第91期報告書

第91期 報 告 書
2021年4月1日~2022年3月31日
(証券コード:7721)




ごあいさつ
 投資家の皆様方に於かれましては、益々ご清祥のことと拝察 なり、すべての利益項目で大幅な
申し上げます。 増益となりました。
 売上高営業利益率は、前期比で
 2021年度(2022年3月期)の世界経済は、新型コロナウ 0.9ポイント増加の3.9%、自己資
イルス感染症に対するワクチン接種の普及による行動制限の緩 本 利 益 率(ROE)は、前 期 比 で
和に伴う経済活動の進展や、各国の金融・財政政策の実施によ 1.5ポイン ト増加の4.6%となりまし
り、景気の回復がみられました。一方で、長期化する半導体を たが更なる向上を図っていきます。
はじめとする部品供給不足や原油・原材料価格高騰などサプラ  2022年度(2023年3月期)に
イチェーンの混乱に加え、ウクライナ情勢の悪化や、各国のイ つきましては、新型コロナウイル
ンフレ高進と政策金利引き上げ、中国での「ゼロコロナ政策」 ス感染症再拡大の懸念が残る中
の長期化が、さらに不確実性を招き、先行きは不透明な状況と で、ウクライナ情勢の悪化、サプ
なりました。我が国経済においては、新型コロナウイルス感染 ライチェーンの混乱やエネルギー 代表取締役
者数が減少し、景気の持ち直しがみられたものの、新たな変異 価格高騰、インフレ高進、円安の 社長執行役員
株による感染拡大や、長期化するサプライチェーンの混乱、円 進 行、 中 国での「ゼロコロナ政
安の進行など、依然として不透明な状況となりました。 策」の長期化など不確実性が継
 このような経営環境の下、当社グループは、2021年6月に 続しています。
開示した「東京計器ビジョン2030」における中期事業計画の  このような経営環境の中、次期
基本方針である「事業領域の拡大」「グローバル化の推進」
、 、 の見通しにつきましては、船舶港湾機器事業において、新造船
「既存事業の継続的強化」に取り組んできました。 向け機器の需要が堅調になったことや、油空圧機器事業が引き
 「事業領域の拡大」につきましては、防衛・通信機器事業に 続き各市場で需要の回復が見込まれること、流体機器事業が引
おいて、当社のコア技術の一つであるマイクロ波応用技術によ き続き好調な需要が見込まれること、防衛・通信機器事業で防
り開発した、国産小型SAR衛星に搭載するマイクロ波増幅器の 衛案件の戦闘機用レーダー警戒装置や哨戒ヘリコプター用逆探
量産を進めました。 装置の納入による売上増が見込まれること、その他の事業の鉄
 「グローバル化の推進」につきましては、防衛・通信機器事 道機器事業で主力の超音波レール探傷車の納入による売上増が
業において、沿岸監視用高分解能半導体レーダーSeaKuを海 見込まれることから売上高は9.4%増収の454億円、営業利益
外向けとして欧州に初めて納入・設置しました。更に、この納 は13.2%増益の18.5億円、経常利益は9.0%増益の21.0億円、
入に続き欧州向け河川監視用のリバーレーダーでも採用が決ま 親会社株主に帰属する当期純利益は3.8%増益の15.5億円とな
るなど、海外への販売を推進しました。 る増収・増益を予想しています。
 「既存事業の継続的強化」 につきましては、船舶港湾機器事業
において、在来船市場での売上増・シェアアップのための戦略製  なお、足元で生じている部材入手難や原材料価格の高騰等
品となる新型電子海図情報表示装置 (ECDIS)の開発を完了し、 が業績に与える影響については、現時点で想定されるものを一
2022年4月開催の国際海事展Sea Japan 2022では、実機を披 定程度織り込んでいますが、引き続き部品の早期調達や価格
露しました。展示会では、非常に多くのご来場者様にご覧いただ 転嫁等、必要な対策を講じることで、業績への影響を最小限に
く とともに、複数のメディ アにも取り上げられま した。 留めるべく対応していきます。
 以上の結果、当社グループの当連結会計年度における業績  今後、開示すべき事項が生じた場合には速やかに開示します。
につきましては、船舶港湾機器事業、油空圧機器事業、流体機  2021年度の配当につきましては、一株あたり普通配当25円
器事業、その他の事業が増収であったものの、防衛・通信機 及び125周年記念配当5円の合計30円を予定していますが、
器事業において、防衛事業が当期まで案件の谷間であったこと 2022年度は、一株あたり普通配当を5円増配し30円を実施す
から大きく減少となり、全体として売上高は前期に比べ、1.4% る予定です。
とわずかに減収の415.1億円となりました。一方で、主要事業
において原価率が改善したことを主因に、営業利益は前期比で  投資家の皆様方に於かれましては、引き続き、より一層のご
30.8%増益の16.4億円、経常利益は32.1%増益の19.3億円、 支援とご指導を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
親会社株主に帰属する当期純利益は58.1%増益の14.9億円と
決算ハイライト

