パソコンやスマートフォンなどのディスプレイ作業により生じる一過性の疲労感を軽減ー黒大豆ポリフェノール「クロノケア」で新たな機能性表示食品の届出が受理ー

神戸市中央区港島中町 6-13-4 フジッコ株式会社 東証プライム コード番号 2908 2023 年 1月 18 日

パソコンやスマートフォンなどの
ディスプレイ作業により生じる一過性の疲労感を軽減
- 黒大豆ポリフェノール「クロノケア®」で新たな機能性表示食品の届出が受理 -

フジッコ株式会社(本社:神戸市/代表取締役社長執行役員:福井正一)は、「黒大豆ポリフ
ェノール」を機能性関与成分とした「パソコンやスマートフォンなどのディスプレイ作業によ
り生じる一過性の疲労感を軽減」する機能に関する機能性表示食品について消費者庁へ届出を
行い、2022 年 12 月 28 日に受理されました。


近年、VDT(Visual Display Terminals)と呼ばれるパソコンやスマートフォンなどのディ
スプレイ作業を長時間続けることにより疲労を感じる方が増加しています。背景には、仕事の
デジタル化の拡大や、スマートフォンの普及、在宅勤務の推進があります。これらの対策とし
て、令和元年に厚生労働省は「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を
策定しています。また、厚生労働省が日本の事務、販売などに従事する 16,000 人の労働者に
対して実施した調査によると、全体の 87.5%がコンピュータ機器を使用しており、その内の
68.6%が身体的な疲労や症状を有していました(図 1)。理化学研究所の渡辺先生によると、長
時間のディスプレイ作業といった過活動は体内の酸化ストレスを増加させ、自律神経が乱れる
ことで疲労に繋がると考えられています 1)。




図 1:仕事での VDT 作業で身体的な疲労や症状がある人の割合とその症状の内容
(厚生労働省 平成 20 年度
「技術革新と労働に関する実態調査」)

当社は、黒大豆種皮から抽出・精製した機能性素材である、黒大豆ポリフェノール「クロノ
ケア®」を開発し、これまで様々な機能性研究を行ってきました。
「クロノケア®」は、ポリフェ
ノールを 58%以上(主成分は低分子プロアントシアニジン)含み、非常に高い抗酸化作用を
有します。 「クロノケア®」
ディスプレイ作業により生じる疲労感に対する効果を検証するため、
100mg を 4 週間摂取してもらい、パソコン作業 2 時間により疲労を負荷するヒト試験を実施し
ました。 「クロノケア®」
その結果、 の摂取により疲労感が軽減できることが確認できました(図
2)
。メカニズムとして、体内の酸化ストレスを低減して自律神経機能を整えることで、ディス
プレイ作業によって生じる疲労感が軽減されたと考えられました。



「クロノケア®」100mg を 4 週間摂取した後の疲労感の変化(パソコン作業負荷 2 時間)
図 2:
摂取 4 週間後検査の実測値 t.test *p<0.05 bars represent SD


「クロノケア®」の機能性関与成分「黒大豆ポリフェノール」による「パソコ
今回の届出は、
ンやスマートフォンなどのディスプレイ作業により生じる一過性の疲労感を軽減」する機能の
研究成果をまとめた SR(システマティックレビュー)を作成し、消費者庁への届出を行ったも
のです。「表示しようとする機能性」に「ディスプレイ作業により生じる一過性の疲労感を軽
減」の文言が入っている機能性表示食品は、
「黒大豆ポリフェノール」が初となります。
2-4)
社会背景として、パソコン作業などで生じる疲労や眠気による労働生産性の低下や 、長
5)
時間の着座姿勢により足の深部静脈に血栓が形成される血管疾患への影響 が以前より問題と
なっており、これらは近年の在宅勤務の浸透により、一層対策が必要であると考えられます。
「黒大豆ポリフェノール」は、今回の届出に先立ち、「日中の一時的な眠気を軽減」する機能
や「加齢とともに低下する血管のしなやかさを維持」する機能での届出も受理されています。
今後は、「黒大豆ポリフェノール」がこのような社会課題の解決に役立てるよう、自社の新た
な機能性表示食品の開発や、機能性食品原料として、飲料やサプリメント等の素材販売を進め
ていく予定です。

