出力する間隔
スフェラースティック (advertise interval)を 100 ミリ秒に設定したところ、1日晴れれば約 10 日間、
一度満充電すれば太陽光が当たらなくても約 100 日間、Beacon として情報
を発信し続けることができるという実験結果が得られました。


<合意について>
スフェラーパワー社の代表取締役 井本聡一郎は以下のようにコメントしています。
「アプリックス社の提供する超低消費電力の Beacon と、様々な環境下で設置向きに関係なく発電できるスフェラ
ーモジュールを組合わせる事により、屋外設置で長期間安定した情報提供可能な IoT 端末が可能となります。こ
れらを市場に展開するとともに、更に進化させ、屋外での IoT 端末の普及に貢献していきたいと考えています。」
アプリックスの常務取締役 根本忍は以下のようにコメントしています。
「スフェラーパワー社のユニークな球状太陽電池スフェラー及び三次元受光関連技術とアプリックスの Beacon
技術とを組み合わせて提供していくことで、例えば降雪時など本邦のさまざまな気象状況下において電池交換を
せずに一定の動作を行うといった市場ニーズにお応えするとともに、急増するデジタルサイネージなど屋外設置
型の高付加価値情報機器の実現と普及にも、微力ながら貢献してまいりたいと考えています。」

以上
■スフェラーパワー株式会社について
2012年5月、京セミ株式会社からの新設分割により創業。世界初三次元受光の球状太陽電池「スフェラー®」をコア技術とした製品の開発製造をおこ
なっています。球状太陽電池「スフェラー®」の三次元受光性とモジュール設計のフレキシビリティを生かして、小型センシング機器向けのコンパクトな
太陽電池製品、建材向けのシースルーガラス一体型太陽電池を販売する他、スフェラー®を布地に織り込んだ太陽光発電テキスタイルの開発にも取
り組み、太陽光発電の応用分野を広げるべく開発研究を進めています。
コーポレートサイト: http://www.sphelarpower.jp/
製品サイト: http://www.sphelar.com/


■株式会社アプリックスについて
アプリックスの使命は「ソフトウェアの力で世の中のあらゆる人々に幸せをもたらすこと」です。携帯電話でのJava利用という新しいフロンティアを切り開
いた「JBlend」に続き、開拓中の分野が、IoTです。当社ではIoTモジュール(ビーコン)、スマホアプリ、クラウドサービス等のIoTソリューションを一貫して
提供することで、家電製品等のIoT化を推し進め、「モノからの通知によって人々の生活を豊かにする」というコンセプトの実現を目指しております。
アプリックスのwebsite(投資家情報等):https://www.aplix.co.jp/
アプリックスのテクノロジー事業:https://business.aplix.co.jp/


■お問い合わせ先:
お問い合わせのページ:https://www.aplix.co.jp/inquiry/


※スフェラー®/ Sphelar® はスフェラーパワー株式会社の登録商標です。
※記載されている会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。





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