「今後の重点取組み事項」の進捗状況等について

平成 29 年 10 月 27 日

各 位

会 社 名 東日本旅客鉄道株式会社
代表者名 代表取締役社長 冨田 哲郎
( コ ー ド 番 号 9020 東 証 第 一 部 )
問合せ先 広 報 部 長 石田 亨
(Tel. 03-5334-1300)


「今後の重点取組み事項」の進捗状況等について

JR東日本グループを取り巻く経営環境は、中長期的には、より一層の人口減少や
高齢化の進展、東京圏への人口集中が見込まれるとともに、技術革新やグローバル化等
による産業構造の変化なども想定されます。
また、当社グループは、会社発足から 30 年が経過し、鉄道のシステムチェンジや社員
の急速な世代交代など、様々な変革課題に直面しております。
これらに対応するため、平成 28 年 10 月から「横断的な重点課題」として「安全・安
定輸送のレベルアップ」「収益力向上への挑戦」及び「コミュニケーションスローガン

『TICKET TO TOMORROW』の推進」を掲げております。
課題達成に向けた取組みを加速するため、特に力を込めて推進する項目である「今後
の重点取組み事項」について、この1年間の進捗状況を取りまとめるとともに、施策を
更新しました。

横断的な重点課題 今後の重点取組み事項
○ 安全に関するリスク低減とマネジメント体制の強化
安全・安定輸送の ○ 輸送障害の発生防止及び輸送障害発生時の対応能力強化
レベルアップ ○ 駅ホーム上や踏切における安全対策の推進
○ 強靭な鉄道づくり
○ 輸送ネットワークによる交流拡大
○ インバウンド戦略の推進
収益力向上への挑戦 ○ ターミナル駅における利便性向上及びブランド確立
○ 沿線価値の向上
○ 事業エリアの拡大

コミュニケーション ○ 「JR東日本 2020 Project」に向けた取組み
スローガン ○ 地方創生
「TICKET TO ○ 技術革新
TOMORROW」 ○ 海外鉄道プロジェクトへの挑戦
の推進 ○ 人を伸ばす企業風土づくり、生産性向上による経営体質強化
横断的な重点課題①:安全・安定輸送のレベルアップ
近年、当社設備に起因する輸送障害など、安全・安定輸送に係る重大な事象を相次いで発生させ、会社
として事態を重く受け止めております。当社グループの社員一人ひとりが仕事の基本に立ち返ったうえで、
果たすべき役割を確実に実行し、「再発防止」の徹底と「未然防止」に全力を挙げて取り組んでまいります。

変革課題 鉄道のシステムチェンジ 「水平分業」の深度化 社員の急速な世代交代

近年、発生させた安全・安定輸送に係る重大な事象
2015年04月 山手線神田~秋葉原間での電化柱倒壊、東北新幹線郡山駅構内での架線切断
08月 根岸線横浜~桜木町間での架線切断、中央線国立~立川間でのケーブル焼損
2016年03月 高崎線籠原駅での電気設備故障
06月 常磐緩行線北松戸~松戸間での列車と作業用トロリーとの衝撃
11月 高崎線での輸送管理システム(ATOS)のネットワーク障害
2017年09月 蕨交流変電所での停電
10月 宇都宮線東鷲宮駅での電気設備故障

より実践的な安全教育・訓練の実施 課題解決 グループ会社・パートナー会社等との更なる連携強化
⇒ 仕事の「本質」 (趣旨・目的、しくみ・動作原理等)の ⇒ グループ会社・パートナー会社等と連携し、鉄道に関わる
理解を深めるためより実践的な安全教育・訓練を実施 に向けて 工事・作業の実態を把握し、ルール・手順を再徹底

設備の適切な維持管理と戦略的な更新・強化 輸送障害発生時の対応能力の強化
⇒ 二重系の確保、新幹線高速化等に対応した強靭化 ⇒ 影響拡大の防止、早期の運転再開、迅速なお客さま対応

過去の対策のトレースによる「再発防止」の徹底 ハード・ソフト両面での弱点把握による「未然防止」
⇒ 実施状況を定期的にトレースし、再発防止策の実効性を確保 ⇒ 企画部門と現場第一線が一体となって弱点を掘り起し、事故の芽を摘む


