小型原子時計および原子時計を利用したアプリケーションの研究開始について

2020 年7月6日
各 位
会 社 名 株式会社多摩川ホールディングス
代表者名 代表取締役社長 桝 沢 徹
(JASDAQ・コード6838)
問合せ先 経 営 企 画 部 田 中 竜 太
電話番号 03-6435-6933




小型原子時計および原子時計を利用したアプリケーションの研究開始について



当社は、既にお知らせのとおり、自然エネルギー(太陽光、風力、バイオマス、温泉熱他)分野での活用が
見込まれております、余剰電力の最適化機器制御・モニタリングシステムの研究開発を、国立大学法人東北大
学・古屋泰文特任教授を研究担当代表者とする共同研究として進めて参りました。また、さらなる連携強化を
図るべく、本年2月には仙台事務所を開設いたしました。


当社はこのたび、同大学・小野崇人教授を研究担当代表者として、モバイル端末への搭載が見込まれる小型
の原子時計(Atomic Clock)および原子時計を利用したアプリケーションの共同研究を開始いたしました。ま
た、研究のファーストステップとして、原子時計を使用した IoT(Internet of Things)システムの試作機を開
発いたしました。




原子時計を使用した IoT(Internet of Things)システムの試作機



原子時計とは、原子(中性やイオンの場合も含む)が吸収あるいは放出する電磁波の周波数を基準にした時
計であります。現在最も精度の高い光格子時計、秒の定義に利用されているセシウム原子時計、光イオン時計、
水素メーザーのほか、今回開発に利用した小型原子時計などがあります。


小型原子時計は、広く利用されている水晶振動子の約 10 万~100 万倍の精度を持ち、人工衛星への搭載や、
情報通信ネットワークの時刻同期のためのクロック、人工衛星からの GNSS(Global Navigation Satellite
System)電波の届かない空間での基準信号源として期待されてきました。近年では、低消費電力化と小型化が
急速に進められており、次世代移動通信システムにおける高精度な時刻同期のためのクロックや、基地局、モ
バイル端末への搭載が期待されています。


※参考
国立研究開発法人情報通信研究機構・国立大学法人東北大学・国立大学法人東京工業大学
プレスリリース「原子時計をスマートフォンに搭載できるくらいの超小型システムへ」
<https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/awardimg/award20180124_01.pdf>


当試作機は、原子時計が時刻を常時正確に同期し、時刻・緯度経度・温度・湿度・気圧データをクラウドへ
送信する IoT システムであります。
IoT システムでは、様々な機器がインターネットにつながることから、信頼性を確保するためには各機器の
時刻を同期する必要があります。正確な時刻同期を可能とする IoT システムは、次世代高速高密度通信をベー
スとした、より精密な自動運転、航空宇宙、ロボット、医療福祉、インフラ保全、仮想発電所制御等、幅広い
分野での活用が期待されています。


当試作機を基に、小型原子時計や、原子時計を利用した位置測位等のアプリケーション開発等を、東北大学
との共同研究により推進して参ります。


当社グループは、これまでの蓄積技術を発展・拡大させ、環境発電・グリーンビジネス、通信インフラ整備、
それらを戦略的に分析・融合化させた、新事業創造や企業再生にも積極的に挑戦する、ESG 総合商社としての
経営に取り組んでまいります。


以 上

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