「サプライチェーン イノベーション大賞 2022」の優秀賞を受賞

PRESS RELEASE

報道関係各位 株式会社薬王堂ホールディングス




「サプライチェーン イノベーション大賞 2022」の優秀賞を受賞
PALTACと協働で、他卸様7社・メーカー様58社の協力を得て実施した
「返品削減及び在庫偏重解消による販売機会ロス削減」の取り組みが評価され、7月8日に優秀賞を受賞



「東北から世界の健康をデザインする」を新ビジョンに掲げる当社グループは、子会社であり東北6県に363店舗
のドラッグストアを展開する株式会社薬王堂 以下、
「薬王堂」
)と化粧品・日用品、一般用医薬品卸売業大手の株式
会社PALTAC 以下、
「PALTAC」 「返品削減及び在庫偏重解消による販売機会ロス削減」の取り組みが
)が
評価され、7月8日に「サプライチェーン イノベーション大賞2022」の「優秀賞」を受賞しましたのでお知らせい
たします。




「サプライチェーン イノベーション大賞」は、経済産業省が事務局を務める製・配・販連携協議会がサプライチェーン全体の
最適化に向け、製・配・販各層の協力の下で優れた取り組みを行い、業界を牽引した事業者に対しその功績を表彰するもので
す。薬王堂としては「サプライチェーン イノベーション大賞2020」の「大賞」受賞以来2年ぶり2度目の受賞となります。




取り組み概要

需要予測アルゴリズムなどのデジタル技術を活用した「店舗間の商品移動システム」を共同開発し、店舗間の商品移
動に要する作業量・時間を大幅に軽減することで、商品の適時・適量の店舗間移動を実現しました。併せて、配送面
においても帰り便の活用や通常納品トラックの活用など、既存の流通フローに組み込むことで追加負担は発生しない
仕組みを構築しています。これにより、返品の30%削減と在庫偏重に伴う販売機会ロス削減による売上拡大とを同
時に実現しています。

またこれは、返品に伴うコスト削減だけでなく返品のためのトラック削減、廃棄物削減など持続的社会に向けた課題
解決に繫がると考えています。 詳細は次頁以降の取り組み説明資料をご覧ください。)

今後につきましても、新たな発想と新しい技術の導入により、各企業様との連携・協働の取り組みを進め、サプライ
チェーン全体の最適化・効率化を通じた社会・環境課題の解決に貢献してまいります。



【本リリースに関する報道関係者からのお問い合わせ先】
株式会社薬王堂ホールディングス 常務取締役 西郷 孝一
TEL 019-621-5027 代表)
「返 品 削 減」 及び
「在庫偏重解消による販売機会ロスの削減」

(「店舗間の商品移動システム」の開発・運用)


2022年4月28日(木)

メーカー58社
ベンダー 7社

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取組みの背景と課題
◇目指すべきこと
– 返品処理作業の削減=付加価値を生みにくい作業削減
– 配送回数の低減=CO2排出改善・2024年問題への対応
– 返品による商品廃棄の削減=環境対応の推進
– 小売業様の店舗毎の在庫偏重を解消=販売機会ロス削減
– 消費者の購入価格に転嫁される返品コストの低減


◇取組みのポイント
– 小売業様・メーカー様・当社の連携・協働(返品・廃棄削減の意識共有)
– 返品削減のために大きな追加コストをかけない(現在の運用を有効活用)

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返品実態(現状の再認識)
◇卸売業調査/日用雑貨の返品理由別構成比より
年2回の棚替え・季節品、特売残、定番カットによる影響が大きい




『2019公益財団法人流通経済研究所資料』より

解決策 ①「仕組み」による取組み⇒「店舗間の商品移動」
商品を売切るために ②「商談・営業」による取組み
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返品業務の流れ(現状の把握と課題)
・Before
店舗 PALTAC ベンダー メーカー 廃棄業者
物流センター 物流センター 物流センター

① ② ③ ④


検品・梱包 検品・仕分 検品・仕分 検品・仕分 廃棄処理
梱包・発送 梱包・発送 再生・廃棄
・After
店舗 ①
PALTAC
物流センター
《店舗間移動の仕組みを導入》
ベンダー、メーカーへの返品削減
① →同時に配送料も
梱包・入荷 検品・仕分 ベンダーの仕分け作業も削減
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「店舗間の商品移動」の返品削減イメージ
《Before》 《After》
全てが返品に(在庫過多の商品など) 店舗間の商品移動機能を付加し返品削減

小売業様 小売業様 小売業様 小売業様
A店舗(在庫 多) B店舗(在庫 少) A店舗(在庫 多) B店舗(在庫 少)
返 移 従前は返品となっていた 移
返 返
動 商品の一部を売れ行きの 動
品 商 良い店舗へ移動 商
品 品
「店舗間の 品 →返品削減 品
PALTAC 商品移動」 PALTAC
ベンダー毎に仕分 ①移動商品:店舗毎に仕分し再納品
→売切るために ②返品:ベンダー毎に仕分
仕組みを
返 返 導入 返
返品削減
品 品 品
各ベンダー様(仕訳・メーカーへ返品) 各ベンダー様 仕分数量削減
返 返 返 返 返 返
品 品 品 品 品 品 返品削減
各メーカー様(廃棄) 各メーカー様 廃棄削減
*メーカー様の廃棄も削減(コスト・環境にプラス)
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「店舗間の商品移動」の全体像(作業・配送面)

小 売 業 本 部 過剰・品薄の状態判定
指示・ 指示・
連携 ①店舗毎の販売実績・需要予測により店舗在庫を評価
②評価に基づき店舗に商品移動を指示 連携
指示・連携

