TCFD提言に沿った情報開示に関するお知らせ

2023 年5月 11 日

各 位
会 社 名 三 信 電 気 株 式 会 社
代表者名 代表取締役 社長執行役員(COO) 鈴 木 俊 郎
(コ-ド番号:8150 東証プライム市場)
問合せ先 取締役 執行役員 財経本部長 村上 淳一
(TEL 03‐3453‐5111)




TCFD 提言に沿った情報開示に関するお知らせ


このたび当社グループにおきまして、気候関連リスク・機会につき TCFD の情報開示フレームワ
ークに沿ってまとめましたので、別紙の通りお知らせいたします。


以上





(別紙)
気候変動問題への取り組み
~TCFD提言に沿った情報開示~


当社グループの事業成⾧は、持続可能な地域、社会のうえで実現できるものとして捉えております。特に気候
変動問題は世界的な取り組みが必要な喫緊の課題となっており、その取り組みに連動する形で各国、各地域に
おける法規制の強化やマーケットの変化が発生しており、企業における事業運営に大きな影響を与えるとされてお
ります。このようななか、当社グループにおきましても気候変動問題から生じ得る様々な影響を評価し、適切に対
応していくことが持続可能な事業成⾧に繋がるものと考えており、鋭意取り組んでまいります。また、株主の皆様を
はじめ当社グループのステークホルダーにとりましても、気候変動問題に対する当社グループの取り組み体制ならび
にその現在の状況については関心の高いものと考えており、情報開示の充実にも注力してまいります。


1.ガバナンス
サステナビリティを巡る課題のうち、気候変動問題は当社グループの事業環境に大きな変化を与えかねず、重
要な経営課題の一つとして認識しております。当社グループでは総合リスク対策委員会の下部組織であるサステ
ナビリティ専門委員会(委員⾧:代表取締役社⾧執行役員、事務局:総務部)が気候変動問題に関する
リスク及び機会の洗い出しや影響度合いの評価を行い、その内容を年に1回の定期報告のほか適宜取締役会
に報告します。報告を受けた取締役会は適切な監督を行います。





2.リスク管理
当社グループにおけるリスクについては、総合リスク対策委員会がリスクの洗い出しや予防を行うほか、リスクが顕
在化した場合の迅速な対応および取締役会への報告を行いますが、気候関連のリスク及び機会に関しては以下
のような管理を行います。
【気候関連リスクを特定・評価するためのプロセス】
総合リスク対策委員会の下部組織であるサステナビリティ専門委員会がリスクや機会の洗い出しを行い、影響
度合いを評価し、その内容を取締役会に報告します。
【気候関連リスクをマネジメントするためのプロセス】
気候変動問題に伴う法規制の強化や市場変化等といったリスクや機会への対応は経営戦略と深く関連するた
め、当社グループは取締役会や経営会議等において中⾧期的な会社の方向性を審議する際には、気候変動
問題に関するサステナビリティ専門委員会からの報告内容を十分に考慮し、重要度に応じて中期経営計画等の
定性的あるいは定量的な目標設定を行い、その達成に向けた取り組みを通じてリスクの予防や緩和、機会の拡
大に努めます。取締役会は経営戦略への反映状況や設定した目標に対する進捗状況を監督します。また、社
会的要請が強い事項(例えばGHG排出量)については、取締役会はサステナビリティ専門委員会からの報
告をもとに定性的あるいは定量的な目標設定を行い、その進捗状況を監督します。


3.戦略
・当社グループは世界の平均気温上昇を産業革命以前より 1.5℃に抑える努力をすることを想定した 1.5℃
シナリオ(1.5℃でシナリオがない場合は、2℃未満等のシナリオを代用)および現在のペースで温室効果ガ
スが排出されることを想定した4℃シナリオの2つの世界を想定し、気候関連のリスクと機会を特定しました。
また、特定したリスク、機会については発現時期に合わせて短期(~2024 年 3 月期)、中期(~2031
年3月期)、⾧期(~2051 年3月期)に区分しております。
※参照シナリオ
1.5℃/2℃未満シナリオ:「Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」(IEA)、
「Sustainable Development Scenario(SDS)」(IEA)等
4℃シナリオ :「Stated Policies Scenario(STEPS)」(IEA)等
・特定したリスク及び機会については、その顕在化する可能性と顕在化した際の当社グループの事業活動への
影響の大きさから当社グループの売上高や利益等に対する影響度合いを検証し、当該リスク及び機会が当
社グループに特有なものなのかといった視点を加え、重要度を評価しております。
・重要度の評価の結果、必要に応じて中期経営計画等の定性的あるいは定量的な目標設定を行い、その達
成に向けた取り組みを通じてリスクの予防や緩和、機会の拡大に努めてまいります。


主なリスク
No. 大分類 中分類 小分類 内容 重要度 発現時期
1 移行リ 政策・法 炭素税・炭 炭素税の導入に伴うサプライチェーンにおける各 中 中期
スク 規制 素価格導入 種コスト(材料費含む)の増加や上乗せが仕
入コストに影響を与える可能性
当社グループの事業所における化石燃料由来の 小 中期
燃料に係る費用、電気料金が増加する可能性




No. 大分類 中分類 小分類 内容 重要度 発現時期
2 移行リ 政策・法 各国の炭素 炭素税の上乗せが大きい地域に仕入先が偏重 中 中期
スク 規制 排出目標/ した場合、価格競争力が低下し売上が減少する
政策 可能性
3 移行リ 市場 マテリアル調 顧客が要求する調達基準が厳格化することに伴 中 中期
スク 達 い管理工数が増大する可能性、および調達基
準不遵守の場合における責任問題への発展の
可能性
4 移行リ 市場 エネルギー需 エネルギー価格の高騰に伴うサプライチェーンにお 中 中期
スク 要推移 ける各種コスト(材料費含む)の増加や上乗せ
が仕入コストに影響を与える可能性




