新規エピジェネティックがん治療薬OBP-801に関する研究成果を国際病理学会(USCAP)で報告

2015 年 3 月 20 日
各 位

会 社 名 オンコリスバイオファーマ株式会社
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 浦田 泰生
(コード番号:4588)
常 務 取 締 役
問合せ先 六反田 靖
管理担当兼経理部長
(TEL.03-5472-1578)


新規エピジェネティックがん治療薬 OBP-801
に関する研究成果を国際病理学会(USCAP)で報告

当社が開発中の新規エピジェネティックがん治療薬OBP-801に関して、名古屋市立大学
佐藤慎哉先生らにより、2015年3月21日~3月27日に開催される国際病理学会(USCAP)に
おいて前立腺がんに対するOBP-801の抑制効果について発表が行われますので、お知らせい
たします。


<発表概要>
OBP-801は前立腺がんのアンドロゲン依存性とアンドロゲン非依存性の両方に対する腫瘍
抑制効果を有することが検証されました。
① アンドロゲン依存的とアンドロゲン非依存的に増殖する前立腺がん由来細胞に対し、O
BP-801によるアンドロゲン受容体およびPSA(前立腺特異抗原)の発現抑制と癌細胞増
殖抑制効果が確認されました。
② アンドロゲン依存性前立腺がんラットモデルを用いてOBP-801による腫瘍抑制効果を
解析したところ前立腺がん細胞の増殖抑制とアポトーシス誘導効果が確認されました。
③ アンドロゲン非依存性前立腺がんラットモデルにOBP-801を投与したところ、腫瘍増殖
抑制と骨への浸潤抑制が確認されました。




<ご参考>
進行性前立腺がんは第一選択薬であるアンドロゲン除去療法を継続すると、ホルモン抵
抗性になりアンドロゲン非依存的な進行性前立腺がんが再燃するケースがあると言われて
います。今回の名古屋市立大の研究結果から、OBP-801はアンドロゲン依存的、非依存的の
いずれにおいても有効性が期待できます。
「遺伝子発現制御に関わる遺伝子構造の変化に注目した抗がん剤」として、
OBP-801は、
開発しています。
2013年、米国の女優が発がん予防のために乳房を切除し、話題を呼びました。彼女の生
まれ持った遺伝子配列が、高いがん発症リスクの原因だったのです。
一方で、誕生時に発がん遺伝子を持たない方も、周辺環境の様々な影響によって遺伝子
構造が変化し、遺伝子発現に影響を受ける場合があります。このような遺伝子配列に依存
しない遺伝子構造の修飾による変化を「エピジェネティック」な変化といいます。


エピジェネティックな変化を誘導する酵素の1つに、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)
があります。がん細胞ではHDACの発現上昇により「がん抑制遺伝子」の発現が抑制されて
いることが知られています。
「がん抑制遺伝子」の発現が抑制されると、がん化した細胞は
死滅することなく、増殖を繰り返してやがてがん組織を形成します。
長野県の土壌から発見された菌が作り出す天然物質であるOBP-801は、HDACを阻害する
ことでエピジェネティックな変化を正常に戻します。その結果、がん抑制遺伝子の発現が
誘導され、がん化した細胞を細胞死へ導くことでがんの増殖を抑制します。


以上

3972