2023年4月期第3四半期決算説明会(書き起こし)

株式会社 Macbee Planet


2023 年4月期第3四半期決算説明会
千葉:株式会社 Macbee Planet 代表取締役社長の千葉知裕でございます。本日は、2023 年4月期第3四
半期決算説明資料に沿って決算概要につきましてお話させていただきます。




まずは会社概要です。

当社 Macbee Planet は 2015 年の 8 月に創業し、2020 年の 3 月に東証マザーズへ上場しました。

事業内容は、データを活用したマーケティング分析サービスの提供を行っており、正社員は 72 名と小規
模組織ですが、データ活用と自社テクノロジーによって高い生産性を実現しております。


また、2021 年に株式会社 Alpha の全株式を取得し完全子会社化をしたことで、技術開発力が飛躍的に改
善し、本年 3 月には株式会社ネットマーケティングを完全子会社化しており今後の成長基盤となる人員
と顧客を獲得しております。
2023 年4月期第3四半期の業績サマリーについて、お伝えいたします。

総評としましては、新たに開発したデータ取得技術を活用することによりデータ分析精度が向上し、成
長を加速させることができました。来期の中期経営計画の達成に向け、計画を上回るペースで進捗して
いることをご報告させていただきます。


売上高は、前年同期比で 30%増の 14,087 百万円、営業利益は 69%増の 1,506 百万円となっております。
営業利益率につきましても、10.7%と前期の 8.3%から 2.4pt 改善し、中期経営計画で目標とする 10%を
超えております。


AC 事業につきましては、前期の1Q に証券業界で大きな特需があり一過性の売上が発生しましたが、既
存顧客の成果発生数が増加していることに加え、新規に獲得した顧客も順調に伸長していることにより、
前年同期比で 27%増の成長を実現しております。


MT 事業につきましては、データ分析精度向上による成果増大に加え、主力サービスである Robee を AC
事業の大手顧客にも導入し、成果が急増した結果前年同期比で 94%増と成長しております。


両事業の成長により、収益が向上しただけでなく、テクノロジーの活用により売上総利益率が 17.5%か
ら 21.2%と大きく改善し、営業利益が前年同期比 69%増と成長することができました。なお、ネットマ
ーケティングの業績は当業績には含まれておりませんのでご留意ください。
独自に開発し取得したデータを活用することで MT 事業の成長や、AC 事業とのシナジーが順調なこと
により、2022 年6月に開示させていただいた今期の業績予想を修正させていただく運びとなりました。
業績予想の修正要因は独自のデータ活用による収益の増加や新規顧客の獲得であるため、一過性ではな
く、継続的な収益貢献が見込まれます。


売上高は前回修正値から 12%増の 19,000 百万円、営業利益は 28%増の 2,050 百万円と予想しておりま
す。前期実績と比較しますと、売上高は 32%増、営業利益は 66%増と高い成長を実現することができる
見込みでございます。


なお、繰り返しとなりますが、今期の業績予想にはネットマーケティングの取得および PMI 関係の費用
は見込んでいるものの、同社を連結した数字ではない点、ご留意ください。
ここで、改めて当社の実現したいことについてご説明させていただきます。

当社は、LTV マーケティングという独自のマーケティングを展開してきました。対比する市場は、今も
拡大し続けているインターネット広告市場でございます。約 3 兆円あると言われる広大な市場の課題を
解決し、LTV マーケティングへ転換してまいりたいと考えております。

インターネット広告市場は、リーマンショックや東日本大震災、新型コロナウィルス感染症などの危機
の最中でも二桁成長し続けてきた成長市場になり 2022 年も前年比 14%増と成長を続けており、今後も
成長が期待される市場になります。

しかしながら私たちはまだ課題があると考えております。

その一つ目は、広告コストの約 4 割は無駄に消化されており、必ずしも広告主の売上や利益につながら
ないという点にあります。また、業界では Cookie 規制が進み、従来型のマーケティングが通用せずコス
ト高になりつつあります。さらに、広告運用者のスキルによって成果がまちまちで、成否が担当者次第と
いう課題があります。

広告主様のニーズは、効率よく利益を上げたい、つまりなるべく無駄なコストをかけずに大きな売り上
げを上げたいという点にありますので、私たちの成果報酬型の LTV マーケティングを磨くことが、広告
主様のニーズに沿ったものだと考えております。 兆円のインターネット広告市場に対し、
3 当社の売上は
今期見通しで 190 億円になりますので、広告主様のニーズに答えることでまだまだ成長余地があると考
えております。
続きまして、中期経営戦略の進捗についてご説明いたします。

