FRONTEO、「転倒転落予測システム」のベータ版が完成

2016 年 12 月 5 日
報道資料
株式会社 FRONTEO
(コード番号:2158、東証マザーズ)
(ティッカーシンボル:FTEO、NASDAQ)
株式会社 FRONTEO ヘルスケア


FRONTEO、「転倒転落予測システム」のベータ版が完成
転倒リスクを判定する従来の国際標準と比べ、高い精度で転倒する患者を判別
今年度中の医療現場での稼働に向けて、さらに臨床試験を進める。
12月6日のHealth 2.0にて、取締役CTOの武田秀樹より本システムを紹介



米ナスダックと東証マザーズに上場し、人工知能を駆使したビッグデータ解析事業を手が
ける株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本正宏、旧UBIC)と、
100%子会社で人工知能を活用した医療データ解析ソリューションを提供するFRONTEOヘ
ルスケア(本社:東京都港区、代表取締役社長:池上成朝)は、NTT東日本関東病院(所在
地:東京都品川区、院長:亀山周二)との共同研究により開発を進めているFRONTEO独自
開発の人工知能エンジンKIBIT(キビット)を搭載した「転倒転落予測システム」のベータ
版※が完成し、医療現場での実装へと大きく進んだことを発表しました。

今回ベータ版が完成した「転倒転落予測システム」は、2015年2月より開発を進めている
もので、人工知能が電子カルテ内の自由記述のテキストデータを解析し、入院患者の転倒・
転落の予兆を察知、発生件数を減少させることで、医療における予測困難な有害事象の防止
と、医師や看護師の負担軽減、病院の安全管理への寄与を目的としています。

「転倒転落予測システム」トップ画面




FRONTEO、FRONTEOヘルスケアとNTT東日本関東病院では、これまで蓄積された実際
に転倒・転落した患者の記録の解析を通じて、電子カルテからどのような患者の記録を捉え
ると予兆を察知できるかの検証を重ねてきました。その結果、「意識障害」や「自立行動」
に関連する患者が発した言葉(主訴)や看護師の所見に着目し、実際に転倒に繋がったケー
スやベテランの看護師から見て危険と感じる記述を教師データとしてKIBITに学習させて解
析を行うことで効果をあげてきました。


これまでの検証により、従来の転倒リスクを評価する国際標準の予測手法「Morse Fall
Scale(モース・フォール・スケール)」が実際に転倒した患者344人のうち195人(57%)
を「リスクあり」と判別したのに比べ、「転倒転落予測システム」は、295人(86%)の患
者を「リスクあり」と判別し、KIBITがより高い精度を達成しています。

今回完成した「転倒転落予測システム」のベータ版は、必要な情報が見やすいシンプルな
画面構成で作られています。信号機に似た図柄で転倒転落の可能性が表示され、可能性が高
い患者は赤、低い患者は青で示され、直感的に状況を掴むことができます。赤か青かの判定
は、これまで培ってきた検証による成果に基づいています。現場の看護師は、自分たちが担
当する患者一人ひとりの記録を読まなくても「患者一覧」の表示で、担当箇所の患者のリス
ク状態を見ることができます。さらに、「個人表示」の画面から、患者がどういった理由で
リスクが高いと判定されているか、電子カルテから抽出された表記や時系列での推移を確認
することができます。

『患者一覧』の画面




個別の患者の状態を示す『個人表示』画面





今後は、NTT東日本関東病院で、蓄積されたデータを基にさらなる検証を進める他、臨床
試験を行いながら、既存の電子カルテや表示システムとの接続、さらに看護師による使い勝
手の検証を進めて参ります。さらに、要望に応じ、本システムの導入に関心を持つ他の病院
にも提供し、今年度中の医療現場での稼働を目指していきます。

さらに、明日12月6日より開催される医療・ヘルステック分野のカンファレンス「Health
2.0 Asia - Japan」では、FRONTEO 取締役CTO、行動情報科学研究所所長で、
FRONTEOヘルスケア取締役の武田秀樹が、ヒカリエホールで行われる1日目のパネルディ
スカッションに参加し、「転倒転落予測システム」の先進性について紹介させて頂くとと
もに、ヘルスケアでの人工知能の活用についてお話させて頂く予定です。

■Health 2.0 パネルディスカッション
日時: 2016年12月6日(火) 9:15~10:00
会場: 渋谷ヒカリエ ヒカリエホール Hall A
プログラム名: 人工知能とヘルスケア
登壇者: モデレーター:Matthew Holt Health 2.0
スピーカー :武田秀樹 株式会社 FRONTEO ヘルスケア
山寺純 株式会社 Eyes, JAPAN
Guido Pusiol スタンフォード大学
Health 2.0 Asia - Japan 公式サイト URL:https://www.health2conjapan.com/



※ベータ版:ソフトウェアやシステムの仕様や動作、機能が最終版に近い状態で確定し、
最終的なテストや評価を行うためのもの


■KIBITについて
人工知能「KIBIT」は人工知能関連技術のLandscapingと行動情報科学を組み合わせ、FRONTEO
が独自開発した日本発の人工知能エンジンで、人間の心の「機微」(KIBI)と、情報量の単位で
ある「ビット」(BIT)を組み合わせ、「人間の機微を理解する人工知能」を意味しています。
テキストから文章の意味を読み取り、人の暗黙知や感覚を学ぶことで、人に代わって、判断や情
報の選び方を再現することができます。

【FRONTEO について】URL: http://www.fronteo.com/
株式会社 FRONTEO は、独自開発の人工知能エンジン「KIBIT」により、ビッグデータなどの情
報解析を支援するデータ解析企業です。国際訴訟などに必要な電子データの証拠保全と調査・分
析を行う e ディスカバリ(電子証拠開示)や、コンピュータフォレンジック調査を支援する企業
として 2003 年 8 月に設立。自社開発のデータ解析プラットフォーム「Lit View(リット・アイ・
ビュー)、アジア言語に対応した「Predictive Coding(プレディクティブ・コーディング)
」 」技術
などを駆使し、企業に訴訟対策支援を提供しています。同事業で培われ、発展した独自の人工知
能関連技術は、専門家の経験や勘などの「暗黙知」を学び、人の思考の解析から、未来の行動の
予測を実現。最近ではヘルスケアやビジネス・インテリジェンス、マーケティングなどの領域に
活用し、事業の拡大を進めています。 2007 年 6 月 26 日東証マザーズ、 2013 年 5 月 16 日 NASDAQ
上場。資本金 1,764,965 千円(2016 年 9 月 30 日現在) 。2016 年 7 月 1 日付けで株式会社 UBIC
から現社名に変更しております。





【FRONTEO ヘルスケア 会社概要】URL: http://www.fronteo-healthcare.com/
名称: 株式会社 FRONTEO ヘルスケア
設立: 2015 年 4 月 16 日
資本金: 37,000 千円(資本準備金 10,000 千円含む、2016 年 10 月 3 日現在)
代表者: 代表取締役社長:池上 成朝
事業内容: 治験情報解析支援サービス、院内環境改善支援データ解析サービス、
薬剤監視サービス(ファーマコビジランス) 、ヘルスケア情報サービス、
その他医療分野情報解析事業


<本件に関するお問合せ先>
株式会社 FRONTEO 広報担当 池内・水口
TEL: 03-5463-6380 FAX: 03-5463-6345





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