サステナビリティ・リンク・ボンドの発行に関するお知らせ

2023 年8月 24 日
各 位
会社名 シチズン時計株式会社
代表者名 代表取締役社長 佐藤 敏彦
(コード番号 7762 東証プライム市場)
問合せ先 常務取締役 広報IR室担当 古川 敏之
(TEL.042-468-4934)



サステナビリティ・リンク・ボンドの発行に関するお知らせ

シチズン時計株式会社(以下、当社)は、持続可能な市民社会の実現を目指すグローバルな環境経営の推進
を目的として、当社初となるサステナビリティ・リンク・ボンド(*1)
(以下、本社債)の訂正発行登録書
を関東財務局長に提出しましたので、以下の通りお知らせいたします。





1.本社債発行の目的と背景
シチズングループ(以下、当グループ)は、
「市民に愛され市民に貢献する」という企業理念に根差し、創
業以来、人や環境に配慮したものづくりを常に心がけてきました。グループの環境施策の根幹となる「シチズ
ングループ環境方針」を 2019 年 12 月に改定して、持続可能な市民社会の実現を目指すグローバルな環境経営
を推進しています。また、温室効果ガス排出量を実質ゼロにする脱炭素化や持続可能な資源の利用にコミット
メントする「シチズングループ環境ビジョン 2050」を 2020 年 4 月に改定し、
「シチズングループ資源循環ビ
ジョン」も新たに策定しました。SDGs 達成に向けた 5 つの目標「シチズングループ環境目標 2030」も外部環
境の変化に即して 2022 年 2 月に改定して、お取引先様も含めたバリューチェーン全体で環境に配慮する「サ
ステナブルファクトリー」での生産活動を通じて、
「サステナブル経営」を実践していきます。
当グループでは、
「サステナブル経営」の実践に向けて、今後想定される様々な将来の環境変化を踏まえた
上で、グループの長期ビジョンとして「シチズングループビジョン 2030」を策定しました。この「シチズン
グループビジョン 2030」からバックキャストして、当グループが優先的に取り組むべき影響度の高い事項を
マテリアリティとして抽出し、
「気候変動への対応と循環型社会への貢献」「質の高い生活への貢献」「産業
、 、
分野におけるソリューションの提供」「働きがいの向上と人財の育成」「社会的責任の遂行」の 5 つを特定し
、 、
ました。
なかでも気候変動への対応は、最も深刻なグローバル環境リスクの一つであると考えています。気候変動の
緩和対策として、当グループでは、温室効果ガスの排出量削減のための工場、オフィスにおける省エネルギー
活動や再生可能エネルギー由来電力の導入にグループ全体で取り組んでいます。気候変動緩和の表明として、
「気候変動イニシアチブ」に参加し、2020 年には TCFD 提言にも賛同しました。また、
「シチズングループ環
境目標 2030」においては、2030 年度における温室効果ガス排出量削減や有害化学物質の削減、水資源など資
源の有効利用など多岐にわたる環境への取り組みとその目標をロードマップに定めています。改定した温室効
果ガス排出量削減率(Scope1、2、3)目標については、2023 年1月に SBT 認定を取得しました。
このような中、当社は、マテリアリティのひとつである気候変動への対応を推進するべく、あらかじめ定め
たサステナビリティ目標を達成するか否かによって条件が変化する本社債の発行を決定しました。なお、本社
債の KPI として温室効果ガス排出量削減率(Scope1、2)を選定しており、この目標の達成がグループビジョ
ンの実現に資するものと考えています。本社債の発行を通じて、SDGs 達成に向けたグローバルな環境経営を
推進し、脱炭素社会、資源循環型社会、安心・安全で心豊かな社会の実現に貢献してまいります。
2.本社債の概要
発行年限 5年(予定)
発行額 100 億円(予定)
発行時期 2023 年9月(予定)
KPI 当グループにおける温室効果ガス排出量(Scope1+2)
(※)の削減率
※Scope1、2 における集計対象範囲は、当グループ全体(国内・海外)です。
SPT(*2) 温室効果ガス排出量を 2026 年度までに 33.6%削減(2018 年度対比)
判定後の債券特性 SPT が判定日(2027 年 10 月 31 日)時点で未達となった場合、本社債の特性は変動
し、下記いずれかまたは双方の特性を持つものとします。変動内容については、上
記判定日以降、下記①または②のいずれにするかを当社が決定します。
①SPT が未達となった場合には、本社債の償還期日までに、社債発行額の 0.1%相
当額を、環境保全活動を目的とする公益社団法人・公益財団法人・国際機関・自治
体認定 NPO 法人・地方自治体等(※)へ寄付を実施します。
※実際に寄付した法人や団体等の名称、寄付額については当社ウェブサイトにて開
示します。
②SPT が未達となった場合には、本社債の償還期日までに、社債発行額の 0.1%相
当額の排出権(温室効果ガス削減価値をクレジット・証書化したもの(※)
)の購
入を行います。
※購入する排出権の種類は、J-クレジット、グリーン電力証書等が想定されます
が、実際に購入した排出権の名称、購入量、購入額などを当社ウェブサイトにて開
示します。なお、仮に不可抗力的な事情から排出権を購入できなくなった場合は、
排出権購入予定額に相当する金額を、①に示す法人、団体等へ寄付を行います。
主幹事 野村證券株式会社(事務)
、みずほ証券株式会社、SMBC日興証券株式会社、
岡三証券株式会社
ストラクチャリング・ 野村證券株式会社
エージェント(*3)
3.サステナビリィ・リンク・ボンドとしての適合性
本社債発行に向け、当社はサステナビリティ・リンク・ファイナンス・フレームワークを策定し、当該フ
レームワークに対し、株式会社格付投資情報センター(R&I)より、国際資本市場協会(ICMA)の「サステナ
ビリティ・リンク・ボンド原則」及び環境省が定める「サステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン」及
び「サステナビリティ・リンク・ローンガイドライン」への適合性に関する第三者意見を取得しております。


