東京藝術大学「ADワークスグループ『日本画』賞」第2回 受賞者決定 -東京藝術大学美術学部にて授賞式を開催-

2024 年 3 月 29 日

国立大学法人東京藝術大学
株式会社 AD ワークスグループ


東京藝術大学「AD ワークスグループ『日本画』賞」第 2 回 受賞者決定
~東京藝術大学美術学部にて授賞式を開催~

国立大学法人東京藝術大学(東京都台東区、学長:日比野 克彦、以下「東京藝術大学」 の美術学部(学

部長:光井 渉) AD ワークスグループ
と (東京都千代田区、代表取締役社長 CEO:田中秀夫、以下「ADWG」

の共催で 2022 年 12 月に創設した東京藝術大学「AD ワークスグループ『日本画』賞」 (以下
「本賞」 は、東京藝術大学美術学部選考委員会による審査(2024 年 1 月 18 日)
) 、同運営委員会で
の最終承認 を経て第 2 回受賞者が決定し、このほど授賞式が執り行われました。
(同年 2 月 1 日)

本賞の第 2 回受賞者は、川﨑麻央(かわさき・まお)氏、安原成美(やすはら・しげみ)氏の 2 名
で、審査の結果、同率で両者ともに大賞を授与することといたしました。


受賞者のコメント

大賞受賞:川﨑麻央(かわさき・まお)氏

神話など抽象的で捉えどころの無いテーマに
挑戦しはじめてもうすぐ 10 年。作風は様々に
変化していきましたが、未だ興味が尽きません。
このような節目に賞をいただき、前進する力を
いただいているようで大変有り難く思います。
引き続き精進して参る所存です。




安原成美(やすはら・しげみ)氏

私は大学院で習得した伝統的な日本画の技法
をさらに研鑽を積むとともに、現代の人々の感
覚でも目新しいものとして受け入れられる日
本画を生み出そうと試行錯誤をしてきました。
そうした私の創作活動に、
「日本画」賞を授与し
ていただき大変光栄に思いますし、今後の制作
の励みになります。生涯にわたり日本画の道を
追求していきたいと思います。





光井渉 美術学部長 挨拶要旨

「日本美術」と言いますが、「日本彫刻」という言葉はありません。「日本建築」という言葉は
ありますが、それは古い建築を指すのであって、今つくっているものを指す言葉ではありませ
ん。ところが「日本画」だけは、伝統の上に立って新しいものをつくっていくその領域を「日
本画」という言葉で呼び、それを当たり前のものとして我々受け入れています。常に伝統を意
識しながらも、常に前を向いて新しいものに向っていく。やはり日本美術の中で「日本画」と
いうのは特別な意味があり、そのことを察知された AD ワークスグループ「日本画」賞という
のは、本当にその真髄に沿ったものなのではないかと思っております。受賞されたお二人の方々、
その「日本画」を背負って立つ方になろうかと思います。今後ともご研鑽、そしてご活躍をお
祈りしております。


田中秀夫 AD ワークスグループ社長 挨拶要旨

おかげさまを持ちまして、ここに第2回「AD ワークスグループ『日本画』賞」授賞式を迎え
ることができました。何ごとも2回目あるいは2年目というのは、非常に大事だと考えており
ます。最初の勢いを維持しつつ、次に繋がる発展性を創出できるかどうかで真価が問われるの
ではないでしょうか。その意味で、今回も大変素晴らしい作家さんを選出いただき、第1回受
賞者とはまた違ったおもむきのユニークなお二方に出会うことができました。高い熱量の作品
のみならず、そのお人柄や問題意識に触れたことで、ますます応援したくなった次第です。来
年の第2回「AD ワークスグループ『日本画』展」では、お二方に創作いただく作品も加わるこ
とで、よりグレードアップできると確信しております。ぜひ素晴らしい作品を創作いただくこ
とを期待いたします。




左から、
東京藝術大学美術学部長 光井渉/大賞受賞者 川﨑麻央氏/大賞受賞者 安原成美氏
/AD ワークスグループ代表取締役社長 CEO 田中秀夫




【川﨑麻央(かわさき・まお)氏】

■プロフィール

生年月日 1987 年 7 月 27 日
学歴 2012 年 3 月 東京藝術大学美術学部
日本画専攻卒業
2014 年 3 月 同大学大学院美術研究
科絵画専攻日本画研究
分野修了
2017 年 3 月 同大学大学院博士後期
課程美術専攻日本画研
究領域修了
大学での専攻 日本画
卒業・修了後の 修了後、東京藝術大学日本画研究室にて助手・非常勤講師(テクニカルインス
活動 トラクター)として務める。日本美術院での発表を中心に、画廊や百貨店での
創作活動を展開している。
創作の基本方針 日本神話や民話など土着的なものに興味があり、出身地島根県西部の里神楽
や、こどもの頃の思い出をテーマに描く。
受賞歴 2020 年 第 75 回春の院展「国来、国来」春季展賞・郁夫賞・足立美術館賞
2020 年 再興第 105 回院展「白兎予祝」奨励賞・天心記念茨城賞
2022 年 再興第 107 回院展「音楽室は根の国」日本美術院賞・東京都知事賞
2024 年 第 79 回春の院展「鐘泥棒」外務大臣賞
個展 2020 年 川﨑麻央日本画展・神遊び(西武池袋本店)
2021 年 川﨑麻央日本画展・ウブスナ(一畑百貨店)
2022 年 川﨑麻央 更生保護表紙絵原画展(阪神梅田本店)
2023 年 川﨑麻央日本画展・いつもあなたと(西武池袋本店)





