世界初 可視光を通過する透明な5Gミリ波対応液晶メタサーフェス反射板の開発に成功 ー5G本格展開時代に向け、様々なシーンにおいてサービスエリアを拡張可能ー

2023 年 6 月 19 日


各 位
会 社 名 株式会社ジャパンディスプレイ
代表者名 代表執行役会長 CEO スコット キャロン
(コード番号 6740 東証プライム)
問合せ先 執行役員 CFO 坂口 陽彦
(TEL. 03-6732-8100)



世界初 可視光を通過する透明な5Gミリ波対応液晶メタサーフェス反射板の開発に成功
-5G本格展開時代に向け、様々なシーンにおいてサービスエリアを拡張可能-


当社は、この度、可視光を透過し、ミリ波帯の電波の反射方向を任意に変更可能とする透明な液晶
メタサーフェス反射板の開発に世界で初めて成功しました。直進性の高いミリ波帯を使う5G通信にお
いては、ビルや樹木の影などに電波の届きにくい場合が発生するという課題があり、当社では、この
課題を解消させるための方向可変型液晶メタサーフェス反射板を開発しております。今般、この反射
板を透明にすることにより、窓ガラスや広告媒体上にも設置可能となるなど、設置の自由度を大幅に
高めることが可能となりました。これにより、5G通信の電波通信環境の大きな改善に貢献いたします。




図1 透明な方向可変型液晶メタサーフェス反射板(試作品)


5G通信で利用するミリ波は、超高速・大容量・低遅延な通信サービスを提供可能である一方、電波
の強い直進性により、ビルや樹木の影などに電波の届きにくい場所(カバレッジホール)を発生させ
やすい特徴を有します。このような場所へ5Gサービスを提供する方法として、基地局からの電波を特
定方向に反射させてカバレッジホールへ届けるメタサーフェス反射板が注目を集めており、当社では
2021年10月に発表のとおり、ミリ波を任意の方向に反射可能な方向可変型液晶メタサーフェス反射板
の開発を進めてまいりました。




今回開発した透明な方向可変型液晶メタサーフェス反射板は、ミリ波を反射する一方で可視光を通
過する特徴を有し、本技術を適用した小形サンプルの試作品において、背景が透けてみえることを確
認いたしました(図1、図2)。また、同試作品の反射特性の評価を行い、28GHz帯のミリ波を設定した
特定の方向に反射できることを確認しております。




図2 透明な方向可変型液晶メタサーフェス反射板の構造と特徴


今回の成果により、図3に示したように窓ガラスや広告媒体上に透明な方向可変型液晶メタサーフェ
ス反射板を設置することができ、様々なシーンにおいて、電波環境の変化によるカバレッジホールの
位置の変化や、通信トラフィックの時間帯ごとの変化にあわせて、柔軟なカバレッジホール対策がで
きるようになるものと期待されます。今後、当社は実用化を目指し、量産に向けた技術検討を進めて
まいります。




図3 透明な方向可変型液晶メタサーフェス反射板の設置イメージ



当社は、2023年6月28日(水)から6月30日(金)に東京ビッグサイトで開催されるCOMNEXT-次世代通信
技術&ソリューション展-において、透明な方向可変型液晶メタサーフェス反射板を展示します。
COMNEXT 出展情報



関連ニュースリリース
世界初 電波の反射方向が変えられる液晶メタサーフェス反射板の開発に成功
(2021年10月7日付)


液晶メタサーフェス反射板:
電波を鏡面反射と異なる方向に反射できる反射板。反射板は、無線エリア内に発生するカバレッジ
ホールを、新たな基地局を設置することなく通信可能なエリアに変化させられるため、低コストにて
エリア拡張を可能にします。金属等の反射板では、鏡面反射であるため物理的な設置角度の制約が生
じますが、メタサーフェス反射板では特定の方向に反射させることが可能なため設置制約が軽減され
ます。液晶メタサーフェス反射板は、電源を必要としますが、反射方向を電気的に可変できる特徴を
有します。


液晶メタサーフェス説明動画:
https://youtu.be/gyHkKKtdxyk


※ 世界初:2023年6月 当社調べ。可視光を通過する透明な5Gミリ波対応の液晶メタサーフェス反射
板を世界で初めて開発しました。





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