当社はデータを活かしたプロダクト戦略と営業戦略をもって、LTV マーケティングのリーディングカン
パニーとして、高成長の実現に向けて事業を推進しております。


プロダクト戦略につきましては、AC 事業と MT 事業との連携により売上総利益が向上しているだけで
なく、新たに開発したデータを取得する技術を活用し分析精度が向上することで成果発生数が向上して
おり順調に進捗していると評価しております。


また、他業種への展開や人員増強は順調に進捗しておりますが、ネットマーケティングの完全子会社化
によりさらに強固な基盤を構築できたと考えております。
ここで、改めて、3月6日に完全子会社化しました、株式会社ネットマーケティングの広告事業取得の狙
いやシナジー等についてご説明させていただきます。
ネットマーケティング取得について概要を説明させていただきます。ネットマーケティングの 100%株式
を取得しておりますが、対象は広告事業のみとなっており、同社の運営していたメディア事業は分社化
しており取得対象外となっております。


事業規模としましては、22 年6月期の総額計上ベースで 117 億と当社と近い規模となっております。取
得金額は 53 億7千万円で、資金は3月1日に開示しました通り全額銀行より借入れております。そのう
ち 20 億円につきましては、今期中には返済予定となっております。
続きまして、ネットマーケティングの 2024 年4月期へ与える業績影響についてご説明いたします。
のれんや償却期間、当社テクノロジー提供による定量的な効果を精査する必要があるため、具体的な数
値をお伝えすることは難しいのですが、協業は開始しており、テスト導入によるシナジー効果が確認で
きておりますので、来期業績貢献が可能であると自信をもってお伝えできればと思います。


現時点における状況としては、ホールディングス化を含む統合費用は今期4Q と来期に計上することを
予定しております。また、のれんにつきましては、およそ 20 億前後、償却期間は 7 年前後を見込んでお
ります。
具体的な数値につきましては、2023 年4月期の通期決算発表タイミングでご報告できればと思います。
改めて、ネットマーケティングの広告事業を取得した目的についてご説明させていただきます。


まず、前提として、当社の顧客がファイナンス業界やウェルネス業界に偏っており、大口顧客の予算動向
に業績の影響を受けやすいことを経営課題の一つとして認識しておりました。ネットマーケティングは
金融や人材業界に強みを有すものの、上位顧客への依存度が当社より低く業界の分散もあるため、特定
の顧客や業界動向の影響を受けづらくなり、当社業績のボラティリティを軽減することができます。


また、AC 事業につきましては、現状は、人を介したコンサルティングが必要なこともあり、長期的な成
長を実現するためには一定の組織規模が必要でございます。即戦力の人員を獲得することで、来期以降
の長期成長の基盤を構築することができます。


さらに、市場シェアの拡大にも寄与いたします。ただし、単純に 117 億の売上を積み上げることが目的
ではなく、競争するよりも互いに協業して共にインターネット広告の LTV マーケティングへの転換を早
急に進めることで事業機会を捉えた更なる発展を目指しております。次のページ以降でそのご説明をさ
せていただければと思います。
まず、インターネット広告における当社のポジショニングを説明いたします。こちらの図は、横軸に営業
利益の平均成長率、縦軸に売上高の平均成長率を置いております。


当社の AC 事業につきましては、収益構造上はいわゆるインターネット広告代理店に類似している点も
ございます。広告代理業につきましては、昨今 Cookie 規制の影響もあり売上や営業利益成長は当社と比
べると限定的となっております。


当社の MT 事業に類似した企業につきましては、当社と違い Saas 型でプロダクト提供をしている企業が
多く、売上高成長率は高い一方で、投資フェーズのため赤字の企業や、黒字転換するタイミングの企業が
多いのが特徴です。


当社は、AC 事業単体でも成長しておりますが、MT 事業のテクノロジーを活用しているため、
売上高だけでなく営業利益の成長率も業界の中でも高い水準にございます。


今回取得したネットマーケティングにつきましては AC 事業の類似企業に分類することができ、各社同
様に、売上高や営業利益の成長率は限定的でございます。このポジションから当社のテクノロジーを提
供することで、当社と同じような高成長企業への転換を画策しております。
テクノロジー提供によるシナジーをイメージしていただくために、両社の類似点と差異を簡易的にご説
明いたします。


ネットマーケティングの広告事業と当社の LTV マーケティングは、成果報酬型広告でマーケティングを
支援しているという点においては類似していると認識しております。


