物流業界の人手不足の課題を解消しラストワンマイル配送を担う、日本発の量産型物流専用ドローン「AirTruck」の受注開始

2022 年 3 月 17 日
株式会社ACSL
株式会社エアロネクスト


物流業界の人手不足の課題を解消しラストワンマイル配送を担う
日本発の量産型物流専用ドローン「AirTruck」の受注開始
‐3/22(火)開催の「新スマート物流シンポジウム」にて新機体公開!‐


株式会社ACSL (本社:東京都江戸川区、代表取締役社長 兼 COO:鷲谷聡之、以下「ACSL」)
と株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役 CEO:田路圭輔、以下エアロネクスト)は、
2020 年 8 月に締結した 4D GRAVITY 🄬ライセンス契約に基づき、物流に特化した 4D GRAVITY®︎搭載の用
途特化型ドローンの開発を共同で進めており、2021 年 3 月には最新試作機を発表しておりました。この
度、ペイロード 5kg のスペックを持ち、Level3(無人地帯における目視外飛行)による物流実証実験を
重ねて改良してきた、新物流専用ドローン「AirTruck」の受注を開始いたします。物流専用ドローンの量
産は日本初となります。
3/22(火)に開催される自治体向けイベント「デジタル田園都市国家構想を実現する 新スマート物流
シンポジウム」にて初公開予定です。
両社は、物流専用ドローンである AirTruck が、現在の物流の主流であるトラックと組み合わせること
で物流業界が抱える人手不足を解消し、過疎や高齢化が進む地域においても、サービスや品物の受け取り
手である人が好きなものを好きな時に手に入れられる社会を実現していく、ラストワンマイル配送の一
翼を担うことを目指します。




新物流専用ドローン AirTruck
■開発背景
全国的な人口の減少や少子高齢化、過疎化の影響により、流通機能や交通網の弱体化とともに買物環境
が悪化し、食料品等の日常の買物が困難な状況に置かれる買物弱者が増加しています※。買物弱者に対す
る対策として、宅配業者等により家まで届けるという方法がありますが、物流業界における人手不足も顕
在化しているのが現状です。そのようなラストワンマイル配送の課題を解決するため、政府や自治体にお
いてはドローンをはじめとしたデジタルやテクノロジーを活用する取り組みが積極的に進められていま
す。※総務省「買物弱者対策に関する実態調査」



ACSLは 2022 年 1 月 28 日に中期経営方針「ACSL Accelerate FY22」を公表※1 し、航空法改正に伴
う有人地帯上空における目視外飛行(Level 4)の緩和や免許制度などの整備が進む中で、
「持続可能なグロ
ーバル・メーカーへ」変遷すべく、Level4 に対応した物流機体を含めた 4 つの用途特化型機体の量産化
と社会実装事業を戦略の 1 つとして推進しています。
エアロネクストは、これまで独自の機体構造設計技術 4D GRAVITY®︎※2 をコアに様々な産業用ドローン
の研究開発を重ねてきましたが、その中でも物流領域には特に力を入れ、専用機体の開発に取り組んでい
ます。さらに、ドローン配送サービスを主事業とする戦略子会社を設立し、山梨県小菅村を皮切りに、北
海道上士幌町、福井県敦賀市等において、地域物流の効率化、活性化を実現すべく陸上配送とドローン配
送をつなぎこんだ新スマート物流の構築に向けて実施した実証実験にてACSLと共同開発した物流専
用ドローンの試作機の技術検証を進め、性能面や運用面を着実に改善してまいりました。


Level4 に対応した物流機体の開発のためには、安定性・効率性・機動性を向上させた機体を開発し、
Level3 環境で実証実験を重ね改良していくことが不可欠となります。
AirTruck は、ドローンの基本性能を向上させるエアロネクストの機体構造設計技術 4D GRAVITY®︎を搭
載することで、飛行速度・飛行距離・配送可能重量・配送品質のレベルアップを実現しました。そして、
これまでに山梨県小菅村、北海道上士幌町などにおける計 466 回の実証実験と、計 1,730km の距離を飛
行した実績がこの度の新機体開発の成功に結び付きました。
そして両社は、これまでの実証実験から、AirTruck がラストワンマイル配送における物流業界の課題
を解決し、その地域に住む人にとって必要不可欠な存在になることを確信し、量産化に至りました。


■製品名について
現在の物流を支えているのは物流専用車両であるトラックです。
AirTruck は、空という無限の可能性が広がる空間における新たな物
流を構築する専用ドローンとして、既存の物流専用車両であるトラ
AirTruck ロゴ
ックと調和していくことを願い、名付けました。


