株式会社コア、株式会社ACSL、楽天グループ株式会社、ドローン配送におけるアンチGNSSスプーフィングの実証実験に成功

2024 年2月 20 日
各 位
会 社 名 株式会社ACSL
代表者名 代表取締役CEO 鷲谷 聡之
(コード番号:6232 グロース)
問合せ先 取締役CFO 早川 研介
(TEL.03-6456-0931)




ドローン配送におけるアンチ GNSS スプーフィングの実証実験の成功に関するお知らせ

当社は、内閣府「2023 年度みちびきを利用した実証事業」に株式会社コアが応募し、採択された、準天
頂衛星システムみちびきの信号認証サービスに対応した国産ドローンの開発に向けて、アンチ GNSS スプ
ーフィングの実証実験を、株式会社コア(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長執行役員 松浪 正信)

楽天グループ株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長 三木谷浩史)と共同で実施し、成
功しましたので、お知らせします。


(添付)株式会社コア、株式会社ACSL、楽天グループ株式会社、ドローン配送におけるアンチ
GNSS スプーフィングの実証実験に成功


以 上
News Release

2024 年 2 月 20 日
株式会社コア
株式会社ACSL
楽天グループ株式会社
内閣府「2023 年度みちびきを利用した実証事業」
株式会社コア、株式会社ACSL、楽天グループ株式会社、
ドローン配送におけるアンチ GNSS スプーフィングの実証実験に成功
世界初の信号認証サービスに対応したドローンをコアとACSLが共同で開発




秩父市大滝総合支所での実証実験の様子


株式会社ACSL(本社:東京都江戸川区、代表取締役 CEO 鷲谷 聡之、以下「ACSL」
)は、内閣府「2023
年度みちびきを利用した実証事業」
(以下「本実証」)に株式会社コアが応募し、採択された、準天頂衛星システ
ムみちびきの信号認証サービス(以下「本サービス」
)に対応した国産ドローンの開発に向けて、アンチ GNSS
スプーフィングの実証実験(以下「本実証実験」
)を、株式会社コア(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長執
行役員 松浪 正信、以下「コア」という。、楽天グループ株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼

社長 三木谷浩史、以下「楽天」
)と共同で実施し、成功したことをお知らせします。


現在、効率化や安全性向上等への対策として、自動運転やドローンの自律飛行技術が普及しています。これら
の技術では、機体が自己位置を取得するために GNSS(全地球航法衛星システム、Global Navigation Satellite
System)が広く利用されていますが、GNSS 受信機の位置を狂わせ、ドローンや自動車等を本来とは違うルート
に誘導する GNSS スプーフィング(なりすまし)技術が大きな脅威となっています。


このような背景を受け、コアが開発した本サービス対応の受信機「Cohac∞ Ten++」をACSLの国産ドロー
ン「PF2-AE Delivery」に搭載し、世界初となる衛星からの信号認証サービスに対応したドローン「ChronoSky


PF2-AE」を開発しました(注)
。本実証実験では、ドローン配送サービスの提供実績のある楽天が、埼玉県秩父
市大滝地域で GNSS スプーフィングの影響下において、このたび開発したドローンを活用した救援物資の配送
を行うという想定で実施しました。本実証実験の結果として、みちびきの信号認証に対応し、正しく GNSS スプ
ーフィングを検知・遮断・通知したことを確認しています。


(注) コア調べ(2024 年 2 月 20 日時点)



1.実証実験の背景と目的
セキュリティ対策が求められる GNSS
自動運転やドローンの自律飛行技術が普及する中、GNSS スプーフィング技術は大きな脅威となります。
GNSS スプーフィング対策として、みちびきでは 2024 年度に信号認証サービスの導入を予定しています。本
サービスを利用することで、みちびきから配信される電子署名情報と受信機が予め保有する公開鍵を利用し、
衛星からの正常な信号かどうかを判別することにより、妨害信号を遮断することができます。自国の衛星であ
るみちびきを活用した他国に依存することのない GNSS 信号のセキュリティ対策の確立は、今後の自動運転や
自立飛行技術の普及にとって重要な取り組みとなります。


2.実証実験の概要
実証内容
本実証実験では、災害によって道路が寸断された場合における、ドローンによる救援物資の配送を想定して
実施しました。以下の2点について実証および確認を行っています。


(1) 自動航行が可能なレベルの GNSS スプーフィング環境下において、スプーフィング信号を遮断するとと
もに、ドローン操縦者にスプーフィングを受けていることを即時に通知したうえで、ドローンの自動航
行を継続し、荷物を無事に運ぶ。




荷物を受け取る様子


(2) 自動航行が不可能なレベルの GNSS スプーフィング環境下において、スプーフィング信号を遮断すると
ともに、ドローン操縦者にスプーフィングを受けていることを即時に通知したうえで、手動運転に切り
替えて安全に着陸する。





