新製品「フィルム型高感度ひずみゲージ」の開発に成功~従来比500%以上の高感度化、約1/10以下の小型化を達成!~

2017 年 10 月 12 日
各 位
会 社 名 ミネベアミツミ株式会社
代表者名 代表取締役 会長兼社長執行役員
貝沼 由久
(コード番号 6479 東証第1部)
問合せ先 広報室長
石川 尊之
( T E L 0 3 - 6 7 5 8 - 6 7 0 3 )

新製品「フィルム型高感度ひずみゲージ」の開発に成功
~従来比 500%以上の高感度化、約 1/10 以下の小型化を達成!~

ミネベアミツミ株式会社(以下ミネベアミツミ)は、新製品「フィルム型高感度ひずみゲージ」を開発いたし
ました。ミネベアミツミは、従来から「ひずみゲージ*1」を用いた荷重ならびにフォースセンサーにおいて業界
トップレベルのシェアを誇っておりました。このたび、15 年間にわたる研究開発の結果、世界に先駆けて
フィルム型高感度ひずみゲージの開発に成功いたしました。新ゲージは、材料となる金属抵抗体材料に独自の製
作方法を適用することで、高感度化(従来比 500%以上)かつ、小型化(従来比 1/10 以下)を達成いたしました。
き わいたい
ひずみゲージは、起歪体(金属など)に貼り付けて使用されており、貼り付ける起歪体については、センサー
特性を確保するために材料選定に設計的な制限を受けていました。今回開発した新ゲージは、高感度特性を
有しており、この設計的な制限を大幅に緩和でき、貼り付ける起歪体の材料の自由度が高まります。
また、小型化により、今まで使用できなかった微細な測定箇所への設置も可能となります。さらに、フィルム
型ゲージであるため、小型だけではなく、大小さまざまなサイズに適用してフレキシブルなゲージを生産ならび
に供給できるようになります。

超精密なセンシングにより思い通りのインプットが可能に
新ゲージは、さらに小型化・多機能化が進むモバイル・ウェアラブル製品に対して、従来のスイッチとは
異なり、タッチした力の強さにより多段階のセンシングが可能で、1つのスイッチで多機能の切替ができます。
これにより、製品の小型化・省スペース化の実現に寄与できるようになります。また今後、市場が拡大するロボ
ティクスにおいても、指先のような微細な力や、職人の技のような繊細な手の動きをもセンシングし、人間の
動きに近いなめらかな動作を実現するための感触センサーへの応用も期待できます。将来的には車載用途等に
おいても、お客様の設計ニーズにフレキシブルに対応することが可能となります。
そのほかにも幅広い領域への用途拡大が期待され、IoT 時代のセンシングに大きく貢献します。

経営統合の技術シナジーを活かしたセンサーシステム
この新ゲージの開発と並行して、アナログデジタル変換回路を、旧ミツミ電機の半導体事業部で開発を進めて
おり、新ゲージ+変換回路=新ゲージセンサーシステムの提供も同時に進めてまいります。
これらは、旧ミネベアと旧ミツミ電機の技術シナジーの具体的な最初の新製品となります。

数百億円超の売上を見込む
今後、2017 年度中に量産体制を整え、2018 年 4 月より、サンプル出荷を開始する予定です。事業目標として
は、新市場の開拓、ならびに従来市場のシェアアップにより、数百億円超の売上が見込まれ、電子機器事業を
支える製品になると想定しております。

ミネベアミツミは IoT 時代に貢献するエレクトロ メカニクス ソリューションズ®*2 のプロバイダーとして
ベアリングに代表される超精密機械加工技術から、モーター、センサーや、半導体、無線技術に至るまで、幅
広い先端技術を組み合わせ、常識を超えた「違い」で新しい価値を作り出してまいります。

感度(従来比 500%以上) 小型化 (従来比 1/10)

出 0.3

新製品
m
0.2 従来品
V


2 0.1

V


1300 1320 1340 従来品(左)と新製品(右)ひずみゲージ単素子
0 0.1 0.2
時間 sec 1
ひずみゲージについて
ひずみゲージとは、荷重(力)およびトルクの変化を電気抵抗の変化で読み取り、そののち電気信号に変換
するセンサーです。ひずみゲージが貼り付けられた対象物に荷重(力)が加わると、対象物のひずみとともに
ひずみゲージが伸縮しゲージの電気抵抗値が変わり、その変化量を用いて荷重(力)として測定する仕組みです。

当社ひずみゲージは、特徴として質量が軽く、測定したい場所へ貼り付けることができるため、同様な測定
に用いる電子基板実装が必要な MEMS(Micro Electro Mechanical Systems、微小電気機械システム)
センサーなどに比べ、測定したい場所を直接測定できるメリットがあり、ひずみゲージを使用したセンサーでの
当社製品は高いシェアを有しています。

ひずみゲージは非常に小さく、質量が無視できるので、慣性の影響が無く、感度・安定性・疲労寿命に優れて
います。全品種が自己温度補償されており、金属、プラスチックを問わず、多様な熱膨張係数を持ったあらゆる
被測定物に対して使用できます。

従来ミネベアミツミは、標準的な増幅回路ならびにアナログデジタル変換回路等はラインナップにございませ
んでしたが、今回の新ゲージの開発とともに、旧ミツミ電機の半導体製品との技術シナジーにより、センサーの
信号処理として、AFE(Analog Front End)、ADC(Analog-to-Digital Converter)などの回路について、新
ゲージの特徴をいかしたアナログデジタル変換システムを標準品としてご提案します。これにより、従来に
比べてゲージとセンサーのチューニングが容易なセンサーシステムとしてご提供することが可能となり、IoT
時代に対応するフレキシブルなセンシングに貢献いたします。


<ひずみゲージの一般的な仕組み>




<アナログデジタル変換システム>


ひずみゲージ アナログデジタル マイコン
変換基板




荷重




<特許>

「高感度ひずみゲージセンサー」の構造や製造方法について 40 件の特許を出願申請しています。


*1 荷重(力)およびトルクの変化を電気抵抗の変化で読み取り、そののち電気信号に変換するセンサー

*2 エレクトロメカニクスソリューションズは、ミネベアミツミ株式会社の登録商標です。登録番号は 5863395 号です。

報道関係お問い合わせ先:
ミネベアミツミ株式会社 広報室 Phone:03-6758-6703 Fax 03-6758-6718


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