駅ホームや踏切での安全対策 安全・安定輸送のレベルアップ 耐震対策など鉄道の強靭化


横断的な重点課題①:安全・安定輸送のレベルアップ
この1年間の取組み内容 今後の重点取組み事項 ※ 下線部は今回新たに盛り込んだ項目
1.「グループ安全計画2018」の確実な推進
○ 乗務員訓練用シミュレーターなど、職場への
1.安全に関するリスク低減とマネジメント体制の強化
より実践的な教育・訓練設備の整備の推進 ○ これまでに策定した「再発防止」策の徹底と弱点の把握による「未然防止」
○ 鉄道工事マネジメントの実態把握・情報共有 ○ 仕事の「本質」 (趣旨・目的、しくみ・動作原理など)の
によりグループ全体で安全体制を強化 シミュレ-タ-による訓練 理解を深めるためのより実践的な安全教育・訓練の実施
○ 「安全のプロ」育成等を通じ、安全マネジメント体制を構築 ○ グループ会社・パートナー会社等と連携した、鉄道に
○ CM放送(TV・ラジオ)など踏切事故防止に向けたキャンペーン実施
関わる工事・作業の実態把握、ルール・手順の再徹底
○ 首都圏電気設備強化として電化柱倒壊対策、ケーブル焼損対策、
○ 首都圏電気設備及び新幹線設備・車両の重点的な強化 技能教習所での訓練
連動装置地絡対策、横断ケーブル防護等を推進
○ 新幹線車両からの落雪対策として台車まわり監視カメラを
2.輸送障害の発生防止・輸送障害発生時の対応能力強化
東京、盛岡(上り線)に先行設置し、検証を実施
○ 輸送障害の発生防止(地上設備・車両の対策強化、大規模自然災害対策の継続)
○ 山手線及び京浜東北・根岸線大宮~桜木町間の全駅にホーム
ドアを導入する方針のもと2020年度までの整備計画を策定・公表 ○ 輸送障害発生時の影響拡大防止・早期運転再開
○ 横浜線町田駅4番線に新形式の「スマートホームドア」を導入 (折返し運転設備の整備、折返し・別線運転の強化など)、
2.「サービス品質改革中期ビジョン2017」の推進 迅速なお客さま対応(運転再開見込み情報の早期提供、
折返し・別線運転に
○ 折返し設備等の整備拡大(常磐線友部駅、高崎線深谷駅) 異常時を想定した訓練等による駅間停車の早期解消など) 取り組む指令イメージ
○ 輸送障害時の影響を最小化するため、東海道線・横須賀線
(品川~戸塚間)等において別線運転を実施
3.駅ホーム上や踏切における安全対策の推進
横浜線町田駅の
○ 運転再開見込みの早期発表 ○ 首都圏でのホームドア・CPラインの整備推進 「スマートホームドア」
(15分以内に第一報)の取組みを拡大 (工期短縮やコストダウンに向けた「スマートホームドア」実用化など)
○ 他の鉄道事業者等との連携を拡大し、 ○ 踏切障害事故対策の推進(障害物検知装置の高機能化など)
「声かけ・サポート」運動強化キャンペーンを実施
○ 関係各社と連携した「声かけ・サポート」運動の継続
「声かけ・サポート」運動
3.強靭な鉄道づくり 強化キャンペーンポスター
○ 耐震補強対策を計画通りに推進(2016年度までに8割完了) 4.強靭な鉄道づくり
○ 長期耐久性や作業効率性の向上、 ○ 対象エリア・設備を拡大した 更なる耐震補強の
対象エリアの設備(例)
コストダウンをめざし新幹線大規模
更なる耐震補強対策の推進 橋脚・橋桁が
改修で用いる工法の開発を推進 一体的構造の
○ 老朽設備の着実な更新 ラーメン高架橋 盛土
○ 東北新幹線(大宮以北)において、
(新幹線大規模改修に向けた技術開発、東北新幹線のレール交換など)
大型機械編成群によるレール交換を開始 新幹線レール交換 2
横断的な重点課題②:収益力向上への挑戦
当社グループが有する重層的で“リアル”なネットワークの価値を高め、収益力の向上へ挑戦します。具体
的には、地域間・地域内の「交流」拡大を図るとともに、駅を中心とした「付加価値」向上に取り組みます。
あわせて、輸送、生活、 IT・Suicaの各サービスの相乗効果を強みに、「事業エリア」の拡大に挑戦します。

駅を中心とした
「付加価値」向上 輸送、生活、IT・Suicaの
地域間・地域内の
各サービスの組合せによる
「交流」拡大 駅周辺開発の積極展開 「事業エリア」拡大
駅ビル等のリニューアル
鉄道をはじめとした輸送 魅力ある「暮らしづくり」に エキナカ・駅周辺から
ネットワークの利用促進 よる沿線価値向上 マチナカへの展開
情報技術の活用による ホテルやSC等の
広域観光ルートの整備 新規事業・サービスの創出 東日本エリア外
インバウンド戦略の推進 及び海外への展開
新規事業 新サービス




