「吉野家の牛丼の具」の長期連続摂取に関する研究について

各 位
平成 27 年 12 月9日
会 社 名 株式会社吉野家ホールディングス
代 表 者 名 代表取締役社長 河村 泰貴
コード番号 9861 東 証 第 1 部
問 合 せ 先 常務取締役グループ企画室長
松尾 俊幸
(TEL 03-4332-9701)


~「吉野家の牛丼の具」の長期連続摂取に関する研究~

日本人好みの甘みのあるしょうゆ味で、コクのある牛脂の風味が魅力の「吉野家の牛丼 *1」

日本人の国民食といわれるくらいに古くから多くの人々に愛され、今日も多くの方に支持されている吉
野家の牛丼です。
しかしながら、わが国では近年、メタボリックシンドロームが増え、その結果として生活習慣病が急増
しています。その原因は、食の欧米化にあると位置付けられており、そのイメージが畜肉を摂取するこ
とにあるように思われがちです。
その影響を受け、日本の牛肉の食べ方を提示するメニューである「吉野家の牛丼」までも、不健康イメ
ージに巻き込まれているような懸念があります。私たち吉野家ホールディングスでは、グループ商品本
部の素材開発部にて、そのようなイメージを払拭し、お客様に安心して「吉野家の牛丼」を召し上がっ
ていただくために、吉野家の「冷凍牛丼の具」を通常の食事にプラスして毎日 3 ヶ月間食べたときの身
体への影響を調べましたので、ここにご報告いたします。
*1)
吉野家の牛丼(並盛)は、本実験に使用した吉野家の「冷凍牛丼の具」と同等品をご飯(茶碗約 1.5 杯分)に合わせ

てご提供しております。



■研究内容
20 歳から 65 歳未満の成人男女 24 名(血糖値正常高値、境界型合計 5 名を含む、平均年齢 44.8±8.5
歳)を対象に、日常生活の中で吉野家の「冷凍牛丼の具」*2) を毎日必ず 1 食を加えて摂取することを
12 週間継続 していただきました。開始前と開始後で、身体計測及び生理学的検査(体重、BMI、体脂肪
率、血圧、脈拍数)、臨床検査値、尿定性検査値の変動と、有害事象の有無、種類、頻度、重症度を調査
し、試験責任医師らにより評価を受けました。またその他に、食事内容(回数、量)、飲酒量、運動量、便
通、睡眠時間、特定保健用食品などの摂取、自覚症状、医療機関の受診、治療内容、医薬品の使用など
の調査を日誌調査により行いました。
*2)
試験期間中の衛生及び品質管理上の理由から、牛丼の具は「冷凍牛丼の具」を使用しています。



■臨床検査項目
採血:(摂取開始前、摂取開始4、8、12週間後、後観察開始4週間後)
採尿:(摂取開始前、摂取開始4、8、12週間後、後観察開始4週間後)
(1)問診、身体計測:体重、体脂肪率(BI法)
、BMI値
(2)生 理 学 的 検 査:収縮期血圧、拡張期血圧、脈拍数
(3)血 液 生 化 学 検 査:TP、ALB、AST、ALT、LDH(LD)
、T-BIL、ALP、γ-GTP(γ-GT)、CPK
(CK) BUN(UN)
、 、CRE、UA、Na、Cl、K、Ca、T-Cho、LDL-Cho、
HDL-Cho、TG、GLC(GLU)
(4)血 液 学 的 検 査:WBC、RBC、Hb、Ht、PLT
(5)尿 検 査:蛋白、糖、ウロビリノーゲン、ビリルビン
(6)日 誌 調 査:食事の内容(回数、量)、飲酒量、運動量、便通、睡眠時間、特定保健用食品・健
康食品等の摂取、自覚症状、医療機関の受診・治療内容、医薬品の使用


■研究結果
12 週間の期間中 24 名の被験者にドロップアウトはなく、摂取率は 99.6±1.1%であり、問題なく摂
取していただきました。
摂取前と摂取 12 週間後の身体計測及び生理学的検査の実測値は以下のとおりでした。
身体計測及び生理学的検査(実測値)
検査項目 単位 摂取開始前 摂取 12 週間後
体重 kg 63.13 ± 13.87 62.97 ± 13.51
BMI kg/m2 22.625 ± 3.648 22.587 ± 3.600
体脂肪率 % 23.21 ± 6.38 22.84 ± 6.95
収縮期血圧 mmHg 115.2 ± 13.7 115.4 ± 15.7
拡張期血圧 mmHg 70.4 ± 9.5 73.3 ± 12.0
脈拍数 bpm 73.6 ± 10.3 73.5 ± 9.5
平均値±標準偏差

