クロレラ細胞壁由来成分が免疫を介して、結腸がんを抑制することを示唆する研究結果を確認しました

2020 年 2 月 7 日

クロレラ細胞壁由来成分が免疫を介して、
結腸がんを抑制することを示唆する研究結果を確認しました

株式会社ユーグレナ

株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、社長:出雲充)は、カンサス州立大学の田村正明教授と
の共同研究により、クロレラ細胞壁由来成分※1 が免疫を介して結腸がんを抑制することを示唆する
研究成果を確認しました。
なお、今回の研究結果は、2020 年 2 月 1 日付で医学ジャーナル『Integrative Cancer Therapies』
に掲載されました(https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1534735419900555)

※1 クロレラ培養液の上清に含まれる成分。



■研究の目的
日本で最も多い死因はがんで、特に大腸がんの罹患率は他のがんと比べて、男性では 1 番、女性で
は 2 番目に高くなっています※2。今回の研究では、大腸がんの一種である結腸がんに対するクロレラ
細胞壁由来成分の効果について、ヒト細胞試験及び結腸がんマウスモデルにおける抗腫瘍活性及び
免疫調節機能を評価しました。
なお、クロレラは、単細胞の微細藻類であり、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、カロテノイド、不
飽和脂肪酸、葉緑素(クロロフィル)など豊富な種類の栄養素を含み、これまでもクロレラによる抗
がん効果※3 や生活習慣病改善効果※4 などを示唆する研究成果が報告されています。
※2 国立がん研究センター2019 年のがん統計予測(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html)。
※3 Tanaka K, Konishi F, Himeno K, Taniguchi K, Nomoto K(1984)Augmentation of antitumor resistance by a strain of unicellular
green algae, Chlorella vulgaris. Cancer Immunol Immunother 17: 90-94.
※4 Mizoguchi T, Takehara I, Masuzawa T, Saito T, Naoki Y(2008)Nutrigenomic studies of effects of Chlorella on subjects with
high-risk factors for lifestyle-related disease. J Med Food 11: 395-404.



■研究の内容と結果
① 結腸がん細胞(CT26、Caco-2、HT29※5)の成長が用量及び時間依存的に抑制されました
マウスおよびヒトの結腸がん細胞の培養時にクロレラ細胞壁由来成分を添加し、結腸がん細胞の増
殖率を測定したところ、クロレラ細胞壁由来成分の濃度が濃くなればなるほど、また、培養時間が長
いほど、結腸がん細胞の増殖が抑制されました。
※5 結腸がん細胞の種類。


細 細 細
胞 胞 胞
生 生 生
存 存 存
率 率 率
[%]




[%]




[%]




Control クロレラ細胞壁由来成分 Control クロレラ細胞壁由来成分 Control クロレラ細胞壁由来成分
[µg/mL] [µg/mL] [µg/mL]

*p<0.05 vs control、◇p<0.05 vs 同じ濃度の 48 時間培養区
H=時間


② 未成熟な T 細胞(免疫細胞)※6 を共存させた 3 次元細胞培養において、マウスの結腸がんスフェ
ロイド※7 の成長が有意に抑制されました
マウスの結腸がんスフェロイドの培養時にクロレラ細胞壁由来成分を添加し、結腸がんスフェロイ
ドの成長を観察したところ、結腸がんスフェロイドの成長が有意に抑制されました。そして、未成熟
な T 細胞を結腸がんスフェロイドと共存させると、クロレラ細胞壁由来成分存在下でさらに結腸が
んスフェロイドの成長が有意に抑制されました。これは、クロレラ細胞壁由来成分が未成熟な T 細
胞を成熟させるのを助け、それにより結腸がんスフェロイドの成長を阻害した可能性を示していま
す。
※6 白血球のうちリンパ球の一種。細胞性免疫にかかわる。
※7 細胞同士が集合・凝集化した球場の細胞集合体のこと。生体類似構造の再構築系として実験で使用される。










[× 106 µ m3 ]








がん細胞

T 細胞
Control クロレラ Control クロレラ
細胞壁由来成分 細胞壁由来成分

a-c、異なる文字間にて有意差、p<0.05
③ マウス結腸がんが抑制されました
結腸がんを発症させたマウスの腹腔内にクロレラ細胞壁由来成分を投与することで、結腸がんの腫
瘍の成長が有意に減衰しました。これは、クロレラ細胞壁由来成分が免疫細胞における T 細胞を増
加させ、顆粒球※8 を減少させることが機序として関与している可能性を示しています。
※8 白血球の一種で、好中球、好酸球、好塩基球で構成される。












[mg]




Control 10 mg/kg 30 mg/kg
クロレラ クロレラ
細胞壁由来成分 細胞壁由来成分


a-b、異なる文字間にて有意差、p<0.05

<微細藻類クロレラについて>
微細藻類クロレラは小さな藻の一種で、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、カロテノイド、不飽和脂
肪酸、葉緑素(クロロフィル)など豊富な種類の栄養素を含んでいます。


<株式会社ユーグレナについて>
2005 年に世界で初めて石垣島で微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技
術の確立に成功。石垣島で生産した微細藻類ユーグレナ・クロレラなどを活用した機能性食品、化
粧品等の開発・販売を行うほか、バイオ燃料の生産に向けた研究を行っています。2012 年 12 月
東証マザーズに上場。2014 年 12 月に東証一部市場変更。経営理念は「人と地球を健康にす
る」。https://euglena.jp
以上

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