体外診断用医薬品『カルプロテクチン モチダ』における炎症性腸疾患診断補助の使用目的追加のお知らせ

2021年2月1日


体外診断用医薬品『カルプロテクチン モチダ』における
炎症性腸疾患診断補助の使用目的追加のお知らせ
腸管内の炎症を簡便に評価でき、患者の身体的、経済的負担の軽減に貢献


三洋化成工業株式会社
持田製薬株式会社


三洋化成工業株式会社(本社:京都市東山区、代表取締役社長:安藤孝夫、以下「三洋化
成」
)と持田製薬株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:持田直幸、以下「持田
製薬」
)は、これまで「潰瘍性大腸炎の病態把握の補助」を使用目的としていた体外診断用
医薬品『カルプロテクチン モチダ』について、2020 年 11 月 18 日に、
「炎症性腸疾患※1の
診断補助」を新たな使用目的として追加することが薬事承認され、2021 年 2 月 1 日に保険
収載されましたのでお知らせします。


『カルプロテクチン モチダ』は、三洋化成および持田製薬が、開発元であるスイスの
BÜHLMANN Laboratories AG と日本国内での独占製造・販売契約を交わし、三洋化成が
製造、持田製薬が販売している体外診断用医薬品です。炎症性腸疾患においては、炎症を引
き起こしている腸上皮で誘導された好中球から腸管腔へカルプロテクチン※2が放出され、
腸管腔へ放出されたカルプロテクチンは便と共に体外へ排泄されます。
『カルプロテクチン
モチダ』は 2017 年の発売以来、糞便中に含まれるカルプロテクチン濃度を測定することに
より「潰瘍性大腸炎の病態把握の補助」に用いられてきましたが、この度、
「炎症性腸疾患
の診断補助」としての使用目的が追加されました。
今回の使用目的追加により、肉眼的血便が認められない患者において、慢性的な炎症性腸
疾患が疑われる場合に、内視鏡検査の必要性を判断する際の補助として『カルプロテクチン
モチダ』を用いることが可能になります。内視鏡検査の頻度が減ることで患者の身体的、経
済的負担軽減にも貢献できると考えています。両社は、今後も臨床現場における医療の質の
向上に貢献してまいります。


【製品の概要】
販売名 :カルプロテクチン モチダ
一般的名称 :カルプロテクチンキット
測定原理 :サンドイッチ酵素免疫測定法
使用目的 :糞便中のカルプロテクチンの測定(炎症性腸疾患の診断補助及び潰瘍性
大腸炎の病態把握の補助)
製造販売元 :三洋化成工業株式会社
販売 :持田製薬株式会社



<参考>
※1 炎症性腸疾患は、消化管の粘膜に慢性の炎症や潰瘍が発生する原因不明の疾患であり、
主に潰瘍性大腸炎やクローン病があります。大腸のみに炎症を起こすものが潰瘍性大腸
炎、消化管のさまざまな部位に炎症を起こす可能性があるものがクローン病であり、いず
れも慢性的な下痢、腹痛や体重減少などの消化器症状を伴います。両疾患とも国の難病に
指定されており、根本的治療法は確立されていません。そのため、患者は内科的治療で症
状を緩和しつつ長期間の治療、検査を続けなければならず、内科的治療での寛解導入・維
持が難しい場合は外科的治療が必要な場合もあります。早期に疾患を特定し、治療を開始
することが重要といわれています。


※2 カルプロテクチンは、主に好中球(一部、単球や活性化マクロファージ)から分泌さ
れるカルシウム結合タンパク質であり、腸管内の炎症や細菌感染に対して防御的に機能
する物質と考えられています。比較的安定であり、便中のカルプロテクチン濃度と腸管内
の炎症の程度とが相関することから、炎症性腸疾患の診断マーカーとして世界各地の医
療現場で使用されています。




以上




<本件に関するお問い合わせ先>
三洋化成工業株式会社 メディア・IR部
電話 075-541-4312


持田製薬株式会社 経営企画部広報室
電話 03-3225-6303





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