当社製品「ロッキーライトRS」(フォーミング抑制材)が令和3年度 福岡県「循環型社会形成推進功労者知事表彰」を受けました

2021 年 9 月 7 日
各位
会社名 リックス株式会社
代表者 代表取締役社長 安井 卓
(コード番号 7525 東証一部・福証)




当社製品「ロッキーライト RS」(フォーミング抑制材)が
令和3年度 福岡県「循環型社会形成推進功労者知事表彰」を受けました




写真 1:生嶋亮介 福岡県副知事(右)と弊社 安井 卓 代表取締役社長 写真 2:フォーミング抑制材「ロッキーライト RS」



当社製品の※1 フォーミング抑制材「ロッキーライト RS」
(特許番号 6281800)が、令和 3 年度の「福岡
県 循環型社会形成推進功労者知事表彰」を受けました。この表彰は、循環型社会の形成について顕著な
成果を上げた個人や企業などが対象となっています。同製品は、本来は産業廃棄物として処理される製
紙スラッジと人工大理石の端材を、独自の配合で組み合わせてつくっています。

※1 鉄鉱石から鉄を取り出す金属精錬の際に発生するスラグ(金属カス)の吹きこぼれを防止するもの。




■賞の概要■
名 称:「福岡県 循環型社会形成推進功労者知事表彰」
(表彰主;福岡県)
概 要:先駆的または独創的な取り組みにより、循環型社会の形成について顕著な成果を上げている個
人や団体、企業を表彰。平成 19 年から表彰を開始し、毎年実施。令和 3 年度の同表彰受賞者は、弊社を
含めて 4 企業、3 団体、1 個人。


◎表彰内容(表彰コメントより抜粋)
「廃棄人工大理石」を活用し、従来品よりも高性能なフォーミング抑制材を製造する技術を開発した。開
発したフォーミング抑制材は、発電燃料への使用により入手困難となっている製紙スラッジ(フォーミ
ング抑制材の従来の原料)の使用量を 2 割削減することができる製品として高い評価を受けている。
■フォーミング抑制材「ロッキーライト RS」について■
◎開発趣旨
当社はこれまで、製紙の際に発生する廃棄物である製紙スラッジ(製紙工程で再生できずに残った汚
泥)を再資源化したフォーミング抑制材「ロッキーライト」を長年にわたり販売してきました。
ただ、近年、高品質な鉄をつくるためにフォーミング抑制材の使用量が増える一方、原料となる製紙ス
ラッジの入手は年々難しくなっています。高品質な鉄をつくるためには、フォーミング抑制材が必要不
可欠です。そこで、当社と福岡県工業技術センター化学繊維研究所(以下、化繊研)が協同し、原料の一
部を代替のものにすることを目指しました。


※フォーミングとは・・・高炉の中で鉄を溶かす工程において、不純物が浮いたりガスが発生したりして、表面が固まり

皮を張ったような状態になること。抑制材などを加えないと最終的には吹きこぼれの恐れがあり、大変危険。



◎産業廃棄物の「製紙スラッジ」と「人工大理石」を組み合わせ高性能なフォーミング抑制材に




写真 3:人工大理石を粒状にしたもの(上)とロッキーライト RS 写真 4:開発に携わった当社技術開発部 今泉吉規 氏



製紙スラッジの代替品として高い効果が見込める新素材も存在しましたが、いずれも環境面に難点があ
りました。そこで、本来は産業廃棄物として処理される「人工大理石の端材や失敗品」などを活用するこ
とを考えました。


◎フォーミング抑制材の原料として見る「人工大理石」の特徴
人工大理石は、水酸化アルミニウムを多く含有し、温度が 200℃以上になると水分が出てくる性質があり
ます。そのため、製鉄に用いる高炉に入れると、瞬時に水蒸気になって熱を奪うことで吹きこぼれを防止
することができます。また、製紙スラッジと同様に、ガス発生量の多い性質を持っていることで、フォー
ミング抑制材としての高い効果が見込まれました。
◎課題解決のため試験を繰り返し実施
人工代理石はブロック状のまま使うと、フォーミングを防ぐために必要な瞬間的な力が弱かったため、
粒状にすることを考えました。当社は、原料を微粒化する装置「G-smasher」を開発した経験があったた
め、原料の体積を小さくすることで表面積が大きくなり、フォーミング抑制材として力を発揮してくれ
ると確信していました。


しかし、ただ単に製紙スラッジと粒状にした人工大理石を組み合わせるだけでは、従来品より効果が落
ちてしまいます。そこで、当社と化繊研は、素材の量や配合率、粒の大きさなどを変えながら試験を繰り
返し実施。約 2 年の開発期間を経て、製品の高性能化に成功しました。ロッキーライト RS として 2017
年 8 月から発売を開始し、2021 年 8 月時点で合計約 13,016 トンを顧客に納入。実際に使用した顧客か
らは「人工大理石のみでつくったフォーミング抑制材と比べ、持続時間が長い」と好評を得ています。


ロッキーライト RS 年度別納入量
2017 年=約 1,360 トン / 2018 年=約 3,285 トン / 2019 年=約 3,679 トン
2020 年=約 3,503 トン / 2021 年(8 月時点)=1,188 トン
※今後も年間 3,500 トン前後を継続して納入見込み




■まとめ/今後について■
人工大理石の端材を含む産業廃棄物は、令和元年度で約 38,000 トン排出されており(参照:環境省「産
業廃棄物の排出及び処理状況」、地球温暖化問題や埋め立て処分場の不足など、処理に課題を抱えてい

ます。本来は産業廃棄物と処理され、再資源化が難しいと予想していた人工大理石ですが、当社と化繊研
の技術・ノウハウを結集させ、フォーミング抑制材「ロッキーライト RS」という新たな活用法を見出す
ことができました。


世界のものづくりに携わる企業として、今後も自社の技術を伸ばしつつ、有限である資源について深く
考え、環境に配慮した製品の開発に努めていきます。




以上

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