BMS社、腫瘍遺伝子変異量が高レベルのファーストラインの非小細胞肺がん患者を対象としたオプジーボとヤーボイ併用療法のトップライン結果を発表

2018 年 2 月 6 日


各位


会 社 名: 小野薬品工業株式会社
代表者名: 代表取締役社長 相良 暁
(コード: 4528 東証第一部)
問合せ先: 執行役員広報部長 谷 幸雄
(TEL: 06-6263-5670)

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社
腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベルのファーストラインの非小細胞肺がん患者を対象とした
オプジーボとヤーボイの併用療法(第Ⅲ相 CheckMate -227 試験)のトップライン結果を発表


小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁、以下、当社)は、提
携会社である米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク)
が、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法を評価
した進行中の第Ⅲ相 CheckMate -227 試験のトップラインの結果を発表しましたのでお知らせし
ます。


オプジーボとヤーボイの併用療法を化学療法と比較評価した進行中の第Ⅲ相 CheckMate -227
試験において、PD-L1 発現の有無にかかわらず、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベル(10 変異
/メガベース以上、以下「mut/mb」)のファーストラインの進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者
で、併用療法が無増悪生存期間(PFS)の主要評価項目を達成したことを発表しました。本試験
において、TMB は解析的に実証されたアッセイである、Foundation Medicine(Nasdaq:FMI)
社の FoundationOne CDx を用いて測定されました。また、腫瘍の PD-L1 陽性患者における全生
存期間(OS)の中間解析の結果に基づき、データモニタリング委員会は試験を継続するよう推奨
しました。オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、ファーストラインの
NSCLC におけるオプジーボ 3 mg/kg を 2 週間間隔および低用量のヤーボイ(1 mg/kg)を 6 週間
間隔の併用療法で、これまでに報告されているものと一貫していました。


CheckMate -227 試験について
CheckMate -227 試験は、ファーストラインの進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者 2,500
例以上を対象に、非扁平上皮がんおよび扁平上皮がんの組織型にわたり無作為に割り付け、
オプジーボを含むレジメンとプラチナ製剤を含む 2 剤併用化学療法を比較評価した非盲検第
Ⅲ相臨床試験です。この大規模なプログラムは、Part 1a、Part 1b および Part 2 の 3 つの
Part で構成されています。
Part 1a では、PD-L1 陽性患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法およびオプジー
ボ単剤療法を化学療法と比較評価しています。Part 1b では、PD-L1 陰性患者を対象に、オプ
ジーボとヤーボイの併用療法およびオプジーボと化学療法の併用療法を化学療法と比較評価
しました。PD-L1 の発現レベルは、Dako 社が開発した PD-L1 免疫組織染色(IHC)28-8
pharmDx 検査薬を用いて測定されました。
本日の発表は、オプジーボとヤーボイの併用療法群および化学療法群に関する、Part 1 全
体の解析結果に基づいています。Part 1 では、オプジーボとヤーボイの併用療法について、2
つの主要評価項目を設定しました。1 つは、PD-L1 陽性患者における全生存期間(OS)であ
り、Part 1a に組み入れられた患者で評価されました。もう 1 つは、PD-L1 発現の有無にかか
わらず、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベルの患者における無増悪生存期間(PFS)であ
り、Part 1a および 1b に組み入れられた患者で評価されました。本試験で TMB が評価可能な
患者のうち、約 45%が高レベル(10 mut/mb 以上)の TMB を有していました。ブリスト
ル・マイヤーズ スクイブ社は、現在、Foundation Medicine 社と提携を結んでおり、今後も
このパートナーシップの下、ファーストラインの NSCLC で適応追加の可能性があるオプジ
ーボとヤーボイの併用療法での TMB を測定するコンパニオン診断薬として、FoundationOne
CDx の承認を取得すべく協働していきます。
Part 2 では、広範な患者集団を対象に、OS を主要評価項目として、オプジーボと化学療法
の併用療法を化学療法と比較評価しています。
本試験におけるオプジーボとヤーボイの用法・用量は次の通りです:オプジーボ 3 mg/kg
を 2 週間間隔で投与+低用量のヤーボイ(1 mg/kg)を 6 週間間隔で投与。

腫瘍遺伝子変異量(TMB)について
正常細胞とは異なり、がん細胞では、時間の経過とともに遺伝子変異が蓄積していきます。
腫瘍遺伝子変異量(TMB)は、がん細胞における遺伝子変異の総量を示す定量的バイオマー
カーです。TMB が高レベルのがん細胞では、ネオアンチゲンの発現レベルが高くなります。
ネオアンチゲンは、体の免疫系が腫瘍を認識するのを助け、がんを攻撃する T 細胞や抗腫瘍
応答を活性化させると考えられています。TMB は、免疫療法薬に患者が奏効するか否かを予
測するのに役立つ可能性があるバイオマーカーの 1 つです。

オプジーボについて
オプジーボは、PD-1 と PD-1 リガンドの経路を阻害することで抗腫瘍免疫応答を再活性化する
免疫チェックポイント阻害薬です。日本では、当社が 2014 年 9 月に根治切除不能な悪性黒色腫の
治療薬として発売しました。その後、2015 年 12 月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、
2016 年 8 月に根治切除不能又は転移性の腎細胞がん、2016 年 12 月に再発又は難治性の古典的ホ
ジキンリンパ腫、2017 年 3 月には再発又は遠隔転移を有する頭頸部がん、および 2017 年 9 月に
がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する承認を取得しました。ま
た、悪性胸膜中皮腫、悪性黒色腫の術後補助療法などについても承認申請しており、食道がん、
食道胃接合部がん、小細胞肺がん、肝細胞がん、膠芽腫、尿路上皮がん、卵巣がん、胆道がんな
どを対象とした臨床試験も実施中です。現在、オプジーボは、日本、韓国、台湾、米国および欧
州連合を含む 60 ヵ国以上で承認されています。
現在、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(BMS)は、オプジーボの単剤療法または他のがん
免疫療治療薬などとの併用療法による 350 以上の臨床試験を遂行しています。BMS は、固形がん
から血液悪性腫瘍まで約 50 種類のがん腫に対してオプジーボを研究しており、トランスレーショ
ナル メディシンに対する能力を駆使し、患者さん一人一人に最大限のベネフィットをもたらすこ
とを目標に取り組んでいます。


なお、日本では当社と BMS(およびその日本法人であるブリストル・マイヤーズ スクイブ株式
会社)は、がん患者さん向けに複数の免疫療法薬の共同開発、共同商業化、共同販売促進を含む
戦略的提携契約を結んでいます。
小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社の提携について
2011 年、当社は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と締結した提携契約により、当時、当
社がオプジーボに関するすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾
を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を供与しました。2014 年 7 月、
当社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、
台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化
することを合意しました。



以上

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