売上高(単位:百万円 ) 営業利益(単位:百万円 ) 親会社株主に帰属する当期純利益(単位:百万円 )




45,400
47,440
(予想)
3,000
42,081 41,510
40,000 2,000
1,550
1,850 (予想)
1,493
2,000 1,875 (予想) 1,425
1,635

20,000 1,250 1,000 945

1,000





第89期 第90期 第91期 第92期 第89期 第90期 第91期 第92期 第89期 第90期 第91期 第92期




セグメント情報

船舶港湾機器 Marine Systems
Business

セグメント別売上高比率 売上高(単位:百万円 )

21.0% 9,500
10,000 (予想)
9,094
8,522 8,700

● 売上高
8,700百万円 2.1%増 5,000

(前期比)
● 営業利益
388百万円 57.4%増 0
(前期比) 第89期 第90期 第91期 第92期

 国内外の新造船市場では、主力製品のオートパイロッ トPR-9000及びジャイロコンパスを中心に、拡販と更なる
コス トダウンによる利益の確保を推進します。また、新たに市場投入した光ファイバージャイロコンパスTF-900に
より、新たな価値を提案していきます。在来船市場では最新型の電子海図情報表示装置(ECDIS)EC-9000を
2022年4月にリリースし、換装時期に合わせて販売の拡大を進めていきます。中長期的には、当社が得意とする
電子海図情報表示装置
自動運航の技術をもとに、2025年までに本格的な実用化を目指す無人運航船プロジェク トや、また、風力推進装
置等の複数の研究開発プロジェク トに参加し、社会課題の解決に貢献していきます。




油空圧機器 Hydraulics and Pneumatics
Business

売上高(単位:百万円 )


セグメント別売上高比率
15,000 12,400
27.8% 12,050 11,526
(予想)
10,351
● 売上高 10,000

円ギア容量流量計 11,526百万円 11.4%増
(前期比)
5,000
● 営業損失
△115百万円 前期
424百万円の営業損失 0
第89期 第90期 第91期 第92期

 建設機械市場では、高圧化油圧機器のシリーズ化、自動化・省力化のニーズに応える電子製品の開発を進め、
国内外への深耕拡販戦略を加速させます。国内外成形機市場には、省エネ性能に優れた回転数制御システムなど
を中心に、各種成形機メーカーへの拡販に注力することに加え、機械の予知保全を実現するIoT対応製品の開発
も推進していきます。水素市場向けには、小型の圧縮機と動力源の油圧ユニッ トをワンパッケージ化した水素充填
装置の開発に着手しました。またエッジAI事業領域の拡大を目指し、DAPDNAの新たな活用に取り組むプロジェ
動的再構成プロセッサDAPDNA クトを設立しました。新製品としては、油圧機器向けとして初の国産品である円ギア容積流量計GMシリーズの販
売を開始しました。
流体機器 Fluid Measurement Equipment
Business

売上高(単位:百万円 )


