研究発表会『アサイー×フコキサンチンのアルツハイマー病予防効果に関する最新知見』にて千葉大学との共同研究およびファイトロックス社との共同開発内容が発表

News Release
2016 年 12 月 7 日

株式会社フルッタフルッタ

(証券コード 2586)



白澤抗加齢医学研究所主催 研究発表会
『アサイー×フコキサンチンのアルツハイマー病予防効果に関する最新知見』にて
千葉大学との共同研究およびファイトロックス社との共同開発内容が発表



この度、株式会社フルッタフルッタ(本社:東京都千代田区、代表取締役 CEO:長澤 誠)が後援した
白澤抗加齢医学研究所(所在:東京都文京区、所長:医学博士 白澤 卓二)主催による研究発表会『ア
サイー×フコキサンチンのアルツハイマー病予防効果に関する最新知見』(開催日:2016 年 11 月 22 日
(火)、於:国連大学)において、千葉大学と取組中の「アサイーの機能性」に関する共同研究(2016
年 8 月リリース)
、およびファイトロックス社と共同開発したアサイーとフコキサンチンの安定化技術
(特許出願、2016 年 11 月リリース)が発表されましたことをお知らせいたします。
これらの取組は、当社のアサイーとファイトロックス社のフコキサンチンを用いており、総じてアサ
イーとフコキサンチンの合剤はアルツハイマー病予防に有効性が高く、また物質的に不安定なフコキサ
ンチンはアサイーで安定化させることができ、特許出願に至ったことが報告されました。
主催の白澤抗加齢医学研究所 白澤所長からは、アルツハイマー病研究の最新情報をはじめ、両素材の
アルツハイマー病予防への有用性のほか、アサイーの細胞活性作用の期待も発表されました。
会場へはメディアをはじめ健康や医療に係る企業・学識者等の約 60 名の来場がありました。
アサイーは 2002 年に日本に初上陸してから普及をはじめ、近年では国語辞典に新語として登録された
ことが示す通り、知名度が一定基準に達しました。一方で、アサイーの機能性に対しては認知が十分で
はないことから、今後当社ではアサイーの新たな価値を築くため、研究分野を強化して参る所存です。


開催概要


日 時: 2016 年 11 月 22 日(火)13:00~16:50
場 所: 国連大学 エリザベス・ローズ国際会議場
主 催: 白澤抗加齢医学研究所
後 援: 一般社団法人アンチエイジングフード協会
株式会社ファイトロックス、株式会社フルッタフルッタ




■ 本件に関するお問い合わせ先 ■
株式会社フルッタフルッタ 広報・IR TEL:03-6272-9081
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来賓挨拶・・・・・・・・駐日ブラジル大使館 アンドレ コヘーア・ド・ラーゴ大使

国連は「持続的な開発目標」において、適切な栄養を摂取できる健康的な生
活を提唱している。その点でアサイーは機能性において様々な可能性を秘めた
自然の宝物であり、環境・社会・経済の持続可能性にも寄与している。
他国に先駆けて高齢化社会が進む日本においては、病気の治療よりも予防策
が普及している。予防医学に食品は欠かせない要素であり、アサイーの機能性
は重要な位置づけにある。
今回の発表は食と健康、サステナビリティ、生物多様性といった今日的課題
を取り扱っており、ブラジルをはじめ世界にとっても非常に関心が高い内容。
この様に日本で行われているアサイーの研究は、日本とブラジルの緊密化の為の新たな要素となり、ブ
ラジルの医療機関や大学へも共有していきたい。


講演1「アサイーとフコキサンチンによるアミロイド β の凝集と細胞毒性の抑制についての研究」
・・・・・・・・・・・・・・千葉大学 大学院医学研究院先進加齢医学 准教授 清水孝彦

アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβは 40~50 歳代から脳内に
蓄積が始まることが明らかとなっているが、まだアミロイドβに直接的に有効
性が示された医薬品が誕生していない。現在ではアミロイドβの抗体を人体に
投与する免疫療法が最も効果的とする研究が最新とされている。
しかし発症の 20~30 年前から長期的に予防をするには「安全で安価」であ
ることが重要。そこで今回は抗体の代替になる物質を探るため食品からのアプ
ローチに着目した。健康に良いとされる食品として、機能性食品はポリフェノ
ールを豊富に含むものが多く、代替物質と成り得る可能性が高い。アサイーもその一つ。
アサイーポリフェノールの主成分はアントシアニンのシアニジン 3 グルコシド(以下:C3G)であ
り、圧倒的に量が多い。水溶性フラボノイドに属するシアニジンの分子構造はアミロイドβの凝集抑制
作用の可能性が高いことから、C3Gに限定して試験を行った。更に異なる物質と混合することで、相
加的・相乗的な作用が現れることを期待して、組合せに脂溶性で体内動態が報告されているフコキサン
チンを選定した。
アミロイドβの凝集と細胞毒性に対する保護作用を検証するため、C3Gとフコキサンチン、その生
体内代謝物であるフコキサンチノールの単体および合剤を用い、試験管レベルで細胞実験を行った。結
果的にアミロイドβの凝集と細胞毒性の抑制効果の双方において、C3Gとフコキサンチノールの合剤
は単体よりも相加・相乗的な効果が見られた。単体でもそれぞれ効果が見られたが、C3Gはアミロイ
ドβの顕著な凝集抑制効果を示した。


講演2「アサイー×フコキサンチンのアルツハイマー病予防効果に関する最新知見」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・白澤抗加齢医学研究所 所長 医学博士 白澤卓二

100 歳以上の高齢者を対象にした長寿研究は、人間が如何に健康を維持しな
がら年齢を重ねていくかのヒントとなる。
115 歳で亡くなったオランダの女性は現代社会で最も高齢で死後に解剖をさ
れた唯一の例であり、脳は老人斑も見当たらない程綺麗で、驚くべきことに出
生時にできた神経細胞が 80%も残って機能していたことがわかった。
人間は 100 歳を超えると食事が一定化する例が多く、彼女が毎日食べていた
ものはオレンジとニシンの酢漬けである。
次に世界最高齢を記録した 122 歳のフランス人女性は、チョコレートと煙草、
ワインを最後まで摂り続けた。喫煙については健康を害するのが通例のため彼女の特異体質と言える。

■ 本件に関するお問い合わせ先 ■
株式会社フルッタフルッタ 広報・IR TEL:03-6272-9081
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アルツハイマー病を予防するために長寿の方と同じ様な食生活を推奨するということではなく、高齢
でも誰もがアルツハイマー病になる訳ではないことを訴えたい。
彼らの機能を支えるのは、幹細胞ではないかと推測している。幹細胞は、体を若々しく保つ細胞であ
り、臓器を再生させたり認知機能を保つ能力がある。この細胞を、ポリフェノールを含むフィトケミカ
ル、オメガ 3 脂肪酸などの成分がサポートをしているのではないか。
また一方で、アルツハイマー病を発症し脳が委縮しながらも、101 歳で亡くなるまで認知・運動能力
を維持した例もある。アルツハイマー病を発症していても「共存できる道」があることを示している。
近年では原因物質であるアミロイドβタンパクの蓄積は発症の 20~30 年前から始まる事が明らかと
なり、40~50 歳代からの治療・予防が求められてきている。つまりアミロイドβタンパクが凝集し、蓄
積するスピードを食事や薬品で制御し、仮に 60~70 歳代で発症するものを 90 歳、110 歳に遅らせるこ
とができれば、アルツハイマー病を克服できたと言えるのではないか。
共存の道としては、バランス食と運動を取り入れた生活習慣の見直しと、脳の神経幹細胞を活性化さ
せるアプローチが考えられる。脳の複雑な神経回路とネットワークを刺激し活性化していくためには、
一定の予防法に集中するのではなく、「ホリスティック」なアプローチが求められる。
ここで抗加齢医学において有用性が期待できるアサイーを紹介したい。アサイーの特筆すべき点は、
糖質が少なく、油脂が 50%以上という事である。
「木の実=ナッツ」と栄養素性的に類似しており、農
耕文明が栄える前の狩猟時代の人類が食べていた食事に似ている。アサイーの油脂分はオレイン酸が多
く、摂取を推奨したい良質な油である。また、アサイーは摂取すると「貧血改善、疲労回復、美肌」な
どを体感したという声が多く、アサイーは幹細胞を活性化させているのではないかと推測する。これら
の根拠が明らかになれば抗加齢医学におけるアサイーの役割がより明確になると見込んでいる。
もう一つ注目の素材としてフコキサンチンを紹介したい。フコキサンチンとは、ワカメや昆布等の褐
藻類が持つ赤色の色素で、脂溶性カロテノイドの一種である。
注目すべき点は、アスタキサンチンと分子構造が酷似している点で、アスタキサンチンは認知機能を
改善させた例がある。フコキサンチンは抗肥満、抗アルツハイマー、抗酸化、抗糖尿病、抗炎症、抗腫
瘍などの効果を示す結果が報告されている。
フコキサンチンは不安定であることが難点だが、アサイーと混合することによって安定性を高められ
ることが明らかとなってきた。この二つの食素材が抗加齢医学の発展に寄与することを期待したい。