■これまでの主な作品




国来、国来
2020 年
紙本彩色
98 ㎝×98 ㎝




白兎予祝
2020 年
紙本彩色
215 ㎝×170 ㎝




音楽室は根の国
2022 年
紙本彩色
170 ㎝×215 ㎝




【安原成美(やすはら・しげみ)氏】

■プロフィール

生年月日 1984 年 8 月 28 日
学歴 2010 年 3 月 東京藝術大学美術学部
絵画科日本画専攻卒業
2012 年 3 月 同大学大学院美術研究
科文化財保存学専攻、保
存修復日本画研究領域
修了
2018 年 3 月 同大学大学院美術研究
科文化財保存学専攻、保
存修復日本画研究領域
博士後期課程修了、博士
号取得
大学での専攻 学部:日本画/修士・博士:文化財保存学
卒業・修了後の 日本画の創作活動を中心としながら、文化財の復元活動や寺社に収める仏画や
活動 仏像彩色も行っている。
また、海外での展示や講演活動にも積極的に取り組んでいる。
創作の基本方針 1000 年以上の世界的にも稀有な長い歴史をもつ日本画の技法と素材をしっか
りと受け継ぎながら、現在の日本の風土と融合した新鮮な感覚の日本画を目指
している。
受賞歴 2008 年 安宅賞(東京藝術大学)受賞
2011 年 卒業制作 奨励賞(東京医科歯科大学教養部)受賞
2015 年 平山郁夫奨学金(東京藝術大学)受賞
2016 年 野村美術賞 受賞、修了作品 東京藝術大学収蔵、平山郁夫文化芸
術賞 受賞
2019 年 Seed 山種美術館 日本画アワード 2019 大賞受賞
個展 2018 年 5月 個展(靖山画廊)
11 月 個展(仙台三越)
2019 年 6月 個展(Galerie48、仏リヨン)
12 月 個展(Hideharu Fukasaku Gallery Roppongi)
2020 年 5月 個展(京阪百貨店、守屋店)
8月 個展(日本橋三越本店)
2021 年 4月 個展(靖山画廊、東京)





■これまでの主な作品




雪原に立つ杉
2020 年
紙本彩色
53 ㎝×53 ㎝




栃と糊空木の花
2023 年
紙本彩色
45.5 ㎝×53 ㎝




泰山木の花
2023 年
紙本彩色
41 ㎝×41 ㎝




ご参考:東京藝術大学「AD ワークスグループ『日本画』賞」とは…


【3 つの特徴】

① 39 歳までを対象とし、2 年間継続支援
東京藝術大学美術学部を卒業又は同大学大学院美術研究科を修了した 39 歳以下の、日本画創作活
動を継続的に行っている方の中から、しかるべき審査手続きを経て大賞 1 名、特別賞 1 名を選出
します(対象は「作品」ではなく「人」。大賞は賞金 50 万円/翌年に活動支援金 25 万円、特別賞は

賞金 30 万円/翌年に活動支援金 15 万円を授与、2年間にわたって創作活動を継続支援します。
※ 前述の通り、今般については同率で両者ともに大賞とし、それぞれの受賞者に
賞金 40 万円/翌年に活動支援金 20 万円を授与することといたしました。
② 「日本画」の定義を柔軟に設定
日本画の定義や境界線は比較的曖昧であると言われております。そこで、日本画の優れた作家を
輩出している同大学美術学部 美術研究科の日本画研究室・デザイン研究室・保存修復日本画研究
室から推薦された方が創作する作品を、本賞では「 」付きで「日本画」と呼ぶものと定義いたし
ました。
③ 「AD ワークスグループ『日本画』展」への出品
また各受賞者には「ADワークスグループ『日本画』展」に出品する権利を付与します。活動のた
めの資金的支援のみならず、発表の場を合わせて提供するという趣旨です。


【なぜ日本画なのか】

ADWG は、前身が渋沢栄一も設立に関わった染物事業者(明治 19 年、青木染工場)であり、そ
の技術を積極的に海外展開するなど、日本文化の一端を担った経緯があります。そうした流れに鑑
み、日本文化の伝統継承に寄与するべく、まずは日本画というジャンルを選択したものです。




以上




本件に関するお問い合わせ:
株式会社 AD ワークスグループ
広報・IR 部 山口・高場
E-mail:pr@re-adworks.com





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