5G基地局アンテナ計測用 光電界センサの開発について

2019 年 7 月 9 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 精 工 技 研
代表者名 代表取締役社長 上野昌利
( コード番号 6834 )
問合せ先 執行役員管理部長 斎藤祐司
( TEL. 047 - 388 - 6401 )



5G基地局アンテナ計測用 光電界センサの開発について

当社はこのほど、国立大学法人三重大学工学部(工学研究科 村田 博司教授)と国立研究開発法
人産業技術総合研究所物理計測標準研究部門(電磁界標準研究グループ長 黒川 悟)と共同で、
第 5 世代移動通信システム(5G)の基地局アンテナが発信する電波の強度と位相を高精度で計測
する光電界センサの開発に成功しました。5G に使用する周波数帯の中でも 28GHz 帯を測定する
ことができる光電界センサは、世界初となります。


28GHz 帯は、5G の開始に伴って新たに商用化された電波の周波数帯域です。28GHz 帯は、4G
で利用されている 3.6GHz 以下の周波数帯に比べて直進性が高く、長い距離を飛びづらいといった
特性があります。このため、28GHz 帯を利用する 5G の基地局を効率的に設置するためには、基
地局のアンテナが発信する電波の方向や強さ等の放射パターンを正確に測定し、アンテナの位置や
角度を調整することが欠かせません。


当社では、世界規模で 5G が始まることを見据え、2017 年後半から 28GHz 帯等の高周波の電波
を正確に測定することができる光電界センサの開発に着手しておりました。2018 年 6 月からは三
重大学、産業技術総合研究所との共同研究を開始し、それぞれの知見を持ち寄って技術課題の解消
に取り組んでまいりました。


開発した光電界センサは、電波を受信するアンテナと、受信した電波を光信号に変調する電極を
一体化させたアンテナ電極構造を採用。複数のアンテナ電極を光導波路に直列配置することで高感
度化を実現しました。
複数のアンテナ電極を対称に配置することで、直交する2つの偏波成分を同時に測定できること
も確認されており、測定の手間を大幅に削減することが期待されます(特許出願中)。センサヘッド
にはアンテナ電極以外金属部が無く、周囲金属との干渉の影響が小さく、極めて精度の高い測定を
可能としました。
28GHz 帯アンテナ電極型センサヘッド


当社では、2019 年度下期からエンジニアリングサンプルの販売を開始する予定です。今後、世
界各国で 5G 用の基地局が急増することが確実視される中、世界の通信キャリアやアンテナメーカ
ー、研究機関や大学等に向けて広く販売していく計画であります。
本研究の成果は、福岡国際会議場にて開催される光エレクトロニクス関連の国際会議 OECC/PSC 
2019 において、2019 年 7 月 10 日に発表を予定しております。 
 
なお、本件が当期の連結業績に与える影響は軽微であります。


※ 製品に関する問い合わせ先
株式会社精工技研 機器事業部
TEL : 047-388-6197 担当 : 鳥羽/藤浪



以 上

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