ケンブリッジ大学との共同研究が25周年

News Release GKN19NW019JA

2019 年 9 月 4 日


ケンブリッジ大学との共同研究が 25 周年

株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長:北村精男)が、英国ケンブリッジ
大学と行っている圧入工法に関する産学連携共同研究が本年 8 月をもって 25 周年を迎
えました。


当社では、圧入する杭と地盤の相互メカニズムをより高いレベルの実験・分析技術によっ
て解明するため、1994 年から英国ケンブリッジ大学と共同研究プロジェクトを継続してい
ます。毎年夏に数名の学部学生を高知本社に受け入れ、フルスケールでの実証実験により理
論と実践を融合させる機会を提供しています。


本プロジェクトにはこれまで 28 名の学生が参加し、その中から 5 名が圧入研究による博
士号を取得しています。発表した論文の数は 50 編以上となり、環境、機械、施工、地盤と
いった圧入に関連する諸分野を融合する「圧入工学」発展の基礎となっています。加えて
「回転圧入による地盤抵抗低減」
(2010-2011)「インプラント堤防の津波に対する粘り強

さの実証」(2015-2016) 「ウォータージェット併用圧入時の圧入力の低減効果」
、 (2017-
2018)など、多くの研究成果が当社の製品開発にも還元されています。


今年のテーマは「圧入された鋼矢板の支持力特性に関する実物大実験」で、7 月 8 日
~8 月 2 日の日程で高知本社テストフィールドにて共同実験を行いました。近年、鋼矢
板の本設利用は増えつつありますが、その設計法はまだ十分に確立されておらず、本設
利用を普及させるためには、鋼矢板の支持力特性に関する実験結果を蓄積していく必要
があります。そこで今回は、自社開発した大型土層内に作成した砂地盤に鋼矢板を圧入
したのち、垂直載荷試験と水平載荷試験を 4 パターン実施、圧入した鋼矢板の支持力特
性とメカニズムの把握を行いました。今後、実験データの分析を進めながら、2020 年 7
月には論文として発表する予定となっています。


当社では今後も世界各国の研究者・学生との産学連携を推進し、
「圧入工学」の発展を担う
人材の育成と圧入工法に関わる科学的データの収集・蓄積を行い、言語や文化を超えた圧入
工法の優位性のさらなる認知拡大に努めていきます。
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■今年の共同研究の様子




今年はケンブリッジ大学のエン
ジニアリング学部より、2 年生
のフロス・ウィルコックスさん
(写真左から 3 番目)と 3 年生
のティモ・ジョンさん(写真中
央)が来高しました。
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■これまでのケンブリッジ大学との共同研究のテーマ一覧


年 テーマ

1994-1995 圧力球根・現場調査
1996-1997 ウォータージェットの効果
1997-1998 圧力球根の解明
1998-1999 圧入力と杭形状/スピード
1999-2000 閉塞強度測定
2000-2001 フリクションカット,歪測定
2001-2002 圧入力と極限支持力
2002-2003 圧入群杭の優位性,振動測定,経年変化
2003-2004 圧入群杭の載荷試験
2004-2005 杭の貫入抵抗力
2005-2006 杭の貫入抵抗力,閉塞と支持力
2006-2007 引抜力増大のメカニズム
2007-2008 杭の貫入抵抗力,水圧消散と支持力
2008-2009 圧入中の閉塞
2009-2010 打抜の効果/矢板を用いたサンプリング
2010-2011 回転圧入による地盤抵抗低減
2011-2012 圧入杭周辺地盤内の水圧変化の空間分布
2012-2013 砂地盤での回転圧入中の摩擦の低減
2013-2014 鋼矢板連続壁の性能
2014-2015 密な砂地盤での回転圧入中の水締めメカニズム
2015-2016 インプラント堤防の津波に対する粘り強さの実証
2016-2017 底板改良あり/なしの鋼矢板矩形ピットの設計と施工
2017-2018 ウォータージェット併用圧入時の圧入力の低減効果
2018-2019 回転切削圧入時の閉塞現象の可視化
2019-2020 圧入された鋼矢板の支持力特性に関する実物大実験




お問い合わせ先:

株式会社 技研製作所 経営戦略部 情報企画課

TEL:088-846-6783(平日 8:00~17:00) E-mail:info_plan@giken.com
【高知本社】高知県高知市布師田 3948 番地 1

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