対談「アサイーとフコキサンチンの合剤共同開発について」
・・・・・・・・・株式会社ファイトロックス 代表取締役 伊藤史紘
・・・・・・・・・株式会社フルッタフルッタ 研究開発マネージャー ビジェガス マリオ

フコキサンチンは抗肥満、抗酸化、抗糖尿病、
抗腫瘍など様々な生理活性が報告されている
非常に機能性が高い素材だが、希少性が高く不
安定な物質であることから市場導入が進んで
いない。ファイトロックスでは、微細藻類から
大量培養するという独自の技術を編み出した。
これにより従来品に比べ 1/400 のコスト削減と、
高品質を実現することができた。
フルッタフルッタとの出会いから、アサイーとの組み合わせが最も安定性を高めることがわかった。
そしてアサイーとフコキサンチンの合剤を加熱環境下において加速試験を行ったところ、高温でも品質
が保持された結果が得られ、常温保存の商品でも十分な安定性を維持できると考えられる。
この実験により、アサイーとの混合物原料を共同で開発することに成功し、特許を共同出願した。本
原料は、当面はフリーズドライの形態で原料販売する予定。脂溶性のためオイルに溶かしてソフトカプ
セルや、チョコレートに練り込むなどの用途が考えられる。その後飲料用の水溶性粉末原料や、化粧品
や健康食品向けの油液混合原料など、様々なポテンシャルがある。今後の展開を期待してほしい。

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登壇者プロフィール

■ 白澤抗加齢医学研究所 所長 医学博士 白澤卓二
1982 年 千葉大学医学部卒業。呼吸器内科に入局。
1990 年 同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。
東京都老人総合研究所病理部門研究員。同神経生理部門室長、分子老化研究グルー
プリーダー。
老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て 2007 年より 2015 年まで順天
堂大学大学院医学研究科 加齢制御医学講座 教授。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生理学、アスリートの遺伝子研究。
米国ミシガン大学医学部神経学客員教授、獨協医科大学医学部生理学(生体情報)講座 特任教授


■ 千葉大学 大学院医学研究院先進加齢医学 准教授 清水孝彦
1995 年 広島大学大学院生物圏科学研究科修了
東京都健康長寿医療センター研究所を経て、2011 年から現職。
日本基礎老化学会理事
専門は、老化生物学とアルツハイマー病の生化学


■ 株式会社ファイトロックス 代表取締役 研究開発事業部長 伊藤史紘
筑波大学生命環境科学研究科環境バイオマス共生学専攻(修士号取得)
2015 年 2 月 株式会社ファイトロックスを起業 取締役兼シニアフェロー就任
2016 年 6 月 同代表取締役兼研究開発部長就任
専門は微細藻類培養技術・光合成代謝生理学


■ 株式会社フルッタフルッタ 研究開発マネージャー ビジェガス マリオ
1998 年 フェデリコ・ビジャレアル国立大学 農業工学システム学部卒業〔ペルー〕
1999 年~2000 年 ラ・モリーナ国立大学の農産物開発研究所(INDDA)研究員〔ペルー〕
2003 年~2004 年 東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物環境工学専攻 生物プ
ロセス研究室 研究生を経て 2004 年~2006 年、同学にて生物環境専攻 修士課程修了
研究課題:
(大学)トロピカルフルーツの機能性について・薬用植物の加工技術について
(大学院)青果物のポストハーベストに関連する貯蔵・物流方法について


アサイーについて


ブラジル原産のヤシ科の植物で、抗酸化成分のポリフェノールや食物繊維、身
体を作る良質なアミノ酸、ビタミンB1、B2、ミネラル分のカルシウム、鉄、エ
ネルギー源となる脂肪酸のオメガ 9 などを含む。その栄養価の高さからスーパー
フードの筆頭格とされる。


フコキサンチンについて


ワカメやコンブ等の褐藻が持つ赤色の色素で、水に溶けない脂溶性カロテノイドの
一種。抗酸化性のほか抗肥満、抗糖尿病、抗酸化、抗腫瘍、抗アルツハイマー作用
など様々な有用性が期待される。


■ 本件に関するお問い合わせ先 ■
株式会社フルッタフルッタ 広報・IR TEL:03-6272-9081

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