移動元店舗 PALTACセンター 移動先店舗
①対象商品をピック ①移動元からオリコンを 通常納品
入荷処理 オペレーションにて処理
②ピック商品を
移動商品として 納品トラック ②移動先の店舗毎に 通常納品 ①商品販売
オリコンにまとめる の帰り便を 仕分け作業 トラックに 他店の過剰商品を消化
(返品ソーターを転用)
活用 積込み
在庫過多を解消 ③通常納品の商品と 品不足を解消
荷合わせ (増便無し)積込
追加投資無しで対応 (販売機会ロスを削減)

◇作業面:従来からの作業とほぼ同等の作業で対応可(大きな追加コスト無し)
◇配送面:帰り便活用や既存の配送に乗せこみ(大きな追加コスト無し)
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配・販共同開発の「店舗間の商品移動システム」
新システムの狙い「店舗間移動」メニュー新設
①返品削減と各店舗の在庫最適化による販売機会ロスの削減
⇒すべての店舗を俯瞰し、複数店舗間での商品移動を実現
②各店舗毎の在庫過多商品を自動抽出
同時に抽出した商品を移動先に自動振分け
(人の判断のみでは難しい作業を実現)
③可能な限り店舗の作業負担を軽減

デジタル技術活用
①小売業様のデータ活用(各店舗毎の販売実績・在庫)
②当社の持つ需要予測アルゴリズム活用
③既存のHTへのデータ伝送とペーパレスの情報連携 *HT=ハンディ―ターミナル

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デジタル技術活用の効果
需要予測アルゴリズム活用により、作業時間は1/6に!
《Before》 《After》
作業時間:1SKU当り:約30分 作業時間:1SKU当り:約5分
《作業内容》 ※基幹システムに需要予測アルゴリズムを
・基幹システムからデータを抜出し 活用した店舗間移動の新メニューを組み込み
(在庫情報・販売実績他) ・データの抜出し不要
・Excelに張り付け ・過剰在庫と転送先を自動計算
・人手による加工・分析と判断 ・ワンクリックで店舗のHTへ送信
・結果を各店舗にメール連携
人手による作業量が大幅軽減。
過剰店舗はどこ? 今後、薬系・化粧品メーカーへ
商品はなに? 広げていきたい。
売れている店舗は? (薬王堂コメント)

品薄店舗は?
《店舗作業も軽減》
*店舗ではHTの表示に従い商品を総量ピック
*店舗ではメールを基に商品を転送先別にピック (転送先仕分けはPALTACセンターで実施)

デジタルを活用することで手間なく機動的な店舗間移動を実現
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メーカー・他ベンダーのプラス効果と製配販連携

ベンダー7社 メーカー58社
相互
《返品削減⇒売上拡大》 理解 《返品削減⇒売上拡大》
製・配・販 +仕分け作業削減
連 携 +配送料削減
《メーカーの声》
*システム開発負担 +廃棄量削減 ・廃棄に比べ
*店舗間移動作業負担 かなりローコスト
(廃棄はコスト高)
負担の偏りを製・配・販でシェア(費用の一部を負担) ・SDGsにも
貢献できる


◆製・配・販 全体の作業量、配送量、廃棄量を削減
◆負担の偏りを理解し、製・配・販 バランスよくシェア
⇒消費者への負担はゼロ
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「店舗間移動システム」における効果検証(店舗⇒センター)
◆需要予測連動の店舗間商品移動システムの運用開始(2017年度後半)
⇒薬王堂との店舗課題を共有し両社の作業軽減を実現


約30%削減




17年度9月仕組開発
・自動店舗間移動
・需要予測精度向上による改善




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返品削減における効果検証

◇返品率削減 (返品率:2017年~2021年度比較)

小売業→卸 返品率△0.78%
(2017年 2.77%⇒2021年 1.99%)
卸→メーカー 返品率△0.87%
(2017年 2.60%⇒2021年 1.73%)

◇返品対応における配送トラック削減
返品個口数:2017年~2021年 総個口で5,468個口減少
トラック台数(参考値):10t大型で11台分/5年間
(10tに500個口積載できる前提でPALTAC試算)


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「店舗間移動システム」における効果検証(売上の状況)
◆店舗間移動システムにより、販売機会ロス削減=売上アップにも効果
取組みメーカー様抜粋 売上変化
1.50

1.40


概ね右肩上がりで推移
1.30

1.20 114 116

1.10 107


1.00

0.90
17年度 18年度 19年度 20年度 21年度
A社 B社
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取組み成果の検証(まとめ)
◇目指すべきこと
– 返品処理作業の削減=付加価値を生みにくい作業削減(〇)
– 配送回数の低減=CO2排出改善・2024年問題への対応(〇)
– 返品による商品廃棄の削減=環境対応の推進(〇)
– 小売業様の店舗毎の在庫偏重を解消=販売機会ロス削減(〇)
– 消費者の購入価格に転嫁される返品コストの低減(△)


◇取組みのポイント
– 小売業様・メーカー様・当社の連携・協働(返品・廃棄削減の意識共有)(◎)
– 返品削減のために大きな追加コストをかけない(現在の運用を有効活用)(◎)

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SDGs等の課題解決にも効果
SDGsの視点
①メーカー様への返品減少=作る責任の一翼を担う

②返品後のメーカー様の廃棄削減につながる

③返品に伴う配送トラック削減(CO2削減)

「ホワイト物流」推進
トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化
⇒店舗間の商品移動は既存トラックを活用(追加トラック無し)
⇒返品に伴うトラック輸送を削減

今後もサプライチェーンを担う企業として
社会的役割を果たしてまいります。
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