1) 渡辺恭良. 疲労の科学・脳科学と抗疲労製品の開発. 日本生物学的精神医学会誌, 2013, 24.4: 200-210.
2) 山口晴久ら. VDT 文書入力作業の作業時間による心理負担測定のための評価尺度の開発. 日本教育工
学会論文誌, 2004, 28.4: 295-302.
3) 社員の健康に関する調査(2022 年) ティーペック株式会社
4) 2018 年度「企業の睡眠負債」実態調査 株式会社ニューロスペース
5) Parihar, J. K. S., et al. Computer and visual display terminals (VDT) vision syndrome (CVDTS).
Medical Journal Armed Forces India, 2016, 72.3: 270-276.


【機能性表示の届出内容】
届出番号 H777

届出表示 本品には黒大豆ポリフェノールが含まれます。黒大豆ポリフェノールには
パソコンやスマートフォンなどのディスプレイ作業により生じる一過性の
疲労感を軽減する機能があることが報告されています。

機能性関与成分 黒大豆ポリフェノール 58mg (「クロノケア®」100mg)

公開日 2022 年 12 月 28 日





【届出の概要】届出様式Ⅰより抜粋
疲労の原因は過活動状態の継続により生じる酸化ストレスであり、体内の酸化ストレスによ
り細胞が傷つけられることで疲労を感じる。また、酸化ストレスは自律神経の乱れを引き起こ
す。自律神経が乱れて副交感神経の働きが悪くなると、休息時においても疲労の回復が遅くな
る。黒大豆ポリフェノールは高い抗酸化作用を有することから、疲労により生じる酸化ストレ
スを抑制し、疲労感を軽減する効果が期待できると考えられる。
健常成人を対象に、黒大豆ポリフェノール摂取によるパソコンやスマートフォンなどのディ
スプレイ作業により生じる一過性の疲労感に及ぼす影響を、プラセボと比較した論文を評価対
象とした。採用論文において、20 歳以上 65 歳未満の健常な男女に対して、黒大豆ポリフェノ
ール 58mg/日を 4 週間摂取させた結果、プラセボ摂取群と比較し、疲労感を軽減することが示
された。本レビューにより、黒大豆ポリフェノール 58mg/日を経口摂取することにより、パソ
コンやスマートフォンなどのディスプレイ作業により生じる一過性の疲労感を軽減する機能
が期待できると考えられた。




【用語説明】
・プロアントシアニジン :黒大豆ポリフェノールの主成分。フラボノイド類のフラバン-3-オールに
属し、エピカテキンあるいはカテキンの縮合体として存在する。
・SR :システマティックレビュー。複数の臨床研究の論文情報をとりまとめた総
説。食品の機能性表示制度の届出の方法の一つとして採用されている。
・プラセボ :黒大豆ポリフェノールの対照として使用する。黒大豆ポリフェノールの代
わりにデキストリンが入っているカプセル。
・VAS アンケート :Visual Analogue Scale(視覚的アナログ尺度)によるアンケート。疼痛
のような特定の感覚や感情の強度を評価する際に用いられる方法。




<お問い合わせ先> フジッコ株式会社
担当者:イノベーションセンター 素材研究チーム 赤木 良太
責任者:イノベーションセンター 部長 鈴木 利雄
TEL:078-303-5385
ホームページアドレス:https://www.fujicco.co.jp
<原料販売に関するお問合せ先>
担当者:イノベーションセンター 素材販売チーム 平澤 素王
TEL:078-303-5925
ホームページアドレス:https://www.fujicco.co.jp/products/material/





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