海外 東日本 地方 地方 東日本 海外
エリア外 都市 エリア外

横断的な重点課題②:収益力向上への挑戦
この1年間の取組み内容 今後の重点取組み事項 ※ 下線部は今回新たに盛り込んだ項目
仙台・金沢
1.鉄道ネットワークの利用促進 直通新幹線
○ 仙台・金沢間直通の新幹線臨時列車を運行 1.輸送ネットワークによる交流拡大
○ 2017年10月ダイヤ改正で上野東京ラインを増発 ○ 列車増発や観光キャンペーン等による 「かにを食べに
北陸へ。」
○ 相模鉄道・JR相互直通運転に向けた社内外の協議・調整を推進 東北・北海道及び北陸方面への交流人口の拡大 キャンペーン
○ iPhone7(※)等で決済サービス「Apple Pay」(※)にSuicaが対応した ○ 首都圏在来線における混雑緩和及び利便性向上
ことを契機としたSuicaの利用拡大 ○ 中央線新型特急車両導入を契機とした東京~山梨・長野エリアの鉄道利用の促進
東京駅の祈祷室
2.インバウンド戦略の推進 (外観・小浄施設) ○ 「のってたのしい列車」の運行等による観光需要の創出
○ アジア圏の航空事業者と連携し、
立体観光「Air+JR」型の新商品を発売
2.インバウンド戦略の推進
○ 空港第2ビル駅の訪日旅行センター拡充、東京駅に祈祷室開設 ○ アジア市場における鉄道パスの新たな販売体制の構築
○ 無料公衆無線LAN「JR EAST FREE Wi-Fi」の提供駅を拡大 ○ 東北・北海道エリアの空港をゲートウェイとした「立体観光」の推進
○ 受入環境の整備(訪日旅行センター拡充、首都圏での駅ナンバ
3.ターミナル駅における利便性向上及びブランド確立
○ 品川新駅(仮称)の建設工事に着手、 リング整備、東北新幹線E5系等への車内荷物置場の設置など) 新幹線車内荷物置場
品川駅北周辺地区のまちづくりガイドラインを策定・公表
3.ターミナル駅における利便性向上及びブランド確立
○ 「グランスタ丸の内」(東京駅)と「エスパル仙台東館」を全面開業
○ 「ペリエ千葉エキナカ」、「ペリエ千葉(第Ⅱ期)」 グランスタ丸の内 ○ 2020年暫定開業に向けた品川新駅(仮称)の工事の推進、
及び「ホテルメトロポリタン仙台イースト」を開業 新駅及び品川駅を中心とした新たな国際交流拠点となるまちづくり計画の推進
○ 千葉・渋谷・横浜などの大規模ターミナル駅開発の推進(「ペリエ千葉」全面開業など)
4.既存店舗リニューアル等による「付加価値」向上
○ エキナカの開発やリニューアルをスピード感を持って進めるため、
4.沿線価値の向上
関係グループ会社の再編やエキナカ運営スキームの変更を検討
○ 首都圏を中心とした沿線の新たな価値の発掘・創造
○ グループ共通「JRE POINT」の利用可能箇所拡大(累計84箇所)
○ 「暮らし方」・「働き方」向上支援の推進
○ 「JR東日本おみやげグランプリ」を開催
JR東日本おみやげ (子ども見守りサービス「まもレール」の拡充、
5.選ばれる沿線ブランドの確立 グランプリの授賞式
ライフスタイル提案型賃貸住宅の展開など)
○ 中央線沿線で「nonowa武蔵小金井SOUTH」と
○ Suicaポイントのグループ共通「JRE POINT」への統合 「まもレール」サービス
「COTONIOR国立」を開業、武蔵境ぽっぽ公園を開園
○ 「HAPPY CHILD PROJECT」として2020年4月までに累計130箇所 5.事業エリアの拡大
開設をめざし、駅ビル等の子育て支援施設を整備(累計102箇所)
○ マチナカ、東日本エリア外及び海外への事業展開(ホテル、ショッピングセンター等)
※ 「iPhone」及び「Apple Pay」は Apple Inc. の登録商標です。 4
横断的な重点課題③:「TICKET TO TOMORROW 」の推進
コミュニケーションスローガン「TICKET TO TOMORROW ~未来のキップを、すべてのひとに。~」のもと、
全ての事業分野において、一つひとつの仕事をレベルアップし、質の高いサービスを提供することにより、
お客さまのご期待に応え、2020年以降の社会に「レガシー(遺産)」を引き継いでいきます。

「TICKET TO TOMORROW」のポイント
未来のキップを、
すべてのひとに。 JR東日本グループの社員全員が、自らの
新しい可能性に向けて積極的にチャレンジ
全ての事業分野において
一つひとつの仕事をレベルアップし 全ての事業分野において一つひとつの仕事
質の高いサービスを提供 をレベルアップし、質の高いサービスを提供
人を伸ばし、 2020年以降の社会やJR東日本グループ
人を活かす風土づくり に「レガシー(遺産)」を引き継いでいく
新たな事業領域への挑戦
大会運営の支援
技術革新
バリアフリー、快適な旅客鉄道輸送
地方創生 サービスの提供など
大会開催に向けた気運醸成
JR東日本 ターミナル駅改良、地域活性化、
2020Project ダイバーシティ推進など