統計解析の結果、摂取前後で有意差はありませんでした。
次に血液生化学検査の結果をお示しします。
血液生化学検査(実測値)
検査項目 単位 性別 摂取開始前 摂取 12 週間後
TP g/dL - 7.08 ± 0.35 7.18 ± 0.41
ALB g/dL - 4.36 ± 0.24 4.42 ± 0.24
AST(GOT) U/L - 17.5 ± 3.6 17.9 ± 4.3
ALT(GPT) U/L - 16.7 ± 8.7 16.3 ± 8.3
LDH(LD) U/L - 154.5 ± 21.5 164.1 ± 28.2 *
T-BIL mg/dL - 0.76 ± 0.25 0.78 ± 0.28
ALP U/L - 166.8 ± 45.2 173.4 ± 54.4
γ-GTP(γ-GT) U/L 男性 31.7 ± 18.2 36.6 ± 32.2
女性 14.3 ± 3.5 15.0 ± 6.0
CPK(CK) U/L 男性 138.3 ± 53.1 180.0 ± 144.9
女性 74.2 ± 30.6 82.6 ± 42.2
BUN(UN) mg/dL - 11.42 ± 3.10 11.55 ± 2.96
Cre mg/dL 男性 0.862 ± 0.103 0.858 ± 0.127
女性 0.592 ± 0.068 0.601 ± 0.075
UA mg/dL 男性 6.00 ± 0.73 6.18 ± 0.90
女性 3.88 ± 1.01 4.00 ± 1.01
Na mEq/L - 140.3 ± 1.8 140.3 ± 1.7
Cl mEq/L - 104.4 ± 1.8 103.7 ± 2.0 *
K mEq/L - 4.13 ± 0.25 4.30 ± 0.34
Ca mg/dL - 9.42 ± 0.38 9.47 ± 0.37
T-Cho mg/dL - 197.3 ± 27.8 199.0 ± 29.9
LDL-Cho mg/dL - 116.8 ± 26.9 117.1 ± 27.2
HDL-Cho mg/dL 男性 59.8 ± 8.7 61.3 ± 7.4
女性 67.0 ± 19.5 64.7 ± 20.0
TG mg/dL 76.3 ± 33.2 84.5 ± 37.6
GLC(GLU) mg/dL 85.4 ± 9.2 86.6 ± 8.1


平均値±標準偏差
摂取開始前と比較して有意差あり(*p<0.05、対応のある t 検定)


血液生化学検査の結果でも、LDH(LD)と、Cl 以外の項目で、摂取前と摂取後で統計的に有意な変動
がありませんでした。変動のあった LDH と CL は正常値の範囲がそれぞれ、120~240、98~10
8であり、正常範囲内の軽微な変動であり、生理的変動の範囲内と診断されました。
さらに血液学的検査、尿検査の結果においても、生理的変動の範囲を超える変動は見られず、問題なし
と判断されました。


■結論
通常の食事にプラスした吉野家の「牛丼の具」の 12 週間連続摂取は、生活習慣病の原因となるメタボ
リックシンドロームにつながる、体重や体脂肪率、血圧、中性脂肪、コレステロール類、血糖値などの
有意な変動を引き起こしませんでした。吉野家のお店の牛丼(並盛)は、牛丼の具にご飯を茶碗約 1.5 杯
分組み合わせたものです。
その栄養分析の結果、たんぱく質、炭水化物、脂質、食塩について、2015 年食事摂取基準で示されて
いる 1 日の摂取基準を単純に 3 で割って求めた 1 食分の摂取量に対し、過剰になるような栄養成分はあ
りません。また、吉野家の牛丼の具の脂肪酸分析の結果、脂肪酸の半分は飽和脂肪酸(エネルギーになる
脂肪酸)であり、残りのほぼ半分は、オレイン酸(オリーブオイルに多く含まれるオメガ9系脂肪酸で、
LDL-コレステロールが下がるなどと言われています)であることが判っています。現代の食生活で過剰
摂取が心配されているオメガ 6 系脂肪酸は、吉野家の牛丼の具にはほとんど含まれていません。
これらの分析結果は、牛肉の分析結果ではなく、牛肉、玉葱、タレの材料、調理工程などを含め、吉野
家の製法によって製造された吉野家の牛丼の具(タレを含む)をそのまま分析した結果です。タレに含まれ
る栄養成分や製法が異なれば、当然分析結果は異なりますので、すべての牛丼の具に当てはまる話では
ありません。従って今回の連続摂取の結果は牛丼の具一般に言えることではないと思われます。
栄養分析結果から、私たちは吉野家の牛丼の具には生活習慣病を誘導もしくは増悪するリスクはないと
推定していましたが、今回実際に吉野家の「冷凍牛丼の具」を食事とともに 12 週間摂取していただい
た健常成人男女および、血糖値の高めな方々においても、摂取前と後でなんら健康リスクが増加する兆
しは見られなかった事を皆様にご報告させていただきます。


注)吉野家の「冷凍牛丼の具」は、上記のように血液データに影響を与えるものではないとの結果を
得ておりますが、他のものと組み合わせて献立とする場合、脂質、糖質に偏りがちなメニューでは、血
糖が高めの方や中性脂肪が高くなりやすい体質の方は、血液データに変化をもたらす可能性があります。
バランスの良い献立としてお召し上がりください。




また吉野家の「冷凍牛丼の具」は牛丼としてだけでなく他の食材と組み合わせて肉じゃがなどのメニュ
ーに活用するのも便利です。毎日の献立に安心してお役立ていただけます。吉野家「冷凍牛丼の具」は、
吉野家公式通販ショップでご購入できます。




研究実施期間:2015 年 4 月~10 月
実施医療機関:チヨダパラメディカルケアクリニック




~ 本件に関するお問い合わせ先 ~
株式会社吉野家ホールディングス
グループ企画室 広報 IR 担当
TEL 03-4332-9701 / FAX 03-4332-9707
住所 東京都北区赤羽南 1-20-1




以 上

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