IAT Automobile Technology Co., Ltd.との合弁会社設立に関する基本合意のお知らせ

2023 年 9 月 4 日
各 位
会 社 名 株式会社リョーサン
代表者名 代表取締役 社長執行役員
稲葉 和彦
(コード番号:8140 東証プライム)
問合せ先 執行役員 企画本部長
髙橋 則彦
(TEL:03-3862-3816)

IAT Automobile Technology Co., Ltd. (阿爾特汽車技術股份有限公司)との
合弁会社設立に関する基本合意のお知らせ

当社グループは、本日、世界最大かつ急速に拡大する中国 EV 市場への本格参入を目指し、中国
最大の自動車エンジニアリング会社である IAT Automobile Technology Co., Ltd. (阿爾特汽車技
術股份有限公司)(以下、IAT 社)と合弁会社設立に関する基本合意書を締結いたしました。契約の背
景・目的等と共に、本件の戦略的な位置付けに関して下記の通りお知らせいたします。


1. 設立の背景・目的
(1)合弁会社の概要
世界最大の中国 EV 市場に於いて基幹部分のプラットフォーム化が急速に進展していく中で、
IAT
社が有する国内自動車メーカーや Tier1 企業等顧客基盤を対象に、当社グループが長年培ってきた
電子部品知見、車載ノウハウを活用し、プラットフォーム化に必要な電子部品を提供。エレクトロ
ニクス商社の枠組みを超え、エンジニア会社知見と当社知見を融合し、系列を超えた EV プラットフ
ォームを提供する、新たなビジネスモデルの創出を目指します。


(2)両社の役割
合弁相手先である IAT 社は中国最大の独立系自動車エンジニアリング会社。最先端技術を持つ国
際的なリーディングカンパニーとして、自動車完成車の設計、自動車部品の設計・開発、技術サービ
スを行っており、中国のみならずグローバル自動車メーカー100 社以上との取引関係を有していま
す。今般は、主として国内自動車メーカーや Tier1 企業を対象に EV プラットフォームの開発・設計
や試験・試作の他ソフトウェアの開発等サービスを提供します。
当社グループは、同設計に基づきメーカー各社が生産するのに必要な電子部品を合弁企業に対し
て提供。加えて、新規商材の紹介、ソリューションやデバイス提案の他、IAT 社への技術支援等を行
います。


(3)両社の出資目的と当社グループにとってのビジネス上の意義
IAT 社としては今回の投資を通じ、個別の設計受託ビジネスから脱却し、プラットフォームの設計
領域への展開を目指してまいります。関連部品の安定確保とグローバルサプライヤーとの取引拡大
により、国内自動車メーカーや Tier1 企業とのリレーションを深化させたい意向です。
当社グループとしては、世界最大の EV 市場への参入案件として合弁企業に対する部材取扱い以外


に、1)中国自動車市場ニーズの集約による、既存サプライヤーに対する当社付加価値の向上、2)
IAT 社が有するソリューションや事業基盤を活かしたビジネス機会の創出、3)新たなサプライヤー
商材の拡充、4)日本より先行している中国 EV 市場動向の情報取得等、多岐に亘る投資効果を想定
しています。
今般の合弁企業の設立は、日系エレクトロニクス商社として初めての中国 EV サプライチェーンへ
の本格参入という意味合いを持つものです。50 年に亘る中華圏ビジネス展開で培った中国企業から
の信頼が結実したという点、また当社グループが培った車載エレクトロニクス分野の知見・ノウハ
ウの横展開成功モデルという点でビジネス上大きな意義ある投資案件と位置付けています。


(4) 合弁会社の概要
(1)名称 四川芯世紀科技有限責任公司
(2)所在地 中華人民共和国四川省成都市
(3)代表者の役職・氏名 董事長 宣奇武
(4)事業内容 半導体・電子部品卸売
(5)資本金 5,000 万人民元
(6)出資比率 阿爾特汽車技術股份有限公司 60%
中菱国際貿易(上海)有限公司 40%


(5)IAT 社の概要
(1)名称 阿爾特汽車技術股份有限公司
(2)所在地 中華人民共和国北京市
(3)代表者の役職・氏名 董事長 宣奇武
(4)事業内容 自動車完成車の設計、自動車部品の設計、開発。技術
サービス 等
(5)資本金 49,743 万人民元
(6)設立年月日 2007/05/23
(7)大株主及び持ち分比率 阿爾特(北京)投資顧問有限公司 13.59%
嘉興珺文銀宝投資合伙企業 3.70%
林玲 2.69%
江蘇悦達投資股份有限公司 2.28%
阿尔特汽车技术股份有限公司-第一期员工
持股计划 1.96%
北京基锐科创投资中心 1.92%
上海韫然投资管理有限公司-韫然新兴成长
十一期私募证券投资基金 1.42%
张立强 1.40%
本田技研工业(中国)投资有限公司 1.34%
宁波沪通私募基金管理合伙企业(有限合伙)
-沪通创智 1 号私募证券投资基金 1.21%
その他 68.49%





2. 本件の当社グループの事業戦略に於ける位置付けについて
(1)中国事業戦略
当社グループは 70 年代初頭に中華圏に進出。当初は日系メーカーが有する中国顧客取引の商権
を受ける形でローカル取引の裾野を拡充して来ましたが、2010 年代以降、独自で取引基盤を拡充す
ることを模索。2017 年 3 月に華南地区のローカル商社である Edal Electronics 社を買収、子会社
化。 11 月にインバーター制御技術に強い地場ソフトウェア開発企業の青島三源泰科社へ部分出資

(持分適用)
。2022 年には台湾のバイク向けソフト開発ベンチャーである YAMASEI TECH 社に部分出
資等ローカル企業との取引裾野拡大を進めて参りました。
今回の IAT 社との合弁は、取引の裾野を一気に拡充させることが期待出来る他、電子部品サプラ
イヤー各社との取引拡充にも寄与するものと位置付けています。加えて、菱洋エレクトロとの統合
を通じソリューションを中心に新たな商材のローカル企業への横展開も展望しており、新たなビジ
ネス展開を通じた中華圏事業商圏拡充を加速化して参ります。


(2)全社戦略
当社は第 11 次中期経営計画で掲げた施策の実践を通じた事業拡大の結果、企業価値の向上を着
実に進めて参りました。既にお知らせの通り、菱洋エレクトロとの事業統合の他、効率化施策とし
て事業部制組織への移行を進め、事業推進スピードの加速化を目指しています。今回の IAT 社との
戦略パートナーシップを新たな打ち手に加え、中長期的に更なる価値向上を進めて参ります。


中計施策 実績 新たな取組み
中華圏事業 YAMASEI TECH 社出資。  菱洋エレクトロとの
青島三源泰科社提携深化。 統合。シナジー実現。
華南地区組織改編。  事業部制組織移行。
商材拡大 戦略商材売上増 210 億円(2021 年度比)
。  IAT 社との戦略パート
代理店契約増 11 件、売上寄与 30 億円(同上)
。 ナーシップ締結。
業態変革 プリケン社出資、持適化。
ソリューション本部改編。
ポートフォ ダイレクトマーケティング部隊設立。
リオ多様化 システムインフラ整備。
効率化 DX の業務活用推進。


3. 業績等に与える影響について
2024 年 3 月期の当社連結業績の影響につきましては、軽微であると判断しておりますが、今後
の見通しにおいて、その影響に重要性があると判断した場合には、速やかに開示いたします。


以 上





9821