ドローン操縦者へ通知がおこなわれている様子
想定状況




(1) 道の駅大滝温泉で食料や衛生用品といった救援物資をドローンへ積み込み、秩父市大滝総合支所へ自動航
行で荷物を配送している途中、GNSS スプーフィング攻撃を受けるも、スプーフィング信号を遮断し、ス
プーフィングを受けていること、およびスプーフィング対象衛星数が少なく自動測位が可能であることを
Ground Control Station(注)へ即座に通知。自動航行を継続し、荷物を大滝総合支所で切り離して、道の
駅大滝温泉へ無事に戻れるかを検証。
(2) 道の駅大滝温泉で食料や衛生用品といった救援物資をドローンへ積み込み、秩父市大滝総合支所へ自動航
行で荷物を配送している途中、GNSS スプーフィング攻撃を受けるも、スプーフィング信号を遮断し、ス
プーフィングを受けていること、スプーフィング対象衛星数が多く測位が不可能であることを Ground
Control Station へ即座に通知。操縦者が手動運転に切り替えて安全に着陸できるかを検証。


(注)ドローンを地上からコントロールするためのシステム。





※屋外で GNSS の妨害信号を放射することは電波法に抵触するため、当日の実証実験では妨害信号は放射せ
ず、疑似的にスプーフィングを受けた環境を構築してドローンを航行しました。実際の妨害信号による動
作については、実証実験の当日デモにて有線により受信機にスプーフィング信号を送信したうえで、正し
くスプーフィングの検知 遮断を行い、
・ 正常な衛星信号のみを用いて測位ができることを確認しています。




GNSS スプーフィング有線実証実験の様子


ディスプレイ左図:
「Cohac∞ Ten++」を使用した場合の測位結果図
スプーフィング信号の検知・遮断を行い、正しい位置を示す
ディスプレイ右図:スプーフィング検知・遮断機能の無い GNSS 受信機を使用した場合の測位結果図
スプーフィング信号によって、誤った位置を示す





今後について
本実証実験は、ドローンの物流利用を想定して実施していますが、ドローンに限らず、自動運転技術が普
及しはじめている昨今においては、自動車や船舶の自動運転でも安全性を高めることがより重要視されてき
ています。本実証実験により、本サービスの優位性と安全な自動運転の実現への第一歩を示すことができま
した。今後も便利で安心安全な自動運転社会の実現に向けて貢献してまいります。


「みちびきを利用した実証事業」について
「みちびきを利用した実証事業」に関する詳細は以下をご参照ください。
https://qzss.go.jp/ex-demo/index.html


「Cohac∞ Ten++」について
本ドローンで使用している信号認証サービス対応受信機「Cohac∞ Ten++」の詳細は以下をご参照下さい。
https://www.core.co.jp/service/industrial/gnss/receiver/tenplusplus


■株式会社コアについて
1969 年創業の東証プライム市場上場企業。ソーシャル・ソリューションメーカーとして ICT で社会課題を解決
し、価値を共創する企業として SX の実現に取り組んでいます。https://www.core.co.jp

■株式会社ACSLについて
所在地:東京都江戸川区臨海町 3-6-4 ヒューリック葛西臨海ビル 2 階
代表:代表取締役 CEO 鷲谷 聡之
設立:2013 年 11 月
事業内容:産業分野における既存業務の省人化・無人化を実現すべく、国産の産業用ドローンの開発を行ってお
り、特に、画像処理・AI のエッジコンピューティング技術を搭載した最先端の自律制御技術と、同技
術が搭載された産業用ドローンを提供しています。既にインフラ点検や郵便・物流、防災などの様々な
分野で採用されています。https://www.acsl.co.jp/

■楽天グループ株式会社について
所在地:東京都世田谷区玉川一丁目 14 番 1 号 楽天クリムゾンハウス
代表:代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史
設立:1997 年 2 月
事業内容:楽天は、コマース、デジタルコンテンツ、広告などのインターネットサービス、クレジットカード、銀
行、証券、保険、スマホアプリ決済といったフィンテックサービス、携帯キャリア事業などのモバイル
サービス、さらにプロスポーツといった多岐にわたる分野で 70 以上のサービスを提供しています。
無人ソリューション事業は、ドライバー不足やインターネットショッピングの急成長による宅配便の取
り扱い個数の増加といった物流課題の改善に貢献すべく、2016 年に立ち上がりました。ドローンによ
る点検や配送、パイロット育成のスクールなどを事業として行いながら、2018 年からは自動配送ロボ
ット(UGV:Unmanned Ground Vehicle)の活用にも取り組み、新たな物流の仕組みを模索し続けて
います。
https://corp.rakuten.co.jp/





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