希代のシナジー『進化認知科学×音環境分析×IT』で生物多様性保護に貢献 トリの交流計測・分析システム「Dormi-Tori」開発に着手

プレスリリース

ハイラブル株式会社
国立大学法人東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属進化認知科学研究センター
株式会社フォーカスシステムズ
2022 年3月 23 日


希代のシナジー『進化認知科学×音環境分析×IT』で生物多様性保護に貢献

トリの交流計測・分析システム「Dormi-Tori」開発に着手
ハイラブル株式会社(東京都豊島区、代表取締役:水本武志、以下「ハイラブル」、国立大学法人東京大

学大学院総合文化研究科・教養学部附属進化認知科学研究センター橘亮輔助教(以下「東京大学橘助教」、

株式会社フォーカスシステムズ(東京都品川区、代表取締役社長:森啓一、以下「フォーカスシステムズ」

は、トリのコミュニケーションに関する共同研究契約(以下「同研究」)に基づいて研究を進め、トリ
の交流計測・分析システム「Dormi-Tori*1」(ドミトリ、以下「同システム」)の開発を開始しました。
トリは、ヒトと同様に社会性を持ち高度な音声コミュニケーションを交わすことが知られています。
同研究は、同システムの開発・検証を通し、世界で半世紀以上前から研究されるも未だはっきりしな
い「トリの社会関係形成プロセス」の全貌を明らかにすることで、ヒトのコミュニケーションひいては
コミュニティ等への応用までを視野に入れるものです。
同研究では、東京大学橘助教がデータ分析を、ハイラブルが音環境分析を、フォーカスシステムズが
IT 支援を担います。なお、トリの音声収集にはハイラブルとフォーカスシステムズが共同開発する防
水機能付きマイクアレイ分析システム Hylable 🄬🄬*2 を使用し、その精度向上・機能拡張も目指す考えで
す。同システムを拡張し野生のトリたちに適用することで、トリたちがコミュニケーションを通じて営
む社会への理解が深まり、ヒトと生物が意思疎通できる未来への第一歩となり得ます。同システムの
技術発展を通じて、生物共生を実現する多様性保護ソリューション創出の可能性も見出します。


「 」が社会にもたらす新たな価値(イメージ)

生物間コミュニケーションの深化
(開発中)
トリ社会の構造解明・ヒトとの住みわけほか
❚トリのコミュニケーション解析
❚関係形成プロセスの可視化
❚パターン化・モデル化 ほか




関係形成の
分析・解析




(*1)社会性を持つ鳥たちがケージ内でのコミュニケーションを通して関係を構築していく過程を計測・分析するシステム。
なお、同研究では、東京大学岡ノ谷一夫教授に一部施設等協力を得ています。
(*2)ハイラブルとフォーカスシステムズが共同開発するグループワークの見える化システム。対面とオンラインの話し合いを定量的に分析し、
見える化できるのが特長で教育・研修分野を中心に活用されています。参照 https://www.focus-s.com/focus-s/media/201023.pdf
プレスリリース

ハイラブル株式会社
国立大学法人東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属進化認知科学研究センター
株式会社フォーカスシステムズ
2022 年3月 23 日


さらに同研究は、社会科学・社会心理学分野において最先端の研究分野*3 であり、集団内・集団間
の多様な振る舞いに着目する“グループダイナミクス”にも新たな展開を示し得る研究です。
(*3)同研究は、第 40 回日本動物行動学会大会で「ジュウシマツの社会相互作用の定量的分析」の一部構成要素として発表されています。
http://www.ethology.jp/


「Group Dynamics」 グループダイナミクス(集団力学)

集団同士あるいは集団の構成員同士の相互作用が、個々の性質の集合として記述できない創発的現象を引
き起こすメカニズムを明らかにする研究の総称。
(例)集団における同調圧力の発生、誤情報の拡散、買い占
めをはじめとするパニック等、現代の社会問題となりやすい事象を解消・抑制する手がかりに繋がります。

トリは多彩な鳴き方を使って頻繁にコミュニケーションする生物の代表格です。このコミュニケーション
の全容を捉えられるシステムを開発・運用することで、トリの社会が形成されるプロセスや、各々の気質の
違いが社会参加にどう影響するかを明らかにできると考えています。このように、トリ社会をより深く理解
することで、ヒトの社会における構成員のふるまいと社会全体の関係、すなわち「グループダイナミクス」
を理解することにもつながります。従来研究と IT が積極的に関わり合い、より良い社会の実現に向けた個々
人の行動変容を創出することも、同研究は目指しています。


【ハイラブルについて】
2016 年設⽴。
「音環境分析でコミュニケーションを豊かにする」をミッションとして、対面とオン
ラインの話し合い見える化サービス Hylable を開発・運用しています。これまで教育現場や企業研修
のグループワークを中心に、のべ4万人以上の会話を分析してきました。
Web ページ https://www.hylable.com

【国立大学法人東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属進化認知科学研究センターについて】
進化認知科学研究センターは、認知科学・言語学・脳科学という共時的な研究分野を、進化学とい
う通時的な視点から統合することを目指す、世界的にも独自性の高い研究組織です。センターには、
ラットや小鳥から、乳児・成人に至るまで、動物とヒトの認知過程を分子、脳、行動とさまざまなレ
ベルで研究するための施設が整っており、最先端の融合研究が展開されています。
Web ページ http://ecs.c.u-tokyo.ac.jp/

【フォーカスシステムズについて】
1977 年設⽴。公共・通信ほか、 社会性の⾼い分野におけるシステム開発・運⽤に携わるだけでなく、
IoT、クラウドや AI 等、時代の流れを⾒据えたビジネス展開も積極的に推進しています。コーポレー
トスローガンは“テクノロジーに、ハートを込めて。”⼈と⼈とを技術でつなぐ私たちフォーカスシス
テムズの仕事に、社員ひとりひとりが、情熱と誠意を持って臨む姿勢を込めました。
Web ページ https://www.focus-s.com/

各種お問い合わせ
【研究に関すること】
国立大学法人東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属進化認知科学研究センター
TEL: 03-5454-6709 お問い合わせフォーム: http://ecs.c.u-tokyo.ac.jp/wp/queryform/

【技術に関すること】
ハイラブル株式会社
E-MAIL: contact@hylable.com お問い合わせフォーム: https://www.hylable.com/contact
株式会社フォーカスシステムズ IT イノベーション事業本部
E-MAIL: product@focus-s.com TEL: 03-5420-2470 FAX: 03-5420-9510

【その他取材・報道に関すること】
株式会社フォーカスシステムズ IR・広報室
E-MAIL: koho@focus-s.com TEL: 03-5421-7790

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