菱洋エレクトロとスタイルズが、アイシンの工場にAIを活用した目視検査工程の自動判定システムを構築し、スマートファクトリー推進を支援

Press Release



2022 年 9 月 1 日
各 位
菱洋エレクトロ株式会社


菱洋エレクトロとスタイルズが、アイシンの工場に
AI を活用した目視検査工程の自動判定システムを構築し、
スマートファクトリー推進を支援
~複数のデバイスを一括管理、生産ラインが安定して稼働する「止まらないライン」を実現~


エレクトロニクス商社の菱洋エレクトロ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長執行役
員:中村 守孝、以下「菱洋エレクトロ」)は、子会社の株式会社スタイルズ(本社:東京都千代
田区、代表取締役社長執行役員:梶原 稔尚、以下「スタイルズ」)とともに、株式会社アイシン
(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:吉田 守孝、以下「アイシン」)の自動車部品工場における
目視検査工程への AI 導入を、デバイスの選定からシステムの構築まで一貫で支援いたしました。

菱洋エレクトロは、高性能なエッジ AI デバイス「NVIDIA®︎ Jetson Xavier™️ NX」を導入して、欠
品や不良品を検知する製品検査を自動判定化しました。スタイルズは、エッジデバイスを一括管理
するのオープンソースプラットフォーム「Kubernetes(読み方:クーバネティス)*1」で各生産ラ
インのデバイスが安定して稼働できるシステムを構築し、「止まらないライン」を実現しました。

【製造現場における課題】
製造業では、多様化する消費者ニーズに応える柔軟性と、現場の工場の生産効率の向上が求めら
れます。さらに人手不足が年々深刻化する中で製品の品質を保持するためにも、人に代わる検査ロ
ボットやデータを自動で収集・分析・活用する「スマートファクトリー」への需要が高まっていま
す。アイシンではスマートファクトリーの実現に向けて、AI を活用した目視検査工程の自動化を掲
げています。しかし、検査装置とアプリケーションの導入において以下の課題を抱えていました。

・アプリ動作が不安定で、生産ラインがたびたび止まってしまう。生産性が低下し、
製造スケジュールが遅延する恐れがある。
・エッジ側で AI が動作するデバイスが必須だが、すべての生産ラインに導入するには
コストがかかる。
・複数設置したデバイスや検査ソフトを別々に管理しているため、コンピューターの
導入だけでなく不具合やアップデートの対応にも手間がかかる。

このため、判定精度の良い検査装置やソフトが完成しても、現場に浸透しにくい状況でした。


*1
コンテナ化されたアプリを管理するためのツール。コンテナとその内部の管理、複数のコンテナの一括バージョン
アップ、設定変更、一斉配置などができる。(※コンテナ:同一サーバー上で複数のアプリを分離して実行する技術)


-1-
【課題に対するソリューション】
上記の課題を解決するために、菱洋エレクトロとスタイルズはそれぞれ以下のソリューションを
提案し、デバイスの導入から運用のレクチャーまで一気通貫でサポートしました。




■菱洋エレクトロ
エッジ AI デバイス「NVIDIA®︎ Jetson Xavier™️ NX」を導入。手のひらサイズながらも GPU を搭載
した高性能なコンピューターで、高速処理、安定稼働を実現します。低価格のため、膨大な台数が
必要な工場の生産ラインにも最適です。

■スタイルズ
デバイスの一括管理や運用ができる「Kubernetes」と、その運用基盤である「Rancher(読み
方:ランチャー)*2」の活用方法をレクチャーしました。工場で利用された事例はほとんどありま
せんでしたが、導入後もお客様自身で活用できるようサポートしました。




*2
コンテナ技術を採用しているチーム向けのコンテナ管理のプラットフォーム。マルチクラウドとオンプレミス環境に

Kubernetes クラスターをより簡単に構築・管理できる。


-2-
【「止まらないライン」の実現】
今回のソリューション提供は、Kubernetes の自動負荷分散機能や、自己復旧機能を用いることで、
AI による検査の自動化やコスト削減のほか、アプリ動作の不安定が引き起こす生産ライン停止の解
消にもつながりました。また、Kubernetes の機能を活かすべくアプリの機能ごとに処理を分けたた
め、機能全体を止めずに特定の機能のみのアップデートも可能になりました。アプリ不具合時の修
正更新の際も、生産ラインを止めることなく安定して稼働します。デバイスの故障時には、予備の
デバイスと置き換えるだけで、ネットワーク経由でアプリが自動で復元され、すぐにラインを再開
できます。NVIDIA®︎ Jetson Xavier™️ NX は安価なため、予備機を準備し、Kubernetes でクラスター化
しておけば、ダウンタイムなしでラインを動かし続けられます。
また Rancher によって、開発者は自由にアプリを開発でき、現場では必要なアプリのみ使用でき
るようになりました。これにより、現場が能動的に改善を判断し、取り組める作業環境の実現への
第一歩となりました。


今後も、菱洋エレクトロの豊富な製品や販売実績と、スタイルズの技術ノウハウを組み合わせる
ことで、製造業をはじめ、多くの工場をもつお客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)や
スマートファクトリーの実現をサポートしてまいります。


株式会社アイシン グループ生産技術本部 生産革新推進部 主査 戸田 昌孝様からのコメント
アイシンでは「”移動”に感動を、未来に笑顔を。」を経営理念に掲げ、3 つの重点経営課題「カ
ーボンニュートラル」「電動化」、そしてこれらを支援する「ソフトウェアファースト、DX」に取
り組んでいます。このたび菱洋エレクトロ様とスタイルズ様に導入をご支援いただいた、NVIDIA®︎
Jetson Xavier™️ NX、Kubernetes K3S、Rancher により、スマートファクトリー構想のめざす姿のひ
とつである「止まらないライン」の具現化を一歩進めることができました。
今後も、菱洋エレクトロ様、スタイルズ様をはじめ各メーカー様のご協力をいただきながら、ス
マートファクトリー構想の実現に向け、センシングデータをもとにした「無人化」、「不良を作ら
ない」、「止まらないライン」の 3 つの進化・推進に努めてまいります。

株式会社スタイルズについて
スタイルズは 2003 年の設立以来、企業のビジネスプロセスアウトソーシングに重点を置いた IT ソ
リューションを提供しているシステムインテグレーション企業です。AWS クラウド関連事業や
Nextcloud や Rancher のオープンソース事業など、ビジネスの幅や規模を拡大し総合的な IT サービ
スを展開しています。創業以来の確かな経験と技術をもって、お客様の IT による問題解決・ビジ
ネスの発展のためのアイデアとソリューションを提供します。

菱洋エレクトロ株式会社について
半導体/デバイス事業と ICT/ソリューション事業を手掛けるエレクトロニクス商社として、両事業
を展開する強みを活かした IoT/AI などをキーワードにしたビジネスに注力しています。最先端の
半導体技術をお客様にご提案する一方、エッジからクラウドまでを幅広くサポートし、あらゆる産
業分野におけるビジネス課題を解決するために、それぞれのお客様に合わせたサービスを提案して
います。




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【製品・サービスに関するお問い合わせ先】 【リリースに関するお問い合わせ先】
菱洋エレクトロ株式会社 菱洋エレクトロ株式会社
ソリューション事業本部 企画本部
ソリューション第 5 ビジネスユニット 広報部
TEL:03-3646-6211 TEL:03-3546-6331
E-mail: nvidia_ws_info@ryoyo.co.jp E-Mail: pr@ryoyo.co.jp




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