LPWAを用いた下水管内水位観測システムの開発について

平成 30 年 7 月 13 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 N J S
代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 村 上 雅 亮
(コード番号:2325 東証第一部)
問 合 せ 先 管理本部 人事総務部長 小笠原 剛
(TEL:03-6324-4355)

LPWA を用いた下水管内水位観測システムの開発について


当社は、富士通株式会社及び富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社と共同で IoT
(Internet of Things:モノのインターネット)を活用した下水管内の水位観測システムを 2 年間の
実証を経て開発致しました。本システムは、市販のマンホール鉄蓋を利用したシステムで、
LPWA(Low Power Wide Area)の通信距離を従来の約 400m から1km まで改良し、降雨時の水位
計測を 1 分周期で行う条件下で約 1 年間のバッテリー駆動を実現した技術です。当社のクラウ
ドサービス(SkyScraper®)と連携する IoT ソリューションとして、年内のサービス開始を予定して
います。
また、「下水道展‘18 北九州」(2018 年 7 月 24 日~27 日、於:西日本総合展示場、ブース番
号:新館 A-633)にて展示致しますので、併せてお知らせします。

1.水位観測システムの概要
頻発する局地的集中豪雨(ゲリラ豪雨)により、都市の浸水被害が増加しています。水位
観測システムは、下水管内に設置した水位計とマンホール内の通信端末で水位をリアルタイ
ムにモニタリングし、都市型水害の対策に有効な情報として、警戒態勢構築の迅速化やポン
プ場等の雨水対策施設の最適運転の検討に活用できるものです。
【システム概要図】
2.システムの特長
本システムは、省電力で広いエリアをカバーする通信方式 LPWA の規格のひとつである LoRa
を活用したシステムです。LoRa の活用により通信費用による固定費を削減し、アンテナの改良
によりマンホール蓋からの長距離通信を実現しました。本システムの特長を以下に示します。

=システムの特⻑=
①低消費電力・長時間稼働 取り付けイメージ
・低消費電力化により長時間の稼働を実現
・管内水位に応じた通信頻度の切り替えにより、
平常時の消費電力を更に抑制
②広範囲の水位情報収集
・中継器の設置により伝送距離を延伸できるた
め、より広範囲の水位情報が収集可能
③低コスト・短期導入
・電源工事や専用マンホール蓋を必要としないた
め、低コスト・短期間での導入が可能
・免許不要の周波数帯を利用しているため、 センサーノード
通信料金が掛からず、ランニングコストを削減 (バッテリー、通信装置等)

④セキュリティ
外観形状:160×160×43mm
・インターネットを使用しない独自の伝送仕様や
データ暗号化等により、高いセキュリティを確保


マンホール蓋裏に設置したセンサーノードにより収集した水位情報を、当社のクラウドサ
ービス「SkyScraper®」でモニタリングできます。




管内⽔位監視画⾯ 観測地点表⽰画⾯
3.実証結果
当社及び共同開発者 2 社は 2016 年から 2 年にわたり、運用中のマンホール等の下水道施設に
おいて、実証試験を行いました。この実証試験で得られた結果は次のとおりです。
①LoRa の利用により、データ通信距離はマンホール(子局)から1km まで達した。
②中継器を地上に設置することで通信距離を 3km 程度延伸できた。
③下水管内の水位変動に追随し、通信頻度を切り替えることにより、バッテリーで約 1 年間
の駆動を可能とした。


※LPWA は、Low Power Wide Area の略称であり、国内においては免許不要な 920MHz 帯域に
おける無線通信方式のこと。特徴として、長距離通信が可能であること、通信モジュールの
低消費電力化が可能であることが挙げられる。


※LoRa は、LPWA の規格のひとつであり、独自の伝送仕様によりセキュリティを高めたプライ
ベートネットワークの構築が可能である。
以上



本件に関するお問合せ先 株式会社 NJS 開発本部 システム開発部 柴田 敬介

TEL:03-6324-4357 Email:technical@njs.co.jp

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