血栓性血小板減少性紫斑病の体外診断用医薬品保険適用のお知らせ

2018年 4月 2日
各 位
東京都文京区本郷二丁目 38 番 18 号
株 式 会 社 カ イ ノ ス
代表取締役社長 上 地 史 朗
(コード:4556)
問 合 せ 先
責任役職者 取締役管理本部長
氏 名 林 司
電 話 番 号 (03)3816-4123




血栓性血小板減少性紫斑病の体外診断用医薬品
保険適用のお知らせ

株式会社カイノス(本社:東京都文京区、代表取締役社長:上地史朗)は、血栓性血小板減少性紫斑
病の診断補助として体外診断用医薬品の承認を取得した ADAMTS13(アダムティエス サーティーン)活
性測定キット「ADAMTS13-act ELISA 「カイノス」」が、日本血液学会の要望から医療技術評価分科会の
検討を経て、平成 30 年度の診療報酬改定において 4 月1日付けで保険適用されたことをお知らせいた
します。


血栓性血小板減少性紫斑病は、年間発症数 500 例ほどの希少な疾患であり、血液凝固に重要な役割
をはたしている血小板が全身の血管の中で凝集し、血栓ができる重篤な疾患です。これまでは主に臨床
症状による診断が行われてきましたが、他の血小板減少症との鑑別が困難な症例がありました。近年、
ADAMTS13 活 性 の 低 下 が 血 栓 性 血 小 板 減 少 性 紫 斑 病 の 発 症 原 因 で あ る こ と が 明 ら か に な り 、
ADAMTS13 活性を簡易に定量する診断薬が強く要望されていました。本製品は、奈良県立医科大学が
開発した測定法を、2017 年 5 月に体外診断用医薬品として承認を取得した試薬です。今回の保険適用
により、血栓性血小板減少性紫斑病の診断、治療方針の決定に寄与することが期待されます。


株式会社カイノスは、今後も医療現場のニーズを捉えた体外診断用医薬品の開発・製造・販売を通し
て、医療に貢献することを目指して参ります。
【保険適用の概要】
測定項目 ADAMTS13 活性 ADAMTS13 インヒビター
保険点数 400 点 600 点
保険収載日 2018 年 4 月 1 日 2018 年 4 月 1 日
留意事項 他に原因を認めない血小板減少を示す ADAMTS13 活性の著減を示す患者に対
患者に対して、血栓性血小板減少性紫 して、血栓性血小板減少性紫斑病の診
斑病の診断補助を目的として測定した場 断補助を目的として測定した場合又はそ
合又はその再発を疑い測定した場合に の再発を疑い測定した場合に算定でき
算定できる。 る。

血栓性血小板減少性紫斑病と診断され 後天性血栓性血小板減少性紫斑病と診
た患者またはその再発が認められた患 断された患者又はその再発が認められ
者に対して、診断した日又は再発を確認 た患者に対して、診断した日又は再発を
した日から起算して1月以内の場合に 確認した日から起算して1月以内の場合
は、1週間に1回に限り別に算定できる。 には、1週間に1回に限り別に算定でき
なお、血栓性血小板減少性紫斑病と診 る。なお、後天性血栓性血小板減少性
断した日付又はその再発を確認した日 紫斑病と診断した日付又はその再発を
付を、診療報酬明細書の摘要欄に記載 確認した日付を、診療報酬明細書の摘
すること。 要欄に記載すること。


【製品外観】
ADAMTS13-act ELISA 「カイノス」




本製品は ADAMTS13 の活性を測定する体外診断用医薬品ですが、第Ⅷ凝固因子のインヒビター測定
法である Bethesda 法に準じて、試料中の ADAMTS13 インヒビター力価を求めることが可能です。
【用語解説】
・ 血栓性血小板減少性紫斑病 (thrombotic thrombocytopenic purpura, TTP)
末梢の細血管が血小板の凝集塊(血小板血栓)によって閉塞される疾患。
発熱、倦怠感、脱力感、悪心、食欲不振など不定な症状で始まり、その後、紫斑(あおあざ)や口腔など
の粘膜からの出血、あるいはけいれん、意識障害、傾眠傾向、錯乱などの神経症状や、黄疸、尿量の
減少などの症状が急激に出現する。

・ ADAMTS13(a disintegrin-like and metalloproteinase with thrombospondin type 1 motifs 13)
止血因子である VWF を特異的に切断する酵素。
TTP で認められる血栓が VWF(von Willebrand factor)を主体とする血小板血栓であること、VWF 切断
酵素の活性が低下していることなどから、ADAMTS13 活性の低下により TTP を発症することが明らかと
なった。ADAMTS13 活性が低下する原因は、遺伝子異常による先天性と自己抗体の産生による後天性
の 2 つがある。

・ ADAMTS13 インヒビター
ADAMTS13 に対する自己抗体。
後天性の TTP はインヒビターが原因で ADAMTS13 活性が著減することが明らかになっている。


【株式会社カイノスについて】
代表取締役社長 上地 史朗
本社所在地 東京都文京区本郷ニ丁目 38 番 18 号
設立 昭和 50 年(1975 年)5 月
資本金 8 億 3,141 万円
従業員 159 名(2018 年 2 月1日現在)
事業内容 医薬品、体外診断用医薬品、化学薬品等の開発・製造販売および輸出入
医療用理化学測定機器、医療機器等の開発・製造販売および輸出入
主要顧客 官公立病院、私立病院、検査センター、官公庁研究機関、保健所、製薬会社、食品
会社等


【リリースに関するお問い合わせ先】
株式会社カイノス 総務部
TEL: 03-3816-4123、FAX: 03-3816-6550


【製品に関するお問い合わせ先】
株式会社カイノス 学術部
TEL: 03-3816-4480、FAX: 03-3816-6544


本プレスリリースに掲載されている情報は発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
以上

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