LEX-ZEROで3Dプリンターを用いた3D積層造形に成功

平成29年10月25日


日本鋳造株式会社
代表者 代表取締役社長 鷲尾 勝
(コード番号5609)



熱膨張ゼロ合金『LEX-ZERO』で3Dプリンターを用いた
『3D積層造形』に成功
1.新技術
・熱膨張ゼロ合金『LEX-ZERO』を使用した、3Dプリンターによる積層造形に成功しました。
今後、本格的な販売開始に向けて開発を進めてまいります。


2.機能及び特徴
・合金素材の3D造形が可能となったことにより、
・複雑な内部構造の造形が可能
・薄肉・軽量化
・製品開発サイクルの短縮
・鋳型模型不要
等の実現が可能となりました。


3.開発背景及び用途
現在、先端産業を始めとする各種産業においては、装置・機器類に対する高精度化要求が急速に高まっており、
弊社製品『LEX Series』は、材料の熱変形に起因する精度誤差を解消することができることから、これら分野に
おいて多くの実績があります。
しかしながら、鋳物では「形状制限」、「短納期化」等の問題が出る場合がありました。
今回、この『LEX-ZERO』の3D造形が可能になったことにより、上記問題へ対応が可能となります。
今後は、各種分野の構造部材・部品として幅広い利用が見込まれます。


『LEX-ZERO』とは
・『LEX-ZERO』は「熱膨張ゼロ」※1 の画期的な合金材料です。
※1 (熱膨張ゼロとは): 0℃~100℃の温度領域で熱膨張がほとんどない特性を表現しております。

・当社の高度な製鋼・精錬技術を駆使する事により、上記合金鋳造品を工業的規模で製造する事ができます。
・グラムサイズ(超小物)からトンサイズ(超大物)までの鋳鋼品(受注品)の製造及びブロック材(在庫品)での対応が可能です。
・十分な機械加工性及び良好な表面処理性を有しております。




〈本記事に関するお問い合わせ先〉http://www.nipponchuzo.co.jp/inquiry/
日本鋳造株式会社〒210-9567 川崎市川崎区白石町2番1号
素形材事業部TEL:044-322-3756 FAX:044-355-0870
(参考資料)


図1金属材料の熱膨張係数比較
10~40℃の平均熱膨張係数




『LEX-ZERO』の熱膨張係数は、極低熱膨張合金のスーパーインバー材と比較しても 1/3 以下の数値となっており、
これまで金属系では存在しなかった究極の低熱膨張性を実現しております。


図2当社低熱膨張材との熱膨張曲線の比較



LEX-IF1


LEX-SF1




LEX-ZERO




(α=10~40℃,平均熱膨張係数)

レーザー熱膨張計で熱膨張係数を測定した結果です。
当社低熱膨張材 LEX-SF1、LEX-IF1は温度の上昇に伴いわずかに長さの変化が見られますが、
『LEX-ZERO』は 0~100℃でほとんど長さの変化が見られません。

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