32万人のサーベイデータからエンゲージメントの高さと相関の強い因子を分析

2024 年 2 月 27 日
株式会社 アドバンテッジリスクマネジメント
代表取締役社長 鳥越 慎二
(東証スタンダード コード 8769)


32 万人のサーベイデータからエンゲージメントの高さと相関の強い因子を分析

~エンゲージメントが高い人は「問題解決行動」に優れていると推察~

株式会社アドバンテッジリスクマネジメントは、当社が提供するストレスチェックサービス「アドバンテッジ タフネ
ス」利用企業の従業員、約 32 万人のデータをもとに、「エンゲージメントの高さに相関のある因子」を調査いたしま
した。ストレスチェック・メンタルヘルス対策業界においてシェア No.1(※)の当社ならではのデータを活かした独自
分析となっています。
※株式会社富士経済「データヘルス計画・健康経営・PHR 関連市場と先進健保動向 2021」
(ストレスチェック・メンタル
ヘルス対策 2020 年度実績)より

■分析の背景
健康経営・人的資本経営に取り組むうえで、従業員の「エンゲージメント」は重要なテーマです。従業員のエンゲ
ージメントが高くなることで、生産性の向上や離職防止などさまざまな面でポジティブな影響が期待でき、企業価値
の向上に直結するといえます。しかし、エンゲージメント対策として取り組みは進めるものの、課題を感じている企
業のお悩みも多く挙がっています。
このたび当社サーベイにおける各因子との相関を明らかにし、エンゲージメントが高い、または低い人の特徴を
捉えるために分析を行いました。この分析から得られる結果は、エンゲージメント向上施策に取り組むうえでの一つ
の示唆になり、対策の一助となりうるものと考えています。

■分析の手法
本分析では当社が提供するストレスチェックサービス「アドバンテッジ タフネス」を利用している顧客企業のうち、
ワークエンゲージメントの主要因子に関しては 262 社、321,213 人、エンプロイーエンゲージメントの主要因子に関
しては 245 社、310,086 人のデータを取り扱いました。そのデータをもとに、当サーベイの質問によって構成される
因子と、ワークエンゲージメント・エンプロイーエンゲージメントの相関係数を算出しています。
なお相関係数は、-1 から 1 の間の値をとり、絶対値が 1 に近いほど相関が強く、逆に 0 に近くなると相関が弱い
という解釈になります。ここでは、目安として 0.1 以上が「小」、0.3 以上が「中」、0.5 以上が「大」の相関関係があると
解釈しています。
■サマリー




※今回の結果は当社サーベイにおける各因子との相関であり、因果関係を示すものではないものの、エンゲージメントが高い、または
低い人の特徴として解釈のひとつになりうるものと考えています。
本プレスリリースに関し、当社オウンドメディア「アドバンテッジ JOURNAL」にて、より詳しい解説と当社コンサルタ
ント矢島のコメントを掲載しています。

「アドバンテッジ JOURNAL」の記事はこちら


■結果詳細

【ワークエンゲージメント偏差値と比較的高めの相関がある因子】

「ワークエンゲージメントと相関が強い因子」
として、仕事への興味や意義を感じられてい
るかを表す「働きがい」(相関係数 0.72)に加
え、「前向きに考え直す行動」(同 0.56)、「問
題解決行動」(同 0.55)、「対処できる思考」
(同 0.48)といった当人の行動や思考に関連
する因子(メンタルタフネス度※)が上位に挙
がる。

※困難が降りかかった時にも、悪い感情に振り回さ
れることなく、解決に向けた行動を起こせる程度を示
す当社独自の指標




<調査研究部 上級研究員 土屋 政雄より>

仕事に対する興味や意義を感じられているかをあらわす「働きがい」が、ワークエンゲージメントと最も高い相関
があることは納得のできる結果です。ここで注目したいのは「前向きに考え直す行動」「問題解決行動」「対処できる
思考」のような、「困難な状況下で前向きな側面を探したり、問題解決のために行動したりすることができるか」に関
連する因子が数多くランクインしていることです。
ワークエンゲージメントの学術的なメカニズムとして広く知られている「仕事の要求度-資源モデル(JD-R モデル)
によれば、ワークエンゲージメントは「仕事の資源」と「個人の資源」からの影響を受けるとされています。本人の仕
事への取り組み方にあらわれる自己効力感や難しい状況でも屈せずに乗り越えられる力といった、従業員の心理
的な資本=「個人の資源」は、ワークエンゲージメント向上への大切な要因です。この個人の資源と仕事の資源が
相互に影響し合うことによってワークエンゲージメントがより高まりやすくなるでしょう。


