ユーグレナエキスの噴霧吸引による抗インフルエンザウイルス効果を示唆する研究成果を確認

2022 年 3 月 4 日

ユーグレナエキスの噴霧吸引による
抗インフルエンザウイルス効果を示唆する研究成果を確認しました
口や鼻から吸うユーグレナによるインフルエンザ対策の新たな可能性
株式会社ユーグレナ
株式会社アクアバンク

株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充、以下「ユーグレナ社」)と株
式会社アクアバンク(本社:大阪府大阪市、代表取締役 竹原 タカシ、以下「アクアバンク」

は、両社の共同研究において、微細藻類ユーグレナ由来原料(食品原料用途で開発したユーグレナ
エキス※1、以下「ユーグレナエキス」)の噴霧吸引による抗インフルエンザウイルス効果を示唆する
研究成果を確認したことをお知らせします。なお、本研究成果は、2022 年 3 月 4 日~5 日開催の
「超異分野学会東京大会 2022」にて発表します。
※1 2018 年 4 月 9 日付のリリース https://www.euglena.jp/news/20180409-5/



免疫力が低下することで発症しやすくなる病気として、新型コロナウイルス感染症や風邪、イン
フルエンザ、ノロウイルスなどのウイルスを病原とする感染症があげられます。
ユーグレナ社は、免疫力の低下によって影響を受けるインフルエンザウイルス感染症状に関し
て、①微細藻類ユーグレナの継続摂取により、主に機能性成分パラミロン※2 の作用で免疫伝達物質
の産生が促進されて免疫細胞が活性化し、症状を緩和する可能性※3,4 や、②体内に摂取されたユー
グレナの水溶性成分(ユーグレナの熱水抽出物)が、インフルエンザウイルスの増殖を抑制すると
ともに宿主細胞の防御機構を活性化する可能性※5 を示す研究成果を発表してきました。
今回のユーグレナ社とアクアバンクの共同研究では、ユーグレナエキスを霧吸引することがイン
フルエンザウイルス感染に及ぼす影響について検討しました。
※2 パラミロン:微細藻類ユーグレナ特有の成分で、きのこなどに含まれるβ-グルカンと呼ばれる細胞内貯蔵物質として生成さ
れる多糖類であり、食物繊維の一種
※3 2015 年 2 月 9 日付のリリース https://www.euglena.jp/news/n20150209/
※4 2017 年 11 月 1 日付のリリース https://www.euglena.jp/news/20171101-2/
※5 2020 年 11 月 16 日付のリリース https://www.euglena.jp/news/20201116/




■研究の内容と結果
ユーグレナエキスを噴霧吸引していたマウスにインフルエンザウイルスを感染させたところ、マウス
肺中のウイルス力価の有意な減少が確認されました。
本研究では、ユーグレナエキス(100%)を空間内※6 に噴霧し、14 日間にわたり鼻や口から吸引
させたマウスに、インフルエンザウイルスを感染させました。その結果、微細藻類ユーグレナ由来
原料を吸引していないマウス(コントロール)と比較して、感染 5 日後の肺中のウイルス力価※7 が
有意に低下しました(図 1)。
※6 デシケーター(主にガラス製で、蓋と容器本体が密着するように加工されている実験器具)を使用
※7 試料中に含まれる感染性をもつウイルス量のことで、その量によってウイルスの感染能力をはかる
120.0



100.0



80.0
(×104 PFU/lung)
ウイルス力価



60.0
*

40.0



20.0



0.0
コントロール
control ユーグレナエキス
OD-200 extract



図 1:マウス肺中のウイルス力価
*p<0.05、vs control、Wilcoxon の順位和検定



次に、ユーグレナエキスの濃度を変えてそれぞれ空間内に噴霧し、同じく 14 日間にわたり吸引
させたマウスに、インフルエンザウイルスを感染させました。その結果、ユーグレナエキスを吸引
していないマウス(0%)と比較して、濃度依存的に感染 5 日後の肺中のウイルス力価が低下し、特
に 25%、75%、100%の濃度で有意に低下しました(図 2)



100.0

90.0

80.0

70.0
*
(×104 PFU/lungs)




60.0
**
ウイルス力価




50.0

40.0

30.0 **
20.0

10.0

0.0
0% 5% 25% 50% 75% 100%
ユーグレナエキス濃度


図 2:マウス肺中のウイルス力価
**p<0.01、*p<0.05、vs 0%、Dunnett 検定
以上のことにより、これまで確認してきた微細藻類ユーグレナの経口摂取だけでなく、鼻や口か
らの噴霧吸引という作用経路でインフルエンザウイルスの増殖抑制効果を示唆することが確認さ
れ、口や鼻から吸うユーグレナによるインフルエンザ対策の新しい新たな可能性が生まれました。
今後も素材のさまざまな可能性を検証し健康食品などの研究開発を推進していきます。




<微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)について>
ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持ってお
り、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など 59 種類の栄養素をバランスよく含んでい
ます。なお、ユーグレナ特有の成分で β-グルカンの一種であるパラミロンは、近年機能性につい
ての研究が進み、食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。


<株式会社ユーグレナについて>
2005 年に世界で初めて石垣島で微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術
の確立に成功。石垣島で生産したユーグレナ・クロレラなどを活用した機能性食品、化粧品等の開
発・販売を行うほか、バイオ燃料の製造開発や遺伝子解析サービスの提供を行っています。また、
2014 年より行っている、バングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを
届ける「ユーグレナ GENKI プログラム」の対象商品を、2019 年 4 月より化粧品を含む全グループ
商品に拡大。2012 年 12 月東証マザーズに上場。2014 年 12 月に東証一部市場変更。
「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義
し、事業を展開。https://euglena.jp


<株式会社アクアバンクについて>
2011 年 6 月設立。水道水からミネラル水素水をつくるウォーターサーバー「アクアバンク」のレン
タル事業をはじめ、持ち運びが可能な「ポータブル水素ガス吸引具 KENCOS
(ケンコス)シリーズ」
の開発・販売を行っている。また、ヘルスケアベンチャーとして、
「健康」
「美容」
「スポーツ」など、
様々な分野において有用と考えられている水素の可能性を検証し、その成果を学会で発表。
産学あるいは産官学の連携による実証テストを重ね、科学的臨床エビデンスをもとに製品開発を行
う。
『健康を「吸う」』をコンセプトに開発された「KENCOS」は、現在シリーズ累計四万台を突破。
健康寿命の延伸を掲げ、新しいライフスタイル(健康習慣)の提案を続けている。https://www.aqua-
bank.co.jp/
以上

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