・R&I によるセカンド・パーティ・オピニオン
https://www.r-i.co.jp/rating/esg/index.html
・サステナビリティ・リンク・ファイナンス・フレームワーク
https://www.citizen.co.jp/cms/cwc/sustainability/pdf/sus_linked_finance_fw_citizen.pdf



(*1)サステナビリティ・リンク・ボンド

あらかじめ定められたサステナビリティ/ESG の目標を達成するか否かによって条件が変化する債券をいいます。サステナビリ

ティ・リンク・ボンドの発行体は、当初定めた時間軸の中で、将来の持続可能性に関する成果の改善にコミットします。具体的に

は、サステナビリティ・リンク・ボンドは、発行体があらかじめ定めた重要な評価指標(以下「KPI」という。
)とサステナビリ

ティ・パフォーマンス・ターゲット(以下「SPT」という。
)による将来のパフォーマンスの評価に基づいた金融商品であり、KPI

に関して達成すべき目標数値として設定された SPT を達成したかどうかによって、債券の条件が変化します。


(*2)サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPT)

サステナビリティ・リンク・ボンドの発行条件を決定する発行体の経営戦略に基づく目標をいいます。


(*3)ストラクチャリング・エージェント

サステナビリティ・リンク・ボンドのフレームワークの策定やセカンド・パーティ・オピニオンの取得への助言などを通じて、サ

ステナビリティ・リンク・ボンドの実行支援を行う者を指します。
(ご参考)
・マテリアリティの特定プロセス
・マテリアリティの機会とリスクおよび施策
・シチズングループの価値創造ストーリー



環境変化 インプット マテリアリティ 事業活動 アウトプット アウトカム

提供価値 グループ⻑期ビジョン

サステナブル
豊かな未来(とき) 市
社会への進化 DX 時 ⾃⼰表現や想いを ⺠
質の⾼い 計 をつなぐ
⽣活への貢献 伝える製品・ に
サービスの提供
商品企画 設計

環境価値 さ

(2030年度⽬標)

研究・ ⼯作 ⾃然資本
開発 時計
機械 CO2排出量 50.4%削減(2018年⽐) 市
インクルーシブな 調達
社会インフラの 産業分野における
事業
事業 ⼯ 世界最先端の 国内再エネ率 62% ⺠
作 ⽣産⾰新ソリューション
普及
シチズングループの強み ソリューション 機 の提供

の提供 事業領域 械 社会価値 貢
販売・
アフター 電⼦ 献
⼩型化
サービス 機器他
事業
新規 ⽣産 【顧客に対する価値】 す
デバ
イス
デ ・お客様に感動と⾼い満⾜感を提供
・お客様の課題解決・事業成功へ貢献

バ 社会環境変化に応じた
事業 イ
精密加⼯ ⾼付加価値デバイス・
モビリティの 営業 物流 ス
サービスの提供 【社員に対する価値】
変容 ・成⻑機会の提供
低消費電⼒ ・働きがいと働きやすさの実感 持
⾃動化技術 気候変動への対応 DX 続

循環型社会への貢献 ⼦
【お取引先に対する価値】
・事業活動を通じた相互研鑽、持続 可
機 ⽣活を⽀える 的成⻑の実現 能
器 ソリューションと
他 サービスの提供

デジタル技術を
⽤いた新たな
【社会に対する価値】
・社会課題の解決

ソリューション
事業基盤 ・地域社会の雇⽤創出/発展 会
の創出 へ
新 豊かな⼈⽣と
充実した時間の
【株主に対する価値】 の
働きがいの向上 コーポレート・ガバナンス 規
実現に貢献する製品
・株主価値の向上

⼈財の育成 ・サービスの提供 献
リスクマネジメント 経済価値
⾼齢化社会の
進展 サステナビリティ推進体制 サステナブルプロダクツ 2024年度︓売上⾼ 3,200億円
社会的責任の遂⾏ 営業利益率 8.0%
の提供
ROE 8.0%以上




(ご参考資料)
・シチズングループ ウェブサイト サステナビリティ
https://www.citizen.co.jp/sustainability/
・シチズングループ サステナビリティ・CSR 報告書
https://www.citizen.co.jp/sustainability/report/
・CITIZEN REPORT(統合報告書)
https://www.citizen.co.jp/ir/integrated_report.html
・シチズングループ ESG データ
https://www.citizen.co.jp/sustainability/data/


以 上

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