新しい抗インフルエンザ薬開発の進捗に関するお知らせ

News Release

平成 27 年 10 月7日
ペ プ チ ド リ ー ム 株 式 会 社
http://www.peptidream.com/
各 位 (証券コード:4587 東証マザーズ)


新しい抗インフルエンザ薬開発の進捗に関するお知らせ

ペプチドリーム株式会社(代表取締役社長:窪田規一、本社:東京都目黒区、東証マザーズ)
は、公益財団法人東京都医学総合研究所 感染制御プロジェクトリーダー 小原道法研究員の研究
チームと共同で開発している抗インフルエンザウイルス特殊環状ペプチドについてカニクイザル
による非臨床試験(注)を行い、当該試験の分析結果が得られましたので、今後の研究開発の方向性
に関してお知らせいたします。
平成27年2月24日にリリースいたしました前臨床試験を念頭に置いたカニクイザルによる非
臨床試験のデータを集積・解析した結果、当社の抗インフルエンザウイルス特殊環状ペプチドは
抗インフルエンザ薬として代表的なノイラミニダーゼ阻害薬であるリレンザ®(GSK)よりも、
2~3倍の薬剤活性が見込まれることが確認されました。
さらに、投与有効期間についても従来のノイラミニダーゼ阻害薬では発症後48時間を経過する
と治癒効果がほとんどないとされているところ、当社の抗インフルエンザウイルス特殊環状ペプ
チドは投与有効期間を48時間以上に拡大することが可能であるとの示唆が得られました。しかし
ながら、より臨床に即した有効な薬剤開発を考えた場合、薬剤溶解性を現状よりもさらに上げる
必要があるとの判断のもと、改良・改善に取り組んでまいりました。
その結果、改良された新型の抗インフルエンザウイルス特殊環状ペプチド(HA100-R14)
は、上記の抗インフルエンザウイルス特殊環状ペプチド(HA100)から飛躍的に溶解性を高め
ることができるだけでなく、薬剤活性もさらに向上させることに成功いたしました。この結果を
受けて、今期中(平成28年6月期中)に改良された特殊環状ペプチド(HA100-R14)の前臨
床試験を開始すべく準備を進めることを決定いたしました。
今後、開発を加速させ、パンデミックインフルエンザに対応できるユニバーサルインフルエン
ザ治療特殊環状ペプチドの樹立に向けて邁進したいと考えております。


【ペプチドリーム株式会社 常務取締役 リード・パトリック及び取締役研究開発部長 舛屋圭
一のコメント】
「一般に薬剤溶解性(水溶性)の改善は、前臨床試験及び臨床試験における薬剤の投与法や剤
形に大きな影響を及ぼすことから極めて重要であります。従来の特殊環状ペプチド(HA100)
は活性及び有効性ともに魅力的であるものの、開発の観点からはさらなる改良・改善が必要だと
判断しました。鋭意検討を行った結果、数種類の特殊環状ペプチド類縁体(一部アミノ酸配列の
異なるもの)において劇的な溶解度の改善が確認され、さらに活性も従来のHA100より大きく


向上していることが判明しました。これらにより、前臨床試験に付与可能な特殊環状ペプチド(
HA100-R14)を取得することに成功しましたので、今期中に前臨床試験を開始すべく必要な
各種実験結果の蓄積を行っているところであります。」


【公益財団法人 東京都医学総合研究所 感染制御プロジェクトリーダー 小原道法研究員のコ
メント】
「この研究は、東京都の新型インフルエンザ特別研究としてペプチドリーム社と共同で進めて
いるが、従来の特殊環状ペプチド(HA100)は、非臨床試験においてリレンザ®(GSK)とほ
ぼ同等の活性と感染48時間以降においても発症防御効果を示し、新たなインフルエンザ治療薬と
しての可能性が示されていた。しかし、創薬を目指すに当たり、水溶性に課題があり、臨床使用
するにはこの課題を解決する必要があった。今回改良されたHA100-R14はこの溶解性の問題
が著しく改善するとともにさらなる活性向上等、新しい抗インフルエンザ治療薬としての期待が
拡大した。すでに、試験管内及び小動物試験において良好な抗インフルエンザウイルス活性を示
すことが明らかとなり、今後さらに大動物を用いた非臨床試験を進めていく予定である。」


(注)
「前臨床試験」は「非臨床試験」の中に含まれる概念ですが、薬剤候補物質の製造を GLP 基準に準拠し
て作成する必要があるため、「前臨床試験」と「非臨床試験」を分けて表現しています。




【ペプチドリーム株式会社について】

ペプチドリーム株式会社は、「日本発、世界初の新薬を創出し社会に貢献したい」と
いう現社長窪田と現社外取締役菅(東京大学大学院教授)の共通の夢から、平成 18 年
7 月に設立されました。独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide
Discovery Platform System)を用いて、極めて広範囲にわたる特殊ペプチドを多
数(数兆種類)合成し、高速な評価を可能にすることで、創薬において重要なヒット化
合物の創製、リード化合物の選択、並びにファーマコフォアの理解を極めて簡便に、か
つ、効率的に行えるようにしました。ペプチドリーム株式会社は、特殊ペプチドを用い
た創薬企業の世界的なリーダーとして世界中の病気で苦しんでいる人々に画期的新薬を
提供することを使命として、研究開発に取り組んでおります。




【本リリースに関するお問い合わせ先】
ペプチドリーム株式会社 経営管理部 関根
TEL:03-3485-7707





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