5 移行リ 市場 消費者行動 環境に配慮した商品調達体制の構築が遅れる 大 中期
スク の変化 ことで顧客からのニーズに応えられず、サプライチェ
ーンから除外される可能性
6 移行リ 評判 ステークホル サステナビリティ関連事業の取り組みの遅れや情 小 中期
スク ダーの不安 報開示が不足していることにより、投資家からの
増大、また 評価や信頼が低下し、資金調達コストが増加す
はマイナスの る可能性
フィードバック
7 移行リ 製品 サプライチェ サステナブル製品から外れた製品について、顧客 中 中期
スク 及びサー ーンの強靭 から保守品としての在庫を⾧期に保有することを
ビス 化など 義務付けられる可能性
8 物理的 急性 自然災害/ 台風や洪水、集中豪雨などにより被災した自社 中 ⾧期
リスク 異常気象の 拠点(倉庫、営業所等)の滅失や復旧対応に
重大性・頻 より費用・損失が発生する可能性
度(大 台風や洪水、集中豪雨などにより生じたサプライ 中 ⾧期
雨、洪水、 チェーンの寸断やインフラの⾧期停止に伴い、操
台風、水不 業不能となる可能性
足等)の増

9 物理的 慢性 平均気温の 平均気温上昇に伴う本社、営業拠点、物流拠 小 ⾧期
リスク 上昇 点等の運用コスト(冷房等、暑熱対策費)等
の間接コストが増加する可能性
平均気温の上昇に伴うサプライチェーンにおける 小 ⾧期
各種コスト(電気料金等)の増加や上乗せが
仕入コストに影響を与える可能性





主な機会
No. 大分類 中分類 小分類 内容 重要度 発現時期
1 移行リ 技術 製品開発の 脱炭素社会に向けて EV 導入が進むことにより 大 短・中期
スク ニーズ EV 向け半導体や電子部品等の需要が高まり、
売上・利益が増加する可能性
2 移行リ 技術 低排出技術 再生可能エネルギー関連設備(自家発電設備 中 短・中期
スク への移行 等)や省エネ設備の投資需要が活発化し、売
上・利益が増加する可能性
3 移行リ 市場 消費者行動 環境に配慮した商品調達体制を構築することで 小 短・中期
スク の変化 顧客からのニーズに応え、サプライチェーンを維
持、拡大できる可能性
4 物理的 急性 自然災害/ 防災需要の増加により、関連したビジネス機会が 大 中期
リスク 異常気象の 拡大し、売上・利益が増加する可能性
重大性・頻
度(大雨、
洪 水 、 台
風、水不足
等)の増加
5 移行リ 製品及 エネルギー利 エネルギー利用効率化・省エネ化に向けたデジタ 中 短・中期
スク びサービ 用効率化・ ル化・IT 化の需要が高まることで、売上・利益が
ス 省エネ化に 増加する可能性
向けた需要
の増加
6 移行リ 製品及 脱炭素に対 顧客の脱炭素対応に資するクラウド化需要が高 大 短・中期
スク びサービ するソリュー まることで、売上・利益が増加する可能性
ス ション需要の
増加
7 移行リ 市場 投資家から 脱炭素関連ビジネスに対する投資家からの投融 小 中期
スク の投融資機 資機会の拡大
会の拡大
8 移行リ 市場 レジリエンス 異常気象への懸念の高まりに伴い、顧客におけ 大 短・中期
スク 強 化 に 対す る BCP 対応としてのクラウド化需要が高まること
るソリューショ で、売上・利益が増加する可能性
ン需要の増






4.指標と目標
・気候変動問題に関連するリスクや機会のうち、その対応を中期経営計画等の定性的あるいは定量的な目
標として設定したものは、その内容および進捗状況について定期的に開示します。
・Scope1、2 及び Scope3 の一部のGHG排出量について、2023 年3月期より集計に着手し、その実績
は以下の通りとなっております。
<2023 年3月期GHG排出量(tCo2)実績>
区分 2023 年3月期実績※5
Scope1(燃料の使用)※1 81.6 t-CO2
Scope2(電気の使用)※2 ロケーション基準 371.7 t-CO2
マーケット基準 366.6 t-CO2
Scope3(カテゴリー5,6,7の合計)※3 257.4 t-CO2
合計※4 705.6 t-CO2
※1 社有車利用に伴う使用量の合計数値となります。算出にあたっては日本の環境省・経済産業省「算
定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」を使用しております。
※2 算出にあたっては日本の環境省・経済産業省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数
一覧」、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく電力事業者別の調整後排出係数を使用し
ております。
※3 算出にあたっては日本の環境省・経済産業省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数
一覧」を使用しております。また、当社グループの事業活動に該当し、かつ把握可能なカテゴリー(5~
7)の合計値を開示しております。なお、カテゴリー5「事業から出る廃棄物」については、賃貸事務所
のうち把握可能な事務所および全ての自社ビルにおける廃棄量の合計となっております。
※4 合計はマーケット基準の Scope2の値を使用して算出しております。
※5 2023 年3月期実績の集計範囲は国内拠点(子会社含む)のみとなります。


・Scope1および Scope2につきましては 2031 年3月期までの削減目標(集計範囲は国内拠点(子会
社含む)のみ)を下記の通り設定し、グループ全体の排出量の削減に向けた取り組み強化に努めます。


<2031 年3月期GHG排出量(tCo2)目標>
内容 2023 年3月期実績 削減目標
Scope1+Scope2※1 448.2 t-CO2 左記数値の 30%以上
※1 Scope2はマーケット基準の値を採用しています。


以上





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