5G高度化研究におけるプロジェクトの完了、および研究開発成果のお知らせ

2023 年6月 16 日
各 位


会 社 名 株式会社多摩川ホールディングス
代表者名 代表取締役社長 桝沢 徹
(東証スタンダード市場・コード6838)
問合せ先 経営企画部 山内 加奈
電話番号 03-6435-6933



5G高度化研究におけるプロジェクトの完了、および研究開発成果のお知らせ

当社子会社である株式会社多摩川電子(以下、多摩川電子)は、第5世代移動通信システム
(5G)を初め、Beyond 5G/6G にむけ無線通信分野で需要が高まる、ミリ波製品の開発、設備投
資、及び受注強化に努めてまいりました。
当社が開発した mmWave Wireless Module は国が推進する次世代の無線通信研究開発プロジェク
トにおいて、疑似ミリ波帯無線基地局、及び無線端末として株式会社構造計画研究所様に採用いた
だき、この度 4 年間にわたる同プロジェクトが完了いたしましたので、ここにその成果をお知らせ
いたします。





1. 概要
本研究開発は、我が国でもサー
ビスが開始された 5G のさらなる
高度化と、各国で研究開発が進め
られている次世代無線通信規格で
ある Beyond 5G/6G において、ま
すます増大する新たな電波利用ニ
ーズに対応するため、周波数の効
率的な利用や、ミリ波帯における
安定的な無線ネットワークを実現
するため、令和元年に総務省から
公募された『第5世代移動通信システムの更なる高度化に向けた研究開発』となります。


多摩川電子は本研究開発のニーズに応えるべく、28GHz 帯『mmWave Wireless Module』を
開発し、株式会社構造計画研究所様のソフトウェア無線技術と組み合わせることで、本研究開
発に採用されました。
令和 4 年度に研究開発が完了し、先日開催されたワイヤレス・テクノロジー・パーク 2023 の
『電波資源拡大のための研究開発』にて成果発表会が開催されましたので、その概要について
ご説明いたします。
2. 研究開発プロジェクトの内容と成果の概要
我が国においては 28GHz 帯のミリ波が 5G に割り当てられ、利用できる状態にありますが、
世界的にも普及は停滞しており、限定的な利用にとどまっています。これは、高速大容量、高信頼
低遅延、多数同時接続が可能なミリ波帯のメリットに対し、直進性が強い、伝搬距離が短い等『つ
ながりづらい』ミリ波帯のデメリットを補完する技術が未成熟なため、本格的な商用の妨げとなっ
ています。
今回の研究開発は、商用での運用を想定し、ミリ波帯のメリットを最大限に活かしながら、デメ
リットを補完する技術を確立することを目的として進められました。
その中で多摩川電子は、商用時のミリ波帯通信エリアの模擬試験が行えるよう、多チャンネルで
かつ、ビームフォーミングを実現するための多素子指向性可変アンテナを有する 28GHz 帯の RF フ
ロントエンドとして mmWave Wireless Module を提供いたしました。
評価試験においては、疑似通信エリア内における通信品質の劣化要因となる遮蔽効果の検証や、
新たな通信方式の実証実験を行い、高速大容量、高信頼低遅延、多数同時接続を維持しながら、高
い通信品質を確保することに成功しました。



疑似基地局 2
疑似基地局 1




疑似端末




電波暗室内での通信実験(mmWave Wireless Module を疑似基地局として使用)



3.Beyond 5G/6G に向けた今後の取組
新たなサービスやコンテンツの出現により、ますます増大する通信トラフィックへ対応するため、
広い周波数帯域幅が確保できるミリ波帯の果たす役割は大きく、産業界の期待も高まっています。
2030 年代の商用開始を目指している Beyond5G/6Gにおいては、世界的にもミリ波帯利用に向け
た議論が進展しており、今後市場規模が拡大することが見込まれています。
多摩川電子は本件 28GHz 帯のみならず、産学共同研究を通じ 100GHz、300GHz 帯の研究開発も
進めております。設計・製造難易度の高いミリ波帯、テラヘルツ帯において、次世代の製品開発や
研究開発プロジェクトへの参画を進めることで、更なる業績の拡大を目指すとともに、高周波技術
のプロ集団として、今後も我が国の無線通信分野の発展に貢献してまいります。
以上

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