災害救助犬による人の捜索を遠隔モニタリングするWebシステムを東北大学と共同開発

News Release



平成 30 年 7 月 4 日
各 位
株式会社ドーン

災害救助犬による人の捜索を遠隔モニタリングするWebシステムを東北大学と共同開発


株式会社ドーン(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:宮崎正伸)は、国立大学法人東北大学との間
で、災害救助犬による人の捜索を遠隔モニタリングするWebシステムを共同開発しましたので、お知ら
せいたします。



1 共同開発の概要
本共同開発は、災害現場で活躍する救助犬にタフ・ロボティクス(※1)を融合させたサイバー救
助犬(※2)による被災者や行方不明者の捜索活動の可視化を目的としており、東北大学大学院田所
研究室(田所諭教授、大野和則准教授)と株式会社ドーンが共同で、システムを開発し、実用化に向
けた検証等を進めております。
このシステムは、現場に投入された複数の救助犬から収集される捜索情報をGIS(地理情報シス
テム)により遠隔モニタリングすることで、要救助者の正確な位置特定を支援し、救助までの時間の
短縮等を図るものであり、救助犬に装着される行動計測スーツから送信されるビデオカメラの映像や
各種センサーによる捜索現場の状況をハンドラー(犬に捜索の指示を与える人)や指揮本部のスマ
ホ・タブレット等(マルチデバイス対応)において表示するほか、救助犬の移動軌跡を現場の航空写
真上にマッピングすること等により、捜索状況をリアルタイムに分析するためのWebサイトを構築
しました。
本年 6 月 14 日に開催された「タフ・ロボティクス・チャレンジ」第6回公開フィールド評価会(※
3)に当社からも参加し、このシステムの表示や操作性の良さについて、国内外のレスキューロボッ
ト分野の専門家から高い評価をいただいております。

※1 災害時の過酷な環境においてもタフに性能を発揮できる遠隔自律ロボットの基盤技術を研究開発する取組み
※2 全地球測位システム(GNSS)・慣性センサー・ビデオカメラ・マイク等のセンサーを搭載した行動計測ス
ーツ(東北大学等により開発)を装着させた災害救助犬
※3 内閣府のImPACT(革新的な科学技術イノベーションの創出を目指し、ハイリスク・ハイインパクトな
挑戦的研究開発を推進するために創設された革新的研究開発推進プログラム)において田所諭教授がマネージ
ャーを務める研究開発プログラムであり、福島ロボットテストフィールドで開かれた評価会では、これまでに
得られた災害対応ロボット技術の成果の公開実演が行われている




(写真左:行動計測スーツを装着したサイバー救助犬(東北大学提供)/右:システムの画面イメージ(国土地理院
電子国土基本図を掲載))
2 背景
災害救助犬は鋭敏な嗅覚で要救助者を発見し位置を知らせるものの、人に対して言葉で状況を伝え
ることはできず、ハンドラーの経験から犬の行動をみて捜索が行われています。そこで、探査中の犬
が見る映像や捜索活動の記録等、発見に繋がる情報を可視化し、客観的に分析することで捜索の効果
を高めるという視点から、サイバー救助犬の研究が進められており、この点に当社のGIS技術が活
用できることから、上掲の取り組みを進めてまいりました。
将来的には、ドローンを活用して山岳丘陵地域の遭難者の捜索を支援するシステムとの連携により、
自律航行型のドローン(無人飛行ロボット)による上空からの捜索と、サイバー救助犬による地上捜
索を連動させる取り組みへの応用も想定しており、要救助者の捜索に関する問題に多角的に取り組ん
でいきたいと考えております。
以 上
<ご参考>
(1)東北大学大学院田所研究室(所在地:宮城県仙台市)
東北大学大学院情報科学研究科において、災害対応のためのロボットやシステム、人間との情報
伝達技術を中心とした研究を進めています。RT(ロボットテクノロジーと各分野の融合)を活用
し、安全で安心して暮らせる豊かな社会の実現に貢献することを目的としています。
(2)株式会社ドーン
地理情報システム(GIS)を構築するための基本ソフトウェアやGIS関連システムの開発・
販売を事業の柱とし、近年は Spatial-IT(空間情報技術)を駆使した防災・防犯等の安心安全分野
のソリューションに注力しています。



<問い合わせ先>
株式会社ドーン総務部 IR 担当
TEL:078-222-9700 E-mail:dawn@dawn-corp.co.jp

5593