体外診断用医薬品『カルプロテクチン モチダ』におけるクローン病の病態把握の補助の使用目的追加のお知らせ

2022 年 5 月 9 日


体外診断用医薬品『カルプロテクチン モチダ』における
クローン病の病態把握の補助の使用目的追加のお知らせ
腸管内の炎症を簡便に評価でき、患者の身体的、経済的負担の軽減に貢献


三洋化成工業株式会社
持田製薬株式会社




)と
三洋化成工業株式会社(本社:京都市東山区、代表取締役社長:樋口章憲、以下「三洋化成」
持田製薬株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:持田直幸、以下「持田製薬」
)は、これ
まで「炎症性腸疾患の診断補助及び潰瘍性大腸炎の病態把握の補助」を使用目的としていた体外診
断用医薬品『カルプロテクチン モチダ』について、2022 年 2 月 24 日に、
「クローン病の病態把握の
補助」の使用目的追加が薬事承認され、2022 年 5 月 1 日に保険収載されましたのでお知らせします。


炎症性腸疾患は、国の難病に指定されている消化管の粘膜に慢性の炎症や潰瘍が発生する原因不
明の疾患で、潰瘍性大腸炎やクローン病に大別されます。両疾患とも寛解と再燃を繰り返す難治性
の疾患で、初期診断や経過観察において、活動の兆候を早期に発見することにより、寛解状態を維
持するための内科的治療につなげることが求められています。炎症性腸疾患においては、炎症を引
き起こしている腸上皮で誘導された好中球から腸管腔へカルプロテクチン※1 が放出され、腸管腔へ
放出されたカルプロテクチンは便と共に体外へ排泄されます。
『カルプロテクチン モチダ』は、三洋化成および持田製薬が、開発元であるスイスの BÜHLMANN
Laboratories AG と日本国内での独占製造・販売契約を交わし、三洋化成が製造、持田製薬が販売し
ている体外診断用医薬品です。サンドイッチ酵素免疫測定法※2 を用いて糞便中のカルプロテクチン
濃度を測定することで、腸管内の炎症を簡便に評価します。今回の使用目的追加により、クローン
病も対象となることから、炎症性腸疾患の診断補助から治療における病態把握の補助まで、幅広く
対応できるようになりました。
『カルプロテクチン モチダ』を使用することで、内視鏡検査の回数が低減でき、患者の身体的・
経済的負担軽減や臨床現場の負担軽減につながります。さらには、炎症性腸疾患患者の早期診断・
早期治療開始の一助として、医療の質の向上、患者の生活の質(QOL)の維持・向上への貢献が期待
できます。両社は、医療現場のニーズに応える製品を通して、今後も臨床現場における医療の質の
向上に貢献してまいります。





【製品の概要】
販売名 :カルプロテクチン モチダ
一般的名称 :カルプロテクチンキット
測定原理 :サンドイッチ酵素免疫測定法
使用目的 :糞便中のカルプロテクチンの測定
(炎症性腸疾患の診断補助及び病態把握の補助)
製造販売元 :三洋化成工業株式会社
販売 :持田製薬株式会社




<参考>
※1 カルプロテクチンは、主に好中球(一部、単球や活性化マクロファージ)から分泌されるカ
ルシウム結合タンパク質であり、腸管内の炎症や細菌感染に対して防御的に機能する物質と考えら
れています。比較的安定であり、便中のカルプロテクチン濃度と腸管内の炎症の程度とが相関する
ことから、炎症性腸疾患の診断マーカーとして世界各地の医療現場で使用されています。


※2 サンドイッチ酵素免疫測定法は、マイクロプレート等を用いて検体中に含まれる目的の抗原
あるいは抗体を、特異抗体あるいは抗原で捕捉するとともに、酵素反応を利用して検出・定量する
方法です。最終的には、一般的な分光光度計で吸光度を測定し対象となる抗原あるいは抗体の濃度
を算出します。
以上


<本件に関するお問い合わせ先>
三洋化成工業株式会社
経営企画本部 広報部
電話 075-541-4312


持田製薬株式会社
経営企画部 広報室
電話 03-3225-6303


5162