Stellantis 様が参画する V2G AC 実証実験に向け、V2X OBC を開発・提供

News Release

2023 年 11 月 27 日
ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社




Stellantis 様が参画する V2G AC 実証実験に向け、V2X OBC を開発・提供


ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社(本社:大阪市、 社⾧:小野 有理)は、
当社の V2X 対応車載充電器 (OBC)を搭載した Stellantis 様の電気自動車(xEV)をカリフォルニ
ア州に設置し、V2X 対応 OBC を介した本車両の充放電を通じて V2X AC の実効性を検証しま
す。当社は 2021 年 7 月に Stellantis 様と V2X AC の実証実験に参画することに合意し、2022
年 8 月に V2X 対応車載充電器 (V2X OBC)を開発しました。

温暖化対策として xEV や再生可能エネルギーが普及拡大する中、xEV の充電による電力需要
過多や再生可能エネルギーによる過剰供給や過小供給による系統の不安定化が懸念されていま
す。そこで、xEV の蓄電池から系統に放電し系統安定化を図る V2G (Vehicle-to-Grid、系統連
系)が次世代技術として期待されております。加えて、xEV の蓄電池を災害時の非常用電源とし
て活用する V2H (Vehicle-to-Home、家全体をバックアップ)もあり、V2G, V2H 等を総称する
V2X への注目が高まっています。
V2X システムの一つである V2X AC では、xEV に搭載された OBC が充電並びに放電をし、売
電、系統の安定化、並びに停電時のバックアップを実現します。そのため、OBC がパワーコン
ディショナ(PCS)として動作し、系統連系機能を有することが求められます。
当社は「車と家をものづくりでつなぐ」をビジョンとして掲げ、自動車機器事業とエネルギ
ーソリューション事業のシナジー向上に取り組んできました。その旗艦プロジェクトとして世
界に先駆けて米国の系統連系機能を有する V2X 対応 OBC の開発を進め、実証実験参画に至り
ました。

今後も当グループは、中⾧期経営計画【炎のスクラム】に掲げた新ビジョン【車と家を地球環
境に資するものづくりでつなぐ】に基づき、公器としてお客様の発展に寄与し社会の豊かさに
貢献するべく、挙社一致で連戦猛進して参ります。


実証実験の背景について

V2X システムには xEV が交流(AC)で直接充放電する V2X AC, 住宅に設置する充電設備
(EVSE)が交流直流の電力変換をし、EVSE が AC で充放電する V2X DC があります。V2X AC の
場合、車に搭載される OBC が交流直流変換を行い、OBC が充放電を行います。
カリフォルニア州は xEV 普及に向け、 米国内でいち早く V2X に関連するロードマップ※1 を掲
げました。 また V2X を必須とする法案※2 も審議中です。 その中で、 カリフォルニア州は V2X DC
に加え、トータルコストが安価と試算される※3 V2X AC への投資も行っています。
V2X AC では移動体である xEV 特有の規制や規格開発が必要です。米国は V2X AC に関わる
規制や規格開発で先行しており、これら規制・規格開発の促進並びに検証が本実証実験の目的
の一つです。
一方で現在、米国系統連系規定 IEEE 1547-2018 に準拠した OBC を搭載した車両は市場にあ
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りません※4。当社は世界に先駆けて IEEE 1547-2018 準拠の V2X 対応 OBC を開発しました。そ
の評価・検証も本実証実験の目的です。
一方で、 災害による停電が相次ぐ米国では、 停電時に xEV から家をバックアップする V2H も
注目されています。本実証実験では、V2H の評価も行います。




図 実証実験の構成

※1 California Vehicle-Grid Integration (VGI) Roadmap: Enabling Vehicle-based Grid
Services.
※2 SB-233 Electric vehicles and electric vehicle supply equipment: bidirectional capability.
※3 FINAL REPORT OF THE VEHICLE TO GRID ALTERNATING CURRENT
INTERCONNECTION SUBGROUP
※4 2023 年 4 月現在、California Energy Commission のデータベースより
https://database.epicpartnership.org/project/132493


当社開発品について

今回実証実験に提供する V2X 対応 OBC は、 米国系統連系規格 IEEE 1547-2018 に準拠し、 ス
マートインバータ機能として Volt-var, Volt-watt, Frequency droop といった先進機能、系統擾
乱時に系統を保護する Ride-through 機能、単独運転検知・防止などの安全に関する機能を有し
ています。
また、自動車技術者協会(SAE)が開発した V2X AC 規格 SAE J3072 並びに V2G AC Profile に
準拠し、スマートインバータ機能を実現するための情報交換やハンドシェイクを行います。
さらに自立動作機能も有し、停電時に家をバックアップすることが可能です。

■主な製品の仕様
基本性能 最大電力 充放電(有効)電力: +/- 6.6 kW
無効電力: +/- 6.6 kvar
最大 AC 電流 32 Arms
最大 DC 電圧 310~450 V
力率 0~+/-1 で可変
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系統連系機能 準拠規格 IEEE 1547-2018
IEEE 1547.1-2020 + UL 1741SB
IEEE 1547 カテゴリ Normal: B
Abnormal: III
連系電圧 240 V
連系周波数 60 Hz
スマートインバータ あり
機能 (Constant var, Constant PF, Volt-var, Volt-watt,
Watt-var, Frequency droop)
系統保護機能 あり
(電圧ライドスルー・トリップ、
周波数ライドスルー・トリップ)
単独運転機能 あり (受動 + 能動)
自立動作機能 出力電力 6.6 kVA
出力電圧 単相 2 線式: 240 V (ソフトウェアにより変更可能)
電圧品質 Waveform X, Class 1 (IEC 62040-3:2021)


将来展望について

本実証実験に参加することで、V2X AC のみならず、V2X DC も加えた V2X エコシステムに
対する規格、規制、そして市場動向をいち早く捕捉しています。
V2X 対応 OBC に限らず、 車と家をものづくりでつなぐ」
「 ための製品開発に生かしています。



■本リリースに関するお問い合わせ先
ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社 社⾧室 IR・広報部
TEL: 06-6302-8211 E-mail: PR1_INFO@dia-zbr.co.jp

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