セグメント別売上高比率 4,500
5,000
(予想)
10.7%
4,432
4,003
3,745
● 売上高
4,432百万円 10.7%増 2,500

(前期比)
● 営業利益
915百万円 41.3%増 0
(前期比) 第89期 第90期 第91期 第92期


 国内官需市場では、市場投入した高精度超音波流量計UFR-300のシリーズ化開発を行い、上水道、農業用水
を中心に売上拡大を推進します。また、昨今のゲリラ豪雨や河川・ため池の氾濫による水害対策等の社会課題の
高精度超音波流量計 解決に対応するため、危機管理型水位計MD-10、溢水対策用レベル計RPL-10等に加え、独自の水位観測用小規
模システム製品を開発し、防災関連製品の拡販を強化・推進します。消火設備市場では、立体駐車場などへの拡
販、また、大型化が進む危険物倉庫や食品工場など新たな市場の開拓に注力します。




防衛・通信機器 Defense and Communications
Equipment Business

売上高(単位:百万円 )

セグメント別売上高比率

33.4% 20,000 19,264
16,281
15,200
(予想)
13,884
● 売上高
13,884百万円 14.7%減 10,000
AIS陸上局装置 (前期比)
● 営業利益
312百万円 41.9%減 0
(前期比) 第89期 第90期 第91期 第92期


 防衛事業では、技術・生産基盤を維持しながら将来の安定した収益を目指し、自衛隊の次期装備品向けに当社
のコア技術を用いた製品の提案を行っていきます。また海上交通機器事業では、海外市場向け沿岸監視用高分
解能半導体レーダーSeaKuの拡販に努めます。通信機器事業では、農業の生産性に貢献できる農業機械用自動
化関連機器や、当社のコア技術の一つでもあるマイクロ波応用技術により開発した半導体製造装置用ソリッ ドス
ソリ ドステートマイクロ波電源
ッ テートマイクロ波電源及び、国産小型SAR衛星に搭載するマイクロ波増幅器の販売に注力します。




その他 Ot her s


セグメント別売上高比率 売上高(単位:百万円 )

7.1%
5,000
3,800
(予想)
● 売上高 3,283
2,966
2,924
検査機器:素材検査装置 2,966百万円 1.5%増 2,500

(前期比)
● 営業利益
250百万円 24.4%減 0
(前期比) 第89期 第90期 第91期 第92期


 検査機器事業では、主力製品の印刷品質検査装置の拡販に引き続き注力します。また、新製品のフィルム素材
の傷などを判別する能力を向上させた素材検査装置M-CAP V2の拡販を行っています。
 鉄道機器事業では、従来機より小型軽量化した新型の分岐器検査装置SPG-7の拡販に注力し、国内市場の更
新需要の掘り起こしや国内外の新規需要開拓を強化します。更に、主力製品のレール探傷車に続く次期戦略商品
の着実な開発を行い、社会インフラとしての鉄道輸送の安全・安心の実現に貢献します。
鉄道機器:分岐器検査装置
TOPICS
無人運航船の実証実験にて、当社舶用機器が実装されました。
 去る2022年2月26日から3月1日にかけて、公益財団法人 日本財団
が進める無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」のDFFASコンソー
シアムは、東京港と津松阪港間 約790kmで無人運航船の実運用を模擬
した実証実験に成功しました。現在、内航海運業界は船員の高齢化と人
手不足が深刻化しており、無人運航船への期待が高まっています。当社
は本コンソーシアムに参加し、船上の自動運航システムと陸上の非常対
応操船システムの開発を担当。オートパイロッ トや最新型の光ファイバー
ジャイロコンパス等によって実験船の自律航行、遠隔操船に貢献しました。
当社はこれからも各種制御技術をさらにブラッシュアップし、無人運航船
の実現に挑戦していきます。
 本トピックスのプレスリリースは当社ホームページに掲載しております
ので是非ご覧ください。

