日本電産のトラクションモータシステム「E-Axle」の第2世代量産開始について

2022 年 10 月 24 日
各 位

会 社 名 日本電産株式会社
代表者名 代表取締役会長 永守 重信
取 引 所 東証プライム(6594)
所 在 地 京都市南区久世殿城町 338
問 合 先 広報宣伝部長 渡邉 啓太
電 話 (075)935-6150



日本電産のトラクションモータシステム「E-Axle」の第 2 世代量産開始について


日本電産株式会社(以下、当社)は、EV 用トラクションモータシステム「E-Axle(イーアクスル)」の第 2 世代(以下、
Gen.2)の量産を開始いたしました。




「E-Axle Ni100Ex(Gen.2)」


当社は 2019 年 4 月にモータ、ギア、インバータを一体化した EV 用トラクションモータシステム「E-Axle(イーアクスル)」を Tier1
サプライヤーとして、世界で初めて量産を開始いたしました(以下、Gen.1)。以降、中国のお客様を中心に採用が進み、2022
年 9 月末時点で 13 車種に搭載されています。(2022 年 9 月末までに 52 万台以上を生産)
2022 年の 9 月 26 日に中国の広州尼得科汽車駆動系統有限公司で量産を開始した E-Axle Gen.2 は Gen.1 の開発、
量産を通じて当社が培った磁気回路設計技術、油冷技術等のノウハウを元に、さらなる軽量化・静粛性を両立させています。


E-Axle Gen.2 の特長(Gen.1 100kW モデルとの比較)
①第 2 世代の高占積巻線技術による磁気回路の小型化、インバータの小型化により、重量 19%減、トルク・出力密度を 20%
向上
②新開発の 2Way オイル循環方式*1 による冷却能力の向上により、Dy(ジスプロシウム)、Tb(テルビウム)等の重希土類を大
幅に削減した磁石を採用。順次重希土類フリー磁石*2 への切り替えを進める。
③部品配置の最適化や新設計のギア採用等により、元々静音性に優れていた前モデル、前々モデルからモータノイズを 6~8dB
低減


*1 中国におけるオイル冷却技術の特許出願件数 1 位
*2 磁石(強磁性体)は一定以上の温度(キュリー温度)になると磁力が失われるが、ジスプロシウム、テルビウムを添加することで耐熱性を向上させることができ
る。当社の E-Axle Gen.2 は冷却能力の向上により、磁石の温度を下げることに成功しており、これによりジスプロシウム、テルビウムを大幅に削減することが可能に
なる。



E-Axle Gen.2 は 100kW から量産を開始しましたが、現在生産中の 200kW、150kW 等の各ラインアップについても順次
Gen.2 に切り替える予定です。


E-Axle Gen.2(100kW)仕様
●ピーク出力: 100kW@350V ,20s ●定格出力:38kW ●出力軸ピークトルク:2400Nm
●出力軸最高回転数:1250rpm ●重量:57kg ●動作電圧:300~460V
●外寸(mm):432.8 x 408.3 x 351.3


当社は 2030 年までに EV 用駆動モータ市場で世界シェア 40~45%の獲得を目標としており、当社の E-Axle はそのけん引役
となります。
今後も当社は世界 No.1 の総合モーターメーカーとして、軽薄短小技術、高効率化技術、制御技術を駆使した製品を開発し、
自動車の進化に貢献する革新的ソリューションを圧倒的なスピードで提案していきます。





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