菱洋エレクトロ、工場や工事現場での音声認識を可能にする 「高雑音耐力音声認識システム」の開発に成功

Press Release



2022 年 10 月 5 日
各 位
菱洋エレクトロ株式会社


菱洋エレクトロ、工場や工事現場での音声認識を可能にする
「高雑音耐力音声認識システム」の開発に成功
~雑音や騒音が多い環境下における作業効率を改善~

エレクトロニクス商社の菱洋エレクトロ株式会社 (本社:東京都中央区、代表取締役社長執行役員:
中村 守孝、以下「菱洋エレクトロ」 )は、機械が稼働する工場や工事現場などの高雑音(大きな雑音
や騒音)が発生する環境下で、95%と高い認識率を実現する「高雑音耐力音声認識システム」を開発い
たしました。2022 年 10 月 6 日より開催される、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(本社:京都
府相楽郡、代表取締役社長:浅見 徹、以下「ATR」 )の事業紹介イベント「ATR オープンハウス 2022」
にて、その成果を展示いたします。




図 1 音声認識率特性の比較


近年、建設工事やインフラ整備などの作業現場では、作業員の業務報告や機器制御において利便性
向上を目的とした音声認識の活用ケースが増えています。しかし、多くの機械が稼働し 90dB 程度の
雑音や騒音が発生する作業現場の場合は通常の会話すら困難となり、一般的な家庭環境(環境ノイズ
音圧 50dB 前後)での使用を想定した従来の音声認識システムでは対応できません。また、多くの音
声認識システムはクラウドサービスを利用しており、ネットワーク環境が整っていない作業現場では
システムを利用できない可能性があります。菱洋エレクトロは、これらの課題に対してハードウェア
とソフトウェアの両面からアプローチを行い、高雑音下でもネットワークを介さずに使用できる音声
認識システムを開発いたしました。高雑音により会話が困難な環境やネットワークが整っていない環
境であってもクリアな音声を認識し、円滑なコミュニケーションや作業を実現します。


-1-
【菱洋エレクトロの音声認識システムの特長】
従来の音声認識装置は、一般的な家庭環境での使用を想定して作られているため、ノイズ音圧が発
話音圧を上回る環境では認識率が著しく低下します。当社の音声認識システムでは、発話音圧 70dB、
環境ノイズ音圧 90dB*1という高雑音の環境下でも、音声認識率 95%を達成しました。本システムの音
声認識エンジンは、基本構成である音響モデル*2、言語モデル*3、ワード辞書*4に加えて、ノイズモデ
ルとそれを用いてノイズを除去する環境ノイズ統合認識機能を搭載しているのが特長*5です。




図 2 高雑音耐力音声認識システムの構成図


本システムは、ユーザーが装着するヘッドセットと音声のノイズを抑圧するデバイス、音声を認
識するデバイスで構成されています。


菱洋エレクトロでは、今後も高雑音耐力音声認識システムの製品化に向けて開発を継続いたします。
現場作業で多忙を極めるフィールドワーカーの業務効率向上を実現するために、引き続きお客様のお
困りごとに耳を傾け、より一層役立つ製品の開発に注力してまいります。誰もが利用しやすい技術を
通じて新しい価値を提供いたします。

また、当社は 2022 年 10 月 6 日、7 日の 2 日間で開催される ATR 主催の展示会において、本技術に
関する成果を展示いたします。本展示会は産学官連携の研究・事業発表の場であり、世界最先端の研
究成果が展示されます。

【ATR オープンハウス 2022 出展概要】
日時:2022 年 10 月 6 日(木)- 7 日(金) 10 時 - 17 時 ※7 日の展示は 16 時終了
会場: ATR (京都府相楽郡精華町光台 2-2-2)



*1
全周波数帯にノイズがかかるホワイトノイズで検証しており、実環境とは異なる場合があります。
*2
単語を構成する音と音の繋がりをモデル化したもの。株式会社 ATR-Promotions 提供の音声コーパスをもとに菱洋エレク
トロが開発。
*3
単語と単語の繋がりをモデル化したもの。
*4
音響モデルと言語モデルを用いて該当する単語を導くもの。
*5
この方式は 2021 年に特許を出願。 公開番号:特開 2022-141113 発明の名称:音情報処理装置及び音情報処理方法


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※本リリースに記載されている情報は発表日現在のものです。このため、時間の経過あるいは後発的
なさまざまな事象によって内容に変更が生じる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。



株式会社 国際電気通信基礎技術研究所(ATR)について URL: https://www.atr.jp/
ヘルスケア・医療、生活支援における先駆的・独創的研究を目指し、脳情報科学、深層インタラクシ
ョン科学、無線通信技術、生命科学の分野において国内外の大学や企業などと緊密な連携をはかりな
がら幅広く研究を行っています。次の社会の一端を支える技術を研究と事業開発と一体となって推進
し、設立以来の公益指向の企業理念であるイノベーションや地方創生への貢献を目指しています。



菱洋エレクトロ株式会社について
半導体/デバイス事業と ICT/ソリューション事業を手掛けるエレクトロニクス商社として、両事業を
展開する強みを活かした IoT/AI などをキーワードにしたビジネスに注力しています。最先端の半導
体技術をお客様にご提案する一方、エッジからクラウドまでを幅広くサポートし、あらゆる産業分野
におけるビジネス課題を解決するために、それぞれのお客様に合わせたサービスを提案しています。



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