横断的な重点課題③:「TICKET TO TOMORROW 」の推進
この1年間の取組み内容 今後の重点取組み事項 ※ 下線部は今回新たに盛り込んだ項目
1. 「JR東日本2020Project」に向けた取組み
○ 会場最寄駅や臨海部乗換駅の改良工事・バリアフリー整備を推進 1. 「JR東日本2020Project」に向けた取組み
TRAIN SUITE 四季島 ○ 大会会場周辺等における駅改良工事計画の推進
2.地方創生
○ 「TRAIN SUITE 四季島」運行開始し、 ○ 「アクセシビリティ・ガイドライン」に則したバリアフリー整備計画の検討・推進
東日本エリアの魅力を国内外に発信 ○ 鉄道におけるセキュリティ向上(駅・車両等への防犯カメラ増設、警備体制の充実)
○ 6次産業化に向け「株式会社JRアグリ
仙台」設立、基幹店舗「AOYA」開業 2.地方創生
○ JR東日本「のもの」アワードを開催 、「のもの」店舗拡大(累計7店) ○ 観光振興(「TRAIN SUITE四季島」運行を通じた地域の魅力発信、東北観光推進に
○ 「ラスカ熱海」・秋田駅「西口駐車場ビル」 向けた新たな取り組み、自治体との人材交流を通じた連携強化など)
開業、新潟駅周辺整備計画を推進 ○ 地域産業の活性化と地域への流動促進(6次産業化、土浦サイクリング拠点など)
秋田駅「西口駐車場ビル」
3.技術革新 ○ 地方中核駅を中心としたまちづくり(秋田、新潟など)
○ 高性能ドップラーレーダーを山形県酒田市内に新設、試験観測を開始
○ AIによるお問い合わせセンターオペレーター支援システムを開発 3.技術革新
○ 次世代新幹線の実現に向けて試験車両(ALFA-X)の製作に着手 ○ 安全・安心(地震早期検知など)
○ 車両モニタリングのデータ取得・分析(山手線E235系)、 ○ サービス&マーケティング(サービスロボットの開発など)
線路設備モニタリングの運用線区を拡大、
○ オペレーション&メンテナンス(自動運転技術の開発など)
電力設備モニタリングを山手線E235系に導入、
○ JR秋田下浜風力発電所の運用を開始 ○ エネルギー・環境(省エネ走行パターン開発など)
○ 南武線武蔵溝ノ口駅、信越本線新津駅及び ○ クラウドシステムプラットフォームの構築 クラウド システム プラットフォーム
中央本線小淵沢駅を「エコステ」モデル駅として整備 ALFA-Xイメージ ○ モビリティ変革コンソーシアムなどによる「イノベーション・エコシステム」の実現
○ 複数駅を対象としたエネルギーマネジメントシステムの使用を開始
4.海外鉄道プロジェクトへの挑戦
4.海外鉄道プロジェクトへの挑戦
○ グループ会社の日本コンサルタンツにおいて ○ インド高速鉄道プロジェクトの推進 インド高速鉄道
職員への研修
インド高速鉄道のコンサルティング業務を受注・推進 (インド高速鉄道職員への研修・技術的支援など)
○ 三井物産及びアベリオUK社(オランダ鉄道の英国子会社)とともに ○ 英国フランチャイズ「ウェストミッドランズ旅客鉄道事業」への参画
英国フランチャイズ「ウェストミッドランズ旅客鉄道事業」の運営権を獲得 (列車運行会社「ウェストミッドランズトレインズ」の2017年12月運営開始など)
○ タイ・バンコク「パープルライン」のメンテナンス事業の現地化を推進
5.人を伸ばし、人を活かす企業風土づくり 5.人を伸ばす企業風土づくり、生産性向上による経営体質強化
○ 公募制など、社員の意欲を受けとめた人事異動等を実施 ○ 働き方改革、ダイバーシティ推進、技術革新等を通じた
○ グループ会社を含めたバックヤード等の労働環境整備を推進
全ての事業分野における仕事のレベルアップと生産性向上
○ LGBTの取組みに関する「PRIDE指標」で最高評価「ゴールド」に認定 本八戸駅と駅ビルの
○ 鉄道と生活サービスの一体的な事業運営に向けて、 ○ 社員の活躍のフィールドの更なる拡大 共同運営の様子
本八戸駅と駅ビル(シーガルタウン)との共同運営を開始 ○ 社内外の様々な交流機会を通じた「内なるグローバル化」の推進 6

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