■機体の特徴
1. 4D GRAVITY®︎による重心制御技術で、荷物の揺れを抑え
つつ安定した飛行を実現
2. 空力シミュレーションや風洞実験を通した空力最適化で、
高い飛行性能を実現
3. LTE 通信や FPV カメラなどを搭載し、Level3(無人地帯
における目視外飛行)を遠隔操縦で実施可能
4. ACSLの従来機体(ACSL-PF2)と比べ、ペイロードが
3kg 弱から 5kg へと拡大
5. 上から簡単に荷物を搭載する方式など、利用者が分かりや
AirTruck 機体
すく扱える UX 設計
プロペラ展開時の全長は 1.7m×1.5m




■機体概要
製品名 AirTruck(エアートラック)
全長 展開時:1.7m×1.5m
収納時:1.0m×1.5m
高さ 0.44m
機体重量 10kg
最大離陸重量 25kg
ペイロード 5㎏
最大飛行速度 10m/s
最大飛行時間 約 50 分
最大飛行距離 20 ㎞
最大上昇・下降速度 上昇:3m/s 下降:2.5m/s
ホバリング精度 水平方向:±2.0m/s 垂直方向:±1.5m/s
最大通信距離 LTE 電波圏内において制限なし
※販売時に変更となる可能性があります。


■パートナー・コメント
北海道 上士幌町長 竹中 貢
少子高齢化が進む上士幌町において本機体は既に実証実績があります。ドローン物流は食料品等へのア
クセスが困難な買物弱者に対して、持続可能な豊かな生活を送るために必要不可欠になると確信してお
ります。


セイノーホールディングス株式会社 執行役員 河合 秀治
物流業界における人手不足は、社会インフラの持続可能性の観点からリスクが顕在化しています。この機
体は物流専用機として安定的な稼働を期待でき、業界の省人化、無人化を進める上で有力な新技術だと捉
えています。当社をはじめとして、業界全体において全国で利用されることになると思います。


KDDI 株式会社 事業創造本部 ビジネス開発部 ドローン事業推進Gリーダー 博野 雅文
ドローンの社会実装に向けては、ドローン本体の性能、信頼性や適応性は重要な要素であると考えており
ます。AirTruck は、当社が提供するスマートドローンツールズ※3 と組み合わせることで、より多くの物
流ユースケースに適用することが可能になると確信しております。


※1 中期経営方針「ACSL Accelerate FY22」
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6232/tdnet/2073279/00.pdf


※2 4D GRAVITY®︎※2
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗
力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった
産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体


構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化して 4D GRAVITY®︎特許ポートフォリオとして管理
している。4D GRAVITY®︎による基本性能の向上により、産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用
の可能性も広がる。


※3 スマートドローンツールズ:https://smartdrone.kddi.com/tools/
ドローンの遠隔自律飛行に必要な運航管理システム/モバイル通信/クラウドをまとめた「4G LTE パッケ
ージ」に、お客さまの利用シーンに合った「オプション」を組み合わせてご利用いただけます。なお、ス
マートドローンツールズは、KDDI スマートドローン株式会社 (所在地:東京都港区、代表取締役社長:博
野 雅文、2022 年 4 月 1 日就任予定) が、2022 年 4 月 1 日付で KDDI のドローン事業を承継し、提供し
ます。
2022 年 1 月 28 日ニュースリリース
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2022/01/28/5844.html


【株式会社ACSLについて】 https://www.acsl.co.jp/
ACSLは、産業分野における既存業務の省人化・無人化を実現すべく、 国産の産業用ドローンの開発
を行っており、特に、画像処理・AI のエッジコンピューティング技術を搭載した最先端の自律制御技術
と、同技術が搭載された産業用ドローンを提供しています。既にインフラ点検や郵便・ 物流、防災など
の様々な分野で採用されています。


【株式会社エアロネクストについて】https://aeronext.co.jp/company/
IP 経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、
「Design the sky through technology」を使命として、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドロー
ンで社会課題を解決する世界を生み出すために、テクノロジーで空を設計する会社です。コアテクノロジ
ーは、機体重心を最適化することで産業用ドローンの安定性、効率性、機動性といった基本性能を向上さ
せる、独自の構造設計技術 4D GRAVITY®︎。この 4D GRAVITY®︎を産業用ドローンに標準搭載するため強
固な特許ポートフォリオを構成し、4D GRAVITY®︎ライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフ
ォームビジネスをグローバルに推進しています。また、ドローンを活用した新スマート物流 SkyHub®︎の
実現のために戦略子会社を設立し、ドローン配送サービスの社会実装にも主体的に取り組んでいます。


【このニュースリリースへのお問い合わせ】
株式会社ACSL 担当:廣嶼(ひろしま)
Tel: 03-6661-3870 Email: sales@acsl.co.jp
株式会社エアロネクスト 担当:伊東
Tel: 03- 6455-0626 Email: info@aeronext.com


以 上





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