アクセルとティアフォー、AIハードウェアアクセラレータの製品化に向けて連携を強化

2020 年6月 23 日


アクセルとティアフォー
AI ハードウェアアクセラレータの製品化に向けて連携を強化
~ 広範な AI 領域に向けた製品開発において協業を開始 ~


株式会社アクセル(本社︓東京都千代田区、代表者︓松浦一教)及び株式会社ティアフォー(東
京オフィス︓文京区本郷、代表者︓武田一哉)は、両社が国立研究開発法人 新エネルギー・産業技
術総合開発機構(以下「NEDO」)の「高効率・高速処理を可能とする AI チップ・次世代コンピューテ
ィングの技術開発」事業の中で取り組んできた CNN(Convolutional Neural Network)アクセラレ
ータを広範な AI 製品向けに FPGA や ASIC 向けの IP 製品として提供を開始することを発表します。


アクセルは、アルゴリズム開発から製品化を担うソフトウェア・ハードウェア開発まで一貫した開発体制を
保有する先端テクノロジー企業です。先端プロセスを採用した大規模な LSI 開発に加え、機械学習/AI
や暗号技術・ブロックチェーン技術を活用したソリューションの提供や製品の開発を行っています。
ティアフォーは、世界初の自動運転用オープンソース OS「Autoware」の開発を主導するディープテック
企業として知られており、様々な組織・個人が自動運転技術の発展に貢献できるエコシステムの構築―
自動運転技術の民主化―を目指しています。現在、「Autoware」は国内外で数百社の企業に導入さ
れています。


アクセル及びティアフォーは、東京大学の加藤研究室や埼玉大学の安積研究室と連携し、NEDO「高
効率・高速処理を可能とする AI チップ・次世代コンピューティングの技術開発」事業の中で、完全自動
運転に特化したシステムオンチップとソフトウェアプラットフォームの研究開発に取り組んでいます。本研究テ
ーマの一部である、自動運転システムで画像認識などに用いられる AI 技術の1つである CNN において、
ハードウェアアクセラレータの研究開発が 2019 年度に完了し、IP 化しました。本研究開発では、共同で
の基礎研究を経て、アクセルはハードウェアの実装、ティアフォーは評価及び実証実験を主に担当し、進め
てきました。


CNN は畳み込みニューラルネットワークと呼ばれる AI 技術の略称であり、特に画像認識の分野で優れ
た性能を発揮します。近年 CNN は、自動運転をはじめ、監視カメラやスマートフォンなど、様々な製品の
中核技術としての利用が進んでいます。CNN の処理では、テンソルと呼ばれる多次元配列の積和演算
が多用され、処理性能や消費電力の面で課題があります。これらは現在、CPU や GPU、DSP などのうえ
で、入力となる認識対象データと学習済みモデルのテンソルを行列(二次元配列)に変換し、行列演算
器で処理を行い、再度テンソルに変換して認識結果を出力する処理フローが一般的です。
今回、本 CNN アクセラレータでは、独自に開発したテンソル演算器で入力したテンソルをそのまま処理
し、認識結果を出力します。これによってハードウェアで直接テンソルを処理することで、演算処理及びメモ
リアクセスを効率化します。また、複数の処理をまとめて実行する最適化機能や、データ量を削減する量
子化機能などを搭載しており、処理性能の向上及び消費電力の削減を実現します。
両社は引き続き完全自動運転に特化したシステムオンチップとソフトウェアプラットフォームの研究開発に
取り組んでいくとともに、CNN アクセラレータを AI 製品向けに FPGA や ASIC の IP 製品として提供し、
同領域での早期事業化を目指します。


また、両社の CNN アクセラレータの研究開発における今後の取り組みとして、我が国の革新的な AI チ
ップ開発を加速するために構築が進められている「AI チップ設計拠点 AI Chip Design Center」と協
力し、IP 及び LSI 製品化を視野に向けた実証評価を目的として、チップ化を行います。


今後は、自動運転分野の出口戦略の一環として、カメラ等のセンサの近傍に置いて、センサデータを処
理するセンサ ECU の研究開発を共同で行い、ティアフォーが研究開発で使用している JPN TAXI の車
両システムに搭載して実証実験を行うことで合意しました。また、自動運転分野に加えて、ファクトリーオー
トメーション、監視システムやスマートホームなど、AI を利用する様々な分野への展開も視野に、事業化を
目指します。
画像︓実証実験を行う JPN TAXI 車両


【AI チップ設計拠点の概要】
本拠点は、国立研究開発法人産業技術総合研究所エレクトロニクス・製造領域と国立大学法人東
京大学大規模集積システム設計教育研究センターが協力して構築を進めています。中小・ベンチャー企
業などが進める AI チップ開発を支援することを目的に、NEDO 事業「AI チップ開発加速のためのイノベー
ション推進事業」により推進されています。
https://ai-chip-design-center.org/


■本リリースに関するお問い合わせ先
株式会社アクセル(https://www.axell.co.jp/)
IR・広報チーム 電話 03-5298-1670 E-mail kouhou@axell.co.jp


株式会社ティアフォー(https://tier4.jp/)
広報担当 E-mail pr@tier4.jp


以上


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● 記載されている会社名、製品等は、一般に弊社及び各社の登録商標または商標です。
● Autoware は The Autoware Foundation の登録商標です。
● 本成果の一部は、NEDO の「高効率・高速処理を可能とする AI チップ・次世代コンピューティングの
技術開発」事業の成果によるものです。

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