相違点として、データ取得技術や AI 等のテクノロジーの有無があり、それが競争優位性の源泉となって
おります。開発中の内容を含めて当社のテクノロジーを提供することで売上高および利益の両面で高成
長を実現させることができると考えております。
シナジーのイメージをセグメント別の売上総利益の推移用いてご説明させていただきます。


青色が AC 事業もしくはネットマーケティングの広告事業、緑色が MT 事業の売上総利益を示ししてい
ます。


左のグラフが当社の 19 年4月期からの売上総利益の推移になります。AC 事業の顧客に MT 事業の主力
サービスである Robee 等の活用を積極的に進めたタイミングから MT 事業の売上総利益比率が年々上が
り、それに伴い売上総利益率も向上してきました。また、MT 事業で取得したデータによる相乗効果で
AC 事業も大きく成長し、その結果として売上総利益の平均成長率は 71%にもなります。


右の図はネットマーケティングの広告事業による売上総利益の推移になります。年間平均成長率は限定
的で、売上総利益率も 12%となっています。


ネットマーケティングには当社のMT事業に類する事業が無いため、当社の MT 事業のプロダクトやテ
クノロジーを提供することで、売上総利益率および成長率が大きく向上するようになると考えておりま
すので、シナジーの実現をご期待してお待ち頂ければと思います。
続きまして、2023 年4月期第 3 四半期の業績についてご説明申し上げます。
2023 年4月期第 3 四半期の業績について掘り下げてご説明申し上げます。


売上高は前年同月比で 30%増の 14,087 百万円、営業利益で 69%増の 1,506 百万円となりました。昨期
は第 1 四半期に特需がございましたが、特需水準を超えて YonY で 30%増と実力値として大きく成長す
ることができていると評価しております。


冒頭ご説明したデータ取得技術を活かした施策により売上総利益率も向上し、営業利益率が 10.7%と、
中期経営計画で掲げた 10%を前倒しで達成しており、中期経営計画の目標達成に向け計画以上の成長が
実現できると考えております。


また、修正後の計画に対する進捗率としましても、売上高は 74%、営業利益が 73%となっており、第 4
四半期につきましても、高い成長を実現する見込みでございます。
前年同期比の詳細についてご説明いたします。


売上高は前年同期比で 30%増でしたが、売上総利益が 58%増となっており、売上総利益率が 17.5%から
21.2%と大幅に改善しております。


セグメント別に申し上げますと、AC 事業の売上は 38%増となりました。業界別でご説明しますと、
Wellness の来店型業界は既存顧客が引き続き堅調に推移しております。新規顧客についても、証券や銀
行業界で獲得があっただけでなく、人材やパーソナルジム、教育業界など多岐に渡る新規顧客を獲得し、
堅調に推移していることで、売上貢献しております。


MT 事業につきましてはデータ分析精度の向上に加えて、 事業の顧客へのクロスセルが進んでいるこ
AC
とから、シナジーにより両事業が急成長しております。


販管費につきましては、事業の成長に合わせて人員増加に伴う費用と、技術開発に係る費用を中心に増
えており、第 3 四半期につきましては、M&A に係る一時的な費用もございました。


その結果、営業利益は 1,506 百万円、営業利益率は 10.7%と収益性も向上しております。
第 2 四半期からの営業利益の増減分析についてご説明いたします。データ取得技術などにより MT 事業
を中心に成長したことにより、第 2 四半期の 4,354 百万円から 5,211 百万円と前 Q 比で 20%の成長をし
ております。


なお、コストにつきましては、M&A に関連する費用など一過性の費用が増加しておりますが、営業利益
は前四半期比で 24%増となっており、将来の成長に必要な費用を加味しても四半期ベースでは中期経営
計画で掲げている来期の営業利益目標の 22 億円を達成可能な水準にまで成長しております。
最後に四半期の売上高推移についてご説明いたします。

当社のビジネス特性上、顧客のキャンペーンや季節性などの影響により凸凹はございますが、右肩上が
りの売上高トレンドは継続し、順調に成長しております。
重複しますが、第3四半期の業績及び今期業績予想にはネットマーケティングの影響は織り込まれてお
らず、業績寄与は来期からとなります。


足元の協業を進める中でシナジー効果創出に手ごたえもあることから、来期への業績への貢献ならびに
インターネット広告の LTV マーケティングへの転換による継続的な成長をご期待頂きたいと思います。


私からの説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。

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