微細藻類ユーグレナの継続的な摂取により、腸内フローラの多様性が高まり、睡眠の質が向上することを示唆する研究結果を確認しました

2021 年 10 月 22 日

微細藻類ユーグレナの継続的な摂取により、腸内フローラの多様性が高まり
睡眠の質が向上することを示唆する研究結果を確認しました

株式会社ユーグレナ

株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社⻑:出雲充)は、東洋大学の吉田崇将助教
との共同研究により、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下「ユーグレナ」)を継続的に摂
取することで、腸内フローラの多様性が高まり、睡眠の質が向上することを示唆する研究成果を確認
したことをお知らせします。なお、今回の研究成果は、2021 年 9 月 23 日〜9 月 24 日に開催にされ
た「日本睡眠学会第 46 回定期学術集会」※1、2021 年 10 月 2 日〜10 月 3 日開催にされた「第 43 回
日本臨床栄養学会総会」※2 で発表しました。
※1 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染状況を踏まえ、WEB での LIVE 配信を併用したハイブリット形式にて開催さ
れました
※2 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染状況を踏まえ、WEB での LIVE 配信にて開催されました



■研究の目的
腸内には細菌がおよそ 100 種類以上、100 兆個も生息しており、腸内細菌の集団は腸内フローラと
呼ばれています。腸内フローラを含む腸内環境は、脳機能と相互に影響しあうことが知られており
(脳腸相関といいます) 脳機能のひとつである睡眠も、
、 腸内環境から影響を受けるとされています。
ストレスなどの原因により、腸内フローラの多様性が崩れると、便秘や下痢など、さまざまな不調に
つながると言われています。そこで、心身の健康を維持するためには、生活習慣や食習慣を通じて腸
内フローラを良好に保つことが重要と考えられています。
これまでに当社は、ユーグレナの摂取により酪酸産生菌の占有率が増加する可能性※3 や、睡眠の質
が向上する可能性※4, 5 を報告しました。今回、ヒト臨床試験を行い、腸内フローラの解析と睡眠の質
に関する質問紙を用いた調査を実施して、ユーグレナの摂取が腸内フローラの多様性と睡眠の質に
どのような影響を及ぼすのか調べました。
当社は、健康の基盤を維持した上で、より良い状態へ高めることで、サステナブ
ルな健康を実現することが大切だと考えています。健康の基盤を妨げる複合的要因
として「栄養不足」
「心身の疲労」
「免疫力低下」の相互関係に着目しており、ユー
グレナの摂取を通じてからだが本来持つ「つくる・はたらく・まもる」のサイクル
が保たれ、サステナブルな健康が実現する可能性について研究を進めています。
※3 2021 年 1 月 15 日のリリース https://www.euglena.jp/news/20210115-2/
※4 2020 年 5 月 18 日のリリース https://www.euglena.jp/news/20200518-2/
※5 2020 年 10 月 21 日のリリース https://www.euglena.jp/news/20201021-2/



■研究の内容と結果
本研究では、成人男性 32 名(20〜41 歳)をユーグレナ 3,000 mg 含有カプセル摂取群とプラセボ
カプセル摂取群※6 の 2 群に分け、摂取開始前、および 4 週間にわたり毎夕食後に摂取した後の 2 つ
の時点で、腸内フローラおよび腸内環境の解析を行い、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)※7 を用い
て睡眠の質に関する調査を実施しました。
※6 試験物質の代わりに人体に影響が出にくい物質を配合して、試験食と区別のつかないようにした試験食
※7 ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)は、主観的な睡眠の質や不眠傾向を評価するために開発された質問紙です。7 つの項目(睡
眠の質、睡眠時間、入眠時間、睡眠効率、睡眠困難、睡眠薬の使用、日中の眠気)を点数化・合計して、PSQI 総合得点を算出しま

ユーグレナの摂取により腸内フローラの多様性が高まり、睡眠の質が向上することが示唆されました
ユーグレナを 4 週間続けて摂取することで、不眠傾向(PSQI のスコア)が、プラセボカプセル摂
取群と比較して有意に減少し、睡眠の質が向上しました(図 1、左)。また、腸内フローラの多様性
が、プラセボカプセル摂取群と比較して有意に増加しました(図 1、右)。さらに、腸内フローラの
多様性が高くなるほど、睡眠の質が良くなる(不眠傾向を示す PSQI のスコアが減少する)という関
係性が示されました(図 2)。これらの結果は、ユーグレナの⻑期摂取が、腸内フローラの多様性を
高め、睡眠の質を改善する可能性を示しています。




図1 プラセボカプセル摂取群とユーグレナ 3,000 mg 含有カプセル摂取群の
睡眠の質と腸内フローラの多様性の変化量
グラフは、摂取開始前から 4 週間後にかけての睡眠の質と腸内フローラの多様性の変化量を示しています。グラフ内赤線は、中央
値を示します。上下端の⿊線は最大値と最⼩値を、ボックスはデータの分布を示します(第一四分位数、第三四分位数)。
左:ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)の総合得点は、一般に不眠傾向を示し、数値が低いほど、睡眠の質が良いことを示します。
右:Shannon 指数は、陽内フローラの多様性を示します。




図2 睡眠の質の変化量と腸内フローラの多様性の変化量の関係性
横軸に睡眠の質の変化量(左に行くほど睡眠の質が向上)、縦軸に腸内フローラの多様性の変化量(上に行くほど多様性が向上)
を示しました。横軸の値の変化に伴って、どのように縦軸の値が変化するかを表現する回帰直線を点線で示しました。



今回の結果から、ユーグレナを継続的に摂取することで、腸内フローラの多様性が高まり、睡眠
の質が向上する可能性が示されました。これは、ユーグレナの継続摂取により睡眠の質が向上する
理由の1つとして、腸内環境の維持が関わっていることを示唆しています。
当社では、からだが本来もつ「つくる・はたらく・まもる」のサイクルを支えるユーグレナの可
能性のさらなる解明と、ユーグレナおよびその含有成分の健康食品、医療分野等での利活用や食材
としての付加価値向上を目指し、研究開発を行っていきます。


<ユーグレナ(和名:ミドリムシ)について>
石垣島ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持っ
ており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など 59 種類の栄養素をバランスよく含ん
でいます。なお、ユーグレナ特有の成分で β-グルカンの一種であるパラミロンは、近年機能性に
ついての研究が進み、食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。


<株式会社ユーグレナについて>
2005 年に世界で初めて石垣島で微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術
の確立に成功。石垣島で生産したユーグレナ・クロレラなどを活用した機能性食品、化粧品等の開
発・販売を行うほか、バイオ燃料の生産に向けた研究、遺伝子解析サービスの提供を行っていま
す。また、2014 年より行っている、バングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナ
クッキーを届ける「ユーグレナ GENKI プログラム」の対象商品を、2019 年 4 月より化粧品を含む
全グループ商品に拡大。2012 年 12 月東証マザーズに上場。2014 年 12 月に東証一部市場変更。
「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義
し、事業を展開。https://euglena.jp

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