当社子会社日本電産ASI(Nidec ASI)による新世代電気自動車向け超急速充電システムの開発について

2018 年 6 月 5 日
各位
会 社 名 日本電産株式会社
代表者名 代表取締役会長兼社長 永守 重信
取 引 所 東証一部(6594)
所 在 地 京都市南区久世殿城町 338
問合せ先 広報宣伝部長 生島 志朗
電 話 (075) 935-6150



当社子会社日本電産 ASI(Nidec ASI)による

新世代電気自動車向け超急速充電システムの開発について


この度、当社家電産業事業本部産業ソリューション事業(Nidec Industrial Solutions)に属する日

本電産 ASI 株式会社(Nidec ASI S.p.A.、以下 NASI、イタリア国ミラノ)は、近い将来大きな成長市場

として期待される電気自動車市場の発展の一助となる、革新的なウルトラファストチャージャー(UFC、

超急速充電システム)を開発しました。この製品は充電スタンドと国内配電網の間に設置する新システ

ムで、世界最高クラスの充電速度で充電時間を短縮するとともに配電網への負荷を低減します。


既に一部の国や市場、特に都市部において電気自動車はエネルギー革新を実現する持続可能な移動手

段として普及しつつありますが、地方を含めた本格的な普及には、充電システムのインフラ整備は重要

なポイントのひとつです。今回 NASI が開発したウルトラファストチャージャーは、充電スタンドから

の増大するエネルギー需要に応えるとともに、配電網の安定性を最大限に維持する最新ソリューション

です。


ウルトラファストチャージャーは、既存配電網と充電スタンド間の“緩衝機能”として作動する、最

新式電力制御システムと 160kWh の蓄電池を搭載したシステムです。低・中圧の既存配電網と接続でき、

320kW で車輛へ充電しても電力網には僅か 50kW の負荷しかかけず、配電網の 6 倍を超える電力を供給す

る事が出来ます。これにより、15 分以下で標準的な新世代電気自動車のバッテリーを 80%まで充電し

500km の走行を可能にします。さらに、2 台同時充電や 1 台ずつの 3 連続充電ができ、効率性は 95%と

充電時のロスは最小限に抑えられています。システムのサイズが 2.48m3 と小型であることも、電気自動

車市場の拡大にとって好条件であるといえます。NASI の充電システムは、配電網からも、また太陽光な




どの再生エネルギー源からも電力を供給できます。加えて、電気自動車への充電だけでなく、配電網へ

の電気供給者(Vehicle-to-grid、略して V2G)にもなり得るといった双方向利用も可能です。


NASI は 160 年余りに亘る社歴において、電力エネルギー分野でノウハウの蓄積を重ねており、全世界

で 500MWh 以上の納入実績がある蓄電システム(Battery Energy Storage System、略して BESS)分野に

おいて市場のリーダーです。今般、電力管理における幅広い知識・ノウハウを駆使して、電気自動車充

電における配電網を安定維持できるソリューションを開発することに成功しました。これにより、今後

電気自動車が更に普及した時にも停電になるリスクを減らすことができます。当社はトラクションモー

タなど電気自動車のキーデバイスの開発に注力していますが、今後この分野でも取組みを強化していく

方針です。




NASI のウルトラファストチャージャー(超急速充電システム)



以上





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