微細藻類ユーグレナを肥料として利用することで収穫後の作物鮮度の保持改善や収穫量を増加させる可能性を示唆

2021 年 8 月 30 日

微細藻類ユーグレナを肥料として利用することで
収穫量の増加や収穫後の作物鮮度の低下を抑制する可能性を示唆
追加研究に向けて、ユーグレナ入り有機化成肥料のモニター試験参加農家を募集

株式会社ユーグレナ


株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社⻑:出雲充)は、微細藻類ユーグレナ(以
下、「ユーグレナ」)を肥料として利用することにより、作物の収穫量が増加し、また、収穫後の作
物鮮度の低下が抑制される可能性を示唆する研究結果を確認しました。またこの発表に合わせ、この
たび開発中のユーグレナ入り有機化成肥料のモニター試験に参加する農家様を募集いたします。


■背景
当社はこれまで、ユーグレナの新規用途開発の一環として農業分野でのユーグレナ利活用に取り組ん
でおり、ユーグレナ液体肥料の試作※1 やユーグレナ培養土のテスト販売※2 を行ってきました。
この度、ユーグレナの農業分野における更なる利活用や機能を追求することを目的に、小橋工業株式
会社と全農アグリウエスト株式会社とともに肥料の共同研究を実施しました。
※1 2020 年 7 月 6 日リリース https://www.euglena.jp/news/20200706-3/

※2 2020 年 7 月 9 日リリース https://www.euglena.jp/news/20200709-2/



■研究結果
当社が 2021 年に佐賀市に開設した「サステナブルテック・ファーム」※3 において、ユーグレナを配
合した有機化成肥料の効果検証のための栽培テストを行いました。その結果、ユーグレナを含まない有
機化成肥料と比較して、ユーグレナを含む有機化成肥料では野菜(コマツナ、ホウレンソウ)1 株あた
りの可食部重量の増加が確認されました(図 1,図 2)。




図 1. コマツナ重量に及ぼすユーグレナ濃度の影響 図 2. ホウレンソウ重量に及ぼすユーグレナ濃度の影響

平均±標準偏差, ***p < 0.001, **p < 0.01, Welch の t 検定(ボンフェローニ補正)vs. 0%



本検証は 1 期のデータになります
また、ユーグレナが土壌や作物に与える影響の網羅的検証プログラム※4 の一環として、収穫後の野菜
(コマツナ)を 7 日間冷蔵保存して重量減少を測定した結果、化成肥料に加えてユーグレナを施肥した
区では、ユーグレナを含まない化成肥料や牛糞や鶏糞を使用した有機肥料と比較して、コマツナの重量
減少率が低下し、水分などの揮発成分の蒸発が抑制される傾向を確認しました(図 3)。この結果か
ら、ユーグレナを作物栽培の肥料として利用することにより、収穫後の作物鮮度の低下を抑制する可能
性が示されました。なお、本検証は 2 期に渡り効果を確認しており、成果に関する特許出願を完了して
います。




図 3. ユーグレナがコマツナの重量減少に及ぼす影響
平均±標準偏差, +p < 0.1, Welch の t 検定(ボンフェローニ補正) vs. 無施肥



上記のとおり、ユーグレナの使用により収穫量の増加や収穫後の作物鮮度の低下を抑制する可能性が
示唆されたため、このたびユーグレナ有機化成肥料のモニターを募集し、さらなる検証を進めてまいり
ます。


※3 2021 年 4 月 26 日リリース https://www.euglena.jp/news/20210426-2/

※4 内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「スマートバイオ産業・農業基盤技術」(管理法人:農研機構生研支援センター)

「持続可能な循環型社会を実現する『農業環境エンジニアリングシステム』の開発(研究代表:市橋泰範)」の支援を受けて実施




『ユーグレナ有機化成肥料』の詳細
品名:ユーグレナ有機化成肥料
内容量:15kg
■商品特性
・有機化成肥料に特殊肥料であるユーグレナを配合した、特殊肥料入り指定混合肥料
・原料は、植物油かす類、硫酸アンモニア等
・主な成分は、窒素 8%、リン酸 8%、加里 8%
・ユーグレナの作用により作物の生育を促進させ、収穫量を増加させる可能性があります
・即効性の化成、緩効性の有機を程よく配合した粒状肥料で、作物全般にご使用いただけます
・コマツナでの植害試験により安全性を確認しています(全植物の生育を担保するものではありませ
ん)


■モニターの募集について
・ユーグレナ有機化成肥料のモニター試験に参加する農家様を募集いたします
・農家様の畑をお借りし、モニター試験として収穫量のデータ測定を中心に、効果や使いやすさ等に関
するアンケートを実施させて頂きます
・ご協力頂ける農家様には、農地面積に応じて 1 農家様あたり最大 3 袋を無償でご提供いたします
・ご希望される方は、下記サイトより申込みください
URL: https://forms.gle/Mrk2n4xKKweXYHsn9
応募締切は、2022 年 9 月 30 日まで


<微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)について>
ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持っており、ビ
タミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など 59 種類の栄養素をバランスよく含んでいます。
なお、ユーグレナ特有の成分で β-グルカンの一種であるパラミロンは、近年機能性についての研究が
進み、食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。


以上

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