スラリーキャスト石英ガラス(SSG)への微細孔(Φ50μm)加工技術を確立

News Release(新技術)
2023 年 5 月 31 日


各 位
湖北工業株式会社
滋賀県長浜市高月町高月 1623 番地
(コード番号:6524)




スラリーキャスト石英ガラス(SSG®)への微細孔(Φ50μm)加工技術を確立

半導体製造プロセス、金属の特殊な性質を引き出す加工技術など

様々な産業用途への応用展開に期待


湖北工業株式会社(本社:滋賀県長浜市、代表取締役社長 石井 太)はこのほど、高純度石英ガラス製品の製
造技術SSG®(スラリーキャスト石英ガラス, Slurry cast Silica Glass)を用いて、ドリルやレーザーでは加工が困難な極
細穴を開ける技術を確立しました。
これにより、穴径、穴配置の精度の優れたプリフォーム等の石英部品を製作することが可能になります。また、SSG®
は、合成石英相当の純度を有するため、半導体製造プロセス技術、金属の特殊な性質を引き出す加工技術など、高い融
点を持つ石英の特長を生かした様々な産業用途向への応用展開が期待されます。


高純度石英ガラスは一般的な透明ガラスに比較して耐食性・耐熱性に優れ、医療用検査機、半導体製造装置、工業
用製品などで使用されていますが、一般的なガラス製品と比較して加工が難しく微細な形状や複雑な形状の成形が困難な
為、その用途が限られていました。 今回のΦ50 ㎛の微細孔加工技術は、従来に比較して柔軟に複雑な形状の成形が可
能な、独自のスラリーキャスト法を用いてプリフォーム技術を用いたもので、高純度石英ガラスの「高純度」「高安定性」といった
特長を生かして、従来実現できなかった様々な応用分野への展開が可能と考えられます。


なお、この新技術については、2023 年 5 月 31 日~6 月 2 日に東京ビックサイトで開催される展示会「interOpto
2023(インターオプト)」にて、試作品の展示を行います。


<SSG®を用いて製作した石英部品の事例>




(Φ50 ㎛の微細孔加工を施したプリフォーム) (Φ50 ㎛の微細孔 拡大)


SSG®(スラリーキャスト石英ガラス, Slurry cast Silica Glass)について
※SSG®:SSG は湖北工業㈱の登録商標です。
SSG®は、湖北工業が確立した高純度石英ガラス製品です。石英粉末と添加物を混合し液状の石英(スラリー)を
作製、これを金型にて常温で成型を行い、焼結によりガラス化。出来上がった素材は合成石英相当の純度と物性を有しま
す。形状の自由度が極めて高いといった利点を持ち、従来の切削加工等では困難な複雑形状の高純度石英ガラス製品を
実現することができます。


プリフォーム技術の関連特許の出願
SSG®で作製した極細穴を有する素子(キャピラリ)を用いて、従来の測定素子では正確に測定困難な、塩素などの反
応性ガス雰囲気の加熱炉内の温度分布を測定する手法を特許出願しました。


interOpto2023(インターオプト)について
interOpto 2023(インターオプト)は、一般財団法人 光産業技術振興協会が主催する、電子機器トータルソリューシ
ョン展で 2023 年 5 月 31 日~6 月 2 日に東京ビックサイトにて開催されます。


<湖北工業株式会社の概要>
湖北工業株式会社は、1959 年にアルミ電解コンデンサのリード端子製造メーカーとして創業、その後 2000 年に光部
品・デバイス事業に進出しました。現在では売上のうちリード端子事業が 53%、光部品・デバイス事業が 47%の構成となっ
ています。光部品・デバイス事業において、海底ケーブル向け光アイソレータ市場で市場シェア 50%を有し、この分野におけ
るリーディングカンパニーとなっています。また第三の成長事業としてスラリーキャスト法を用いて特殊形状のプリフォームを可能
にした高純度石英ガラス事業の事業化を進めています。

以 上




<この件に関するお問い合わせ先>
湖北工業株式会社 広報・IR 室
TEL:(0749)85-3211、E-Mail:ir@kohokukogyo.co.jp



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