【エンプロイーエンゲージメント偏差値と比較的高めの相関がある因子】

「エンプロイーエンゲージメントと相関が強い
因子」は、「会社との適合感」(相関係数 0.73)
や「経営層との信頼関係」(同 0.64)などエン
ゲージメントの環境要因を構成する因子が多
い。

さらに、仕事から私生活への肯定的な影響を
示す「仕事による私生活の充実」(同 0.59)や、
「キャリアへの配慮」(同 0.56)「ダイバーシティ
への対応」(同 0.56)、といった従業員を取り巻
く仕事環境・会社の姿勢に関連する因子も上
位に挙がる。
<調査研究部 上級研究員 土屋 政雄より>
会社・経営層に対する共感や働きがいに関連する因子がエンプロイーエンゲージメントと特に相関が強いことは
想像しやすい結果でしょう。ここで着目したいのは「仕事による私生活の充実」です。仕事で得た知見やスキルが直
接的に役立つというだけでなく、仕事での経験や行動習慣が私生活においても再現性があったり、または平日の
充足感が休日やプライベートの満足度にもつながったりすると高まる因子です。仕事での喜びや嬉しさが私生活
にも連動していると感じられることでも、会社組織に対するポジティブな心情が生まれると考えられます。
他に着目したい因子として「キャリアへの配慮」「ダイバーシティへの対応」を挙げます。従業員のキャリア支援や
ダイバーシティ環境の構築は、人的資本経営・ウェルビーイング経営の重要テーマですが、エンゲージメント観点
でも従業員の大きな評価対象といえるでしょう。
エンプロイーエンゲージメントの向上におけるキーワードとして、EVP(Employee Value Proposition:従業員への価
値提案)やエンプロイー・エクスペリエンス(Employee Experience:従業員の感じる経験価値)があると考えています。
「この会社が自分にとって価値のある経験を得られる環境だ」と感じることは、所属組織に対する一体感につながり
貢献意欲を高めることでしょう。そのような価値を提供する職場環境づくりが重要といえます。



<関連情報>

■【3/15 Web 開催】32 万人のデータから見る、エンゲージメントが高い人の特徴とアプローチのポイント
~「個人の資源」と「経験価値」がカギを握る?~

本調査結果を紹介するとともに、ワークエンゲージメントおよびエンプロイーエンゲージメント改善に向けたアプロ
ーチのポイントを当社のコンサルタントが解説します。

セミナーの詳細はこちら



■「アドバンテッジ タフネス」について


ストレスチェックやエンゲージメントサーベイを起点に組織改善までを担うワンストップサービスです。
リスクになりうるストレス状態に加え、生産性向上に直結するエンゲージメント、ストレスへの対処スキル「メンタルタ
フネス度」という独自指標で個と組織の課題を特定します。課題に合った解決策として、e ラーニングやカウンセリン
グなど基本サービスだけでなく、当社が展開するソリューションから最適な施策を提案します。

詳細・お問い合わせはこちら



株式会社アドバンテッジリスクマネジメント
(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:鳥越 慎二)

https://www.armg.jp/
1995 年、休職者の所得を補償する保険「GLTD(団体長期障害所得補償保険)」専業代理店として創業。
2002 年より、日本で初めてストレスチェックを取り入れた、予防のための EAP(従業員支援プログラム)サービスの提供を
開始し、周辺領域へと事業を拡大。
現在は、EAP や研修・ソリューション、健康経営支援を軸とする「メンタリティマネジメント事業」、病気・ケガ、出産・育児、
介護による休業・復職支援や仕事との両立支援を軸とする「就業障がい者支援事業」、個人向け保険販売を軸とする
「リスクファイナンシング事業」を展開。
従業員の「ウェルビーイング」、「ハピネス」向上を掲げ、今後は福利厚生アウトソーシングや労務管理支援、組織活性の
ためのツールなどへと事業拡大。各種サービスの DX 化を推進し、「ウェルビーイング領域における No.1 プラット
フォーマー」をめざす。


【報道関係者からのお問い合わせ先】
株式会社 アドバンテッジリスクマネジメント 広報担当:小林 pr-info@armg.jp

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