再生医療製品の普及に向けた国際間細胞輸送実験に成功

2016年4月 28 日

日本エマージェンシーアシスタンス株式会社 株式会社セルキューブ


再生医療製品の普及に向けた
国際間細胞輸送実験に成功
日本は既に高齢化社会を迎えており人口における老年人口の割合が 2024 年には 30%以
上に達するとのレポートも公表されています。そして高齢者の増加と併せて、心臓機能が
低下した状態である心不全の罹患者が年々増加しており、2035 年に 264 万人を超えピーク
を迎える見込みです*1。心不全は、心臓機能の重症度に応じて治療法が選択されており、重
症度の低い多くの患者さんは薬物療法で治療を行われます。しかし、重症度が高くなると
人工心臓の埋め込みや心臓移植などの外科的手術が必要となり、患者さんの肉体的負担も
増大します。特に心臓移植ではドナー不足の問題や、術後管理の難しさもありすべての患
者さんへ十分な治療が提供されてはいない状況です。


国立大学法人大阪大学は国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構との共同
研究で、心不全患者自身の細胞組織由来の心筋機能を補完する再生医療製品である骨格筋
芽細胞シートを開発しました。世界に先駆けて日本で開発された、この再生医療製品は海
外でも高く評価されていますが、海外での臨床応用にはまだ至っていません。


今回、日本エマージェンシーアシスタンス株式会社(以下 EAJ)および株式会社セルキ
ューブ(以下セルキューブ)は、骨格筋芽細胞シートが海外の患者さんに適用される際に
重要になる海外~日本間の国際間細胞輸送をカタール国と日本の間でラットの筋組織を使
用して実施しました。その後、日本国内でラット筋組織内における細胞生存確認試験を経
て、航空機での長時間移動という過酷な環境下においても組織内の筋芽細胞に重大な影響
を与えないことが確認されました。


本実験結果について、骨格筋芽細胞シートを開発した大阪大学大学院医学系研究科 心臓
血管外科 澤芳樹教授は、“現在重度の心不全に罹っている世界中の患者さんに、新たな選
択肢を提供できる可能性に繋がる重要な結果である”とし、今後の国際間輸送を伴う臨床
試験の実施についても期待感を示されました。


EAJ およびセルキューブは、今後も骨格筋芽細胞シートの海外への普及を目指し、海外
での当技術の紹介と共に各種試験実施をサポートしてまいります。
*1:Okura Y, et al. Circ J. 2008; 72: 489-91.
日本エマージェンシーアシスタンス株式会社について
EAJ は、
「アシスタンスでお客様の世界を広げる」ことをミッションとし、国内外での医療
機関手配・緊急医療搬送等の医療アシスタンスサービス及びカード会社会員向けコンシェ
ルジュサービスを提供する企業です。そして同ミッションのもと、今回のような日本の高
度医療輸出のアレンジやコンサルティング事業、外国人に日本の高度医療を紹介するイン
バウンド事業など日本の「医療の国際展開」を支援する活動にも力を入れております。
詳細はホームページをご覧ください。https://emergency.co.jp/


株式会社セルキューブについて
セルキューブは、再生医療及び先端医療の実用化と事業化を目的に、大阪大学発ベンチャ
ー企業として設立されており、大学大学院医学系研究科での再生・先端医療の研究開発シ
ーズ事業化プラットフォームとして活動しております。研究開発シーズの事業化に焦点を
合わせた企業活動を行うため、大阪大学と当社での役割分担を明確化し、双方のリソース
を効果的に活用することにより、再生・先端医療技術の事業化を効率よく実現することを
経営方針としています。詳細はホームページをご覧ください。http://www.cellcube.jp/




本件に関するお問合せ先
日本エマージェンシーアシスタンス株式会社
管理部 IR室
電話:03-3811-8121


以上

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