血中カルニチン2分画検査の体外診断用医薬品

2018年 2月 1日
各 位
東京都文京区本郷二丁目 38 番 18 号
株 式 会 社 カ イ ノ ス
代表取締役社長 上 地 史 朗
(コード:4556)
問 合 せ 先
責任役職者 取締役管理本部長
氏 名 林 司
電 話 番 号 (03)3816-4123




血中カルニチン 2 分画検査の体外診断用医薬品
保険適用のお知らせ

株式会社カイノス(本社:東京都文京区、代表取締役社長:上地史朗)は、カルニチン欠乏症の診断補
助として体外診断用医薬品の承認を取得した 2 製品「F-Carnitine 試薬 カイノス」及び「T-Carnitine 試薬
カイノス」が、1月 31 日の中央社会保険医療協議会において 2 月 1 日付けの保険適用が承認されたとこ
とをお知らせいたします。


カルニチンは脂肪酸代謝によるエネルギー代謝や ATP 産生に重要な栄養素です。様々な病態で欠
乏することが知られており、カルニチンが欠乏すると低血糖や高アンモニア血症、意識障害、痙攣、肝機
能異常など重篤な臨床症状や検査異常が認められています。
日本では、カルニチン欠乏症の治療薬として錠剤や内服薬、注射剤などのレボカルニチン製剤が保険
診療で使用されていますが、診断のための検査はカルニチン欠乏を伴う先天性代謝異常症しか適用とな
っていませんでした。また、先天性代謝異常症に対して用いられる検査はタンデムマスと呼ばれる特殊な
測定機器を使用した方法であり、一般には普及しておりません。本製品はカルニチン欠乏症の診断に必
要な血中カルニチン 2 分画(遊離のカルニチンとアシルカルニチン)を求めることが可能であり、汎用の自
動分析装置で測定することができる酵素サイクリング法を用いた試薬です。今回の保険適用により、一般
診療におけるカルニチン欠乏症の診断、治療方針の決定に寄与することが期待されます。


株式会社カイノスは、今後も医療現場のニーズを捉えた体外診断用医薬品の開発・製造・販売を通し
て、医療に貢献することを目指して参ります。
【保険適用の概要】
区分 E3(新項目) E3(新項目)
測定項目 遊離カルニチン 総カルニチン
測定方法 酵素サイクリング法 酵素サイクリング法
主な測定目的 血清又は血漿中の遊離カルニチンの測定 血清又は血漿中の総カルニチンの測定
保険点数 95 点 95 点
保険収載日 2018 年 2 月 1 日 2018 年 2 月 1 日
留意事項 1. 本検査は、酵素サイクリング法により測定した場合に算定する。
2. 先天性代謝異常症の診断補助又は経過観察のために実施する場合は、月に1
回を限度として算定する。
3. 静脈栄養管理若しくは経腸栄養管理を長期に受けている筋ジストロフィー、筋
萎縮性側索硬化症若しくは小児の患者、人工乳若しくは特殊治療用ミルクを使
用している小児の患者、バルプロ酸ナトリウム製剤投与中の患者、Fanconi 症候
群の患者又は慢性維持透析の患者におけるカルニチン欠乏症の診断補助若
しくは経過観察のために実施する場合は、6月に1回を限度として算定する。
4. 同一検体について、本検査と D010 特殊分析 8 先天性代謝異常症検査 を
併せて行った場合は、主たるもののみ算定する。
5. 本検査の実施に当たっては、関係学会の定める診療に関する指針を遵守する
こと。


【製品外観】




F-Carnitine 試薬 カイノス T-Carnitine 試薬 カイノス
(遊離カルニチン測定) (総カルニチン測定)
【用語解説】
・ カルニチン
生体内に広く分布する物質で、赤身の肉類、魚、乳製品などに多く含まれている。
長鎖脂肪酸のミトコンドリアマトリックス内への輸送に必須であり、長鎖脂肪酸のβ酸化に極めて重要な
物質。
その他、遊離 CoA の量を維持する作用や、有機酸代謝異常症や種々の病態で蓄積する有害なアシル
CoA を細胞外へ排出する作用を持つ。生物学的活性があるのは L-体である。
・ カルニチン欠乏症
カルニチンの欠乏を来す病態は多岐にわたり、先天性代謝異常症患者、バルプロ酸ナトリウム製剤の
投与患者、腎不全により腹膜透析や血液透析を受けている患者、長期間の経管栄養や完全静脈栄養
管理された患者などが知られています。カルニチンが欠乏すると意識障害、けいれん、横紋筋融解症、
脳症、頻回嘔吐、精神・運動発達の遅延、心肥大・心筋症・心機能低下および心機能低下など重篤な
症状を呈します。
・ タンデムマス
液体クロマトグラフィーによる前処理部と質量分析計を2つ並べた解析法(LC-MS/MS 法)。
・ 酵素サイクリング法
酵素と補酵素による酵素反応を組み合わせ、反応生成物を増幅することで高感度に定量する測定法。


【株式会社カイノスについて】
代表取締役社長 上地 史朗
本社所在地 東京都文京区本郷ニ丁目 38 番 18 号
設立 昭和 50 年(1975 年)5 月
資本金 8 億 3,141 万円
従業員 159 名(2018 年 2 月1日現在)
事業内容 医薬品、体外診断用医薬品、化学薬品等の開発・製造販売および輸出入
医療用理化学測定機器、医療機器等の開発・製造販売および輸出入
主要顧客 官公立病院、私立病院、検査センター、官公庁研究機関、保健所、製薬会社、食品
会社等


【リリースに関するお問い合わせ先】
株式会社カイノス 総務部
TEL: 03-3816-4123、FAX: 03-3816-6550
【製品に関するお問い合わせ先】
株式会社カイノス 学術部
TEL: 03-3816-4480、FAX: 03-3816-6544


本プレスリリースに掲載されている情報は発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
以上

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