江戸っ子1号を使用した環境調査手法が国際標準規格に

2021 年 9 月 27 日
各 位

会 社 名 岡本硝子株式会社
代表者名 代表取締役会長兼社長 岡本 毅
(JASDAQ・コード 7746)
問合せ先 財務経理本部付 IR 担当部長 風間 卓
電 話 04-7137-3111


江戸っ子 1 号を使用した環境調査手法が国際標準規格に


2021 年 7 月、海底資源開発における環境影響評価に係る調査手法が、4 つの技術規格として国際標準化
機構(以下「ISO」という。)の国際標準規格となりました。これらは、内閣府・戦略的イノベーション創造
プログラムの下、国立研究開発法人海洋研究開発機構が国立研究開発法人国立環境研究所との協力により
開発した手法が、ISO による技術審査を経て承認・発行されたものです。
4 つの技術規格の内、ISO 23731 は、海洋観測機器によるカメラでの長期現場観測における手順と設定に
「江戸っ子 1 号」シリーズによるビデオ観測の手法により、これを満たすことができ、その
関する規格で、
付属書で「江戸っ子1号」が参考例として掲載されました。



1. ISO 23731 について
本規格は、海洋環境調査における海底の画像映像記録方法を定めた初めての ISO 規格であり、海底観
測機器を利用した動画又は静止画撮影による長期現場観測の手順と設定に関する規格です。本規格は、潜
水探査機と海底設置型観測機器のいずれにも対応でき、ISO 23731 の附属書では、海底設置型観測機器の
参考例として「江戸っ子 1 号」が図解付きで紹介されています。


2. 江戸っ子 1 号について
江戸っ子1号は産学官金のプロジェクトにより開発された深海用環境モニタリング探査機です。
錘切り離し装置による自己浮上型のため動力を持たない、安価かつ音を出さないフリーフォール型なので、
深海・海底の生物観察、地震観測、資源調査に適しています。
製品ラインナップの中で、1 年間の長期運用が可能な「江戸っ子1号 365」
(※図 1)は、海底資源開発で
の環境影響評価の用途に好適です。
「江戸っ子1号 365」の連結機体に組み込まれた各耐圧ガラス球には、トランスポンダー、照明ユニット、
カメラユニットがそれぞれ収納可能であり、また電池搭載専用ガラス球、浮力用ガラス球なども自由に構成
できる構造になっております。


ISO 23731 においては、
・1 年以上にわたる 6~8 時間の間隔での動画撮影・静止画撮影(15fps 以上)と記録が可能
・CTD(電気伝導度、温度、水深を観測する装置)のデータなどと同期させて、タイムスタンプ付きで
映像の記録が可能
「江戸っ子1号 365」は、本規格の実現に最適な機器であり、ROV(遠隔操作型
が重要な要求事項ですが、
の無人潜水機)などに比べて、はるかに低コストでの運用が可能です。


3. 今後について
海底資源開発における環境影響評価に係る調査手法が 4 つの ISO 規格(ISO 23730、23731、23732、23734)
として発行されたことにより、今後、国際海底機構(※1)の環境調査のガイドラインにも、これが記載さ
れ、国内外での民間調査も含め、国際的に統一した手法で海洋環境影響評価が実施されることが期待されま
す。こうしたことにより、海底資源開発の動きが加速していくものとみています。
「江戸っ子 1 号」は、ISO 23731 の附属書で参考例として掲載されたことにより、ISO 規格を充足する
「江戸っ子 1 号」
環境調査のための機器として極めて有力な選択肢になりました。このことを契機として、
の国内販売に加えて、海外販売にも積極的に取り組んでまいります。
以上
※1 国際海底機構(ISA)
国際海洋法条約に基づき、いずれの国の管轄権も及ばない深海底及びその下の鉱物資源の管理を行っ
ている国際機関。


※ 図 1 「江戸っ子1号 365」

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