https://www.tokyokeiki.jp/topics/?itemid=550&dispmid=11
23&TabModule889=0



会 社 概 要(2022年3月31日現在) 株式の状況(2022年3月31日現在)
● 商 号 東京計器株式会社 ● 発行可能株式総数 50,000,000 株
● 英 文 社 名 TOKYO KEIKI INC. ● 発行済株式総数 17,076,439 株
● 創 業 明治29 (1896) 年5月1日 ● 株主数 9,572 名
● 設 立 昭和23 (1948) 年12月21日 大株主(上位10名)
● 資 本 金 7,217,597,300円 当社への出資状況
● 従 業 員 1,304名(連結1,696名) 株 主 名 持株数(千株) 持株比率(%)
東京計器協力会 1,188 7.24
役員一覧 (2022年6月29日現在)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社 1,165 7.10
東京計器取引先持株会 720 4.39
代 表 取 締 役
社 長 執 行 役 員
安 藤 毅 株式会社三井住友銀行 653 3.98
東京計器従業員持株会 483 2.94
日本生命保険相互会社 376 2.29
取 締 役 コーポレート・コミュニケーション担当
上野山 素雄 株式会社横浜銀行 373 2.27
執 行 役 員 兼資材担当兼財務経理部長
株式会社KODENホールディングス 360 2.19
三菱UFJ信託銀行株式会社 339 2.06
取 締 役 サステナビリティ推進担当兼品質担当
鈴木 由起彦 山内正義 315 1.92
執 行 役 員 兼生産担当兼サステナビリティ推進室長
注)1. 信託銀行の所有株式には、信託業務に係る株式が含まれております。
当社は2022年3月31日現在、自己株式を673,381株保有しておりますが、上位10名の
  2. ‌
取 締 役 株主からは除外しております。また、持株比率は自己株式を控除して計算しております。
鹿 島 孝 弘
常勤監査等委員
所有者別株式分布状況

取 締 役 ■ 自己株式 3.9%
柳 川 南 平
監 査 等 委 員 ■ 金融商品取引業者 2.8%
■ 外国人 7.0%
取 締 役 ■ 事業会社 その他法人 9.5%

中 村 敬
監 査 等 委 員
■ 金融機関 26.1%
■ 個人 その他 50.7%


● 株主MEMO 注)本報告中の記載数値は、表示してある数値未満の端数を四捨五入しております。


● 事業年度 毎年4月1日から翌年3月31日まで ● 公告方法
公告は電子公告により、当社ホームページに掲載いたします。(https://www.tokyokeiki.jp/)
● 定時株主総会 毎決算期の翌日から3ヶ月以内 但しやむを得ない事由により電子公告によることができない場合は、 日本経済新聞に掲載いたします。

● ‌
期末配当金 ● 株主名簿管理人及び特別口座の口座管理機関
受領株主確定日 3月31日 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
三菱UFJ信託銀行株式会社
● 単元株式数 100株 同連絡先
東京都府中市日鋼町1 1 電話 0120-232-711
- (通話料無料)
● 上場証券取引所 東京証券取引所 プライム市場 郵送先 〒137-8081 新東京郵便局私書箱第29号
(証券コード:7721)     三菱U J
F 信託銀行株式会社 証券代行部

(ご注意)
株券電子化後、株主様の住所変更、買取請求その他各種お手続きにつきましては、原則として口座を開設されている口座管理機関(証券会社等)経由で行っ
ていただくこととなっております。口座を開設されている証券会社等にお問い合わせください。株主名簿管理人(三菱UFJ信託銀行)ではお取り扱いできま
せんのでご注意ください。
特別口座に記録された株式に関する各種お手続きにつきましては、三菱UFJ信託銀行が口座管理機関となっておりますので、三菱UFJ信託銀行にお問い合わ
せください。なお、三菱UFJ信託銀行全国各支店にてもお取次ぎいたします。
未受領の配当金につきましては、引き続き株主名簿管理人である三菱UFJ信託銀行の本支店でお支払いいたします。


<お問い合わせ先>
〒144-8551 東京都大田区南蒲田2-16-46 見やすいユニバーサルデザイン
TEL 03-3732-2111(代表) FAX 03-3736-0261 https://www.tokyokeiki.jp/ フォントを採用しています。

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