電池の軽量化・安全性向上に貢献!リチウムイオン二次電池の類焼を防止する発泡型類焼防止材を開発

NEWS RELEASE
2023 年 12 月 6 日
各 位
第一工業製薬株式会社


電池の軽量化・安全性向上に貢献!
リチウムイオン二次電池の類焼を防止する発泡型類焼防止材を開発


第一工業製薬(本社:京都市南区、代表取締役社長:山路直貴)は、電子基板の封止用ウ
レタン樹脂「エイムフレックスⓇ」で培った技術を生かし、リチウムイオン二次電池の類焼を
防止する発泡型類焼防止材を開発しました。普及が進む電気自動車や各種電池部材の軽量
化・安全性向上に貢献します。


「エイムフレックス」は、二液硬化型のウレタン樹脂であり、埃や水といった外的要因から
電子基板を保護する電気絶縁用封止材として使用されています。またリチウムイオン二次電池
を始めとする電池分野では、熱暴走による発火に対する安全性向上が課題として挙げられてい
ます。当社は、長年培ってきたエイムフレックスの難燃化技術と発泡ウレタン樹脂による軽量
化技術を組み合わせた発泡型類焼防止材を開発しました。

当社が開発した発泡型類焼防止材は以下の特長を有し、電池の安全性向上のみならず軽量
化や速硬化による省エネルギーに貢献します。
1)発泡ウレタン樹脂による軽量化
2)難燃性付与による類焼防止
3)耐衝撃性・耐振動性付与による電池の保護
4)常温硬化・速硬化による生産性向上・省エネルギー

3 本の円筒型電池の熱暴走評価により、類焼防止効果の有効性が確認できました(図 1)。
【評価方法】セル No.[3]に釘を刺し、電池を爆発させて他の 2 本に火が移るかを評価。
【結 果】ブランクは他の 2 本に類焼したが、発泡型類焼防止材では類焼が防止された。

セル 温度(℃)
サンプル名 結果
No. 試験後
[1] 828 発火
ブランク
[2] 935 発火
(樹脂無し)
[3] 1063 発火

[1] 47 非発火
発泡型類焼防止材 [2] 111 非発火

[3] 581 発火

図1 3 本の円筒型電池の熱暴走評価(外部評価機関で実施) 図2 電池パック注入イメージ
円柱部分がリチウムイオン二次電池模型。その周囲
が発泡型類焼防止材。
<開発の背景>
ガソリンエンジン車から電気自動車(EV)へとシフトしていく自動車市場において、電池の熱暴走
による発火を原因とする自動車の火災事故が近年、たびたび発生しており、安全性対策が急務となっ
ています。当社は、中期経営計画「FELIZ 115」において環境・エネルギー分野に注力しています。
当社の保有するエイムフレックス(電気絶縁用封止材)技術、発泡ウレタン技術、および難燃化技術
で電池の軽量化・安全性向上に取り組み、発泡型類焼防止材を開発しました。

<第一工業製薬の技術>
「エイムフレックス」は二液硬化型のウレタン樹脂であり、電気絶縁用封止材として使用されてい
ます。これを自動車用リチウムイオン二次電池に応用するために、発泡ウレタン技術を組み合わせま
した。発泡ウレタン樹脂は発泡剤をあらかじめ添加した主剤と硬化剤を混合させて、ガスを発生しな
がら膨らみ硬化するウレタン樹脂で、空気層を含むために通常のウレタン樹脂よりも軽量化が期待で
きます。発泡ウレタン樹脂を用いることで当社従来品のエイムフレックスに比べて、1/3~1/5 の重量
に抑えることが可能です。常温・短時間で硬化させることも可能であることから、生産性の向上にも
つながります。
今回、最も課題としていた発火に対する安全性の向上に対して、当社が従来から保有する難燃剤の
配合技術を組み合わせることで発泡ウレタン樹脂に難燃性を付与することが可能となりました。
この発泡型類焼防止材の注入には注型マシンを使用します。発泡ウレタン樹脂の取り扱いの知見を
生かして注型マシンでの注型方法も併せてご提案が可能です。

第一工業製薬は、今後も顧客課題を解決するとともに、社会要求に応える製品の提供と技術開発に
取り組んでまいります。




【本リリースについてのお問い合わせ先】
第一工業製薬株式会社 戦略統括部 広報 IR 部
TEL.075-323-5951 E-mail: d-kouhou@dks-web.co.jp
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