AIレビューツール「KIBIT Automator」に搭載する新たなAIアルゴリズムを開発

2022 年 11 月 30 日
報道資料
株式会社 FRONTEO


AI レビューツール「KIBIT Automator」に搭載する
新たな AI アルゴリズムを開発

株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下 FRONTEO)は、AI
レビューツール「KIBIT Automator(読み:キビットオートメーター)」に搭載する、新たなコア技
術となるAIアルゴリズムを開発したことをお知らせします。


FRONTEO独自開発のKIBIT Automatorは、極めて少ない教師データで専門家や業務熟練者の判断
を支援します。国際訴訟におけるeディスカバリでは、証拠保持者(カストディアン)1人当たり数
テラバイトに及ぶこともある膨大な文書データの中から、限られた期間内かつ調査に関わる弁護士
の判断と同様の正確さで、証拠に関連する文書を発見しなければなりません。KIBIT Automatorは、
この証拠発見の効率化に寄与するリーガルテックとして、国内外で活用されています。


KIBIT Automatorに搭載しているAIアルゴリズムには、2012年に開発した「Landscaping(読み:
ランドスケイピング)」と、2019年に開発した「Illumination Forest(読み:イルミネーションフォ
レスト)」があります。Landscapingは、文書に出てくるキーワードが証拠にどれだけ関連してい
るかを「重み」として算出できる特徴を持ち、解析結果の説明性に優れています。また、Illumination
Forestは、証拠に関連する文書の発見精度が高いことに加え、人によるレビューが行なわれる前に
証拠に関連する文書数を正確に予測する機能を擁します。当社はこれらのAIアルゴリズムの開発以
降も研究を重ね、改良を進めてきました。このたび開発に成功したのは、既存の2つの性能を併せ持
つ新たなアルゴリズムです。


FRONTEOの研究チームは、人が文書レビューをする際に、証拠への関連性の有無を素早く正確
に判断する認知能力が、検知したいものだけを無意識に認識する視覚直観性の「カラーバス効果」
などに類似していることにインスピレーションを受け、「人は文書中のワード(形態素*)を原色、
ワード出現の多寡や組み合わせを色合いのように捉えているのではないか」という仮説モデルを着
想し、新しいAIアルゴリズムを設計しました。


例えば、人は図に示すような2つの対象を見て、直観的に個々の構成要素が暖色系(証拠に関連あ
りと想定)か寒色系(証拠に関連なしと想定)かを判断できます。今回のAIアルゴリズムはこの仮
説モデルに基づき、LandscapingとIllumination Forestの開発・改良で蓄積した様々な知見とノウハ
ウを取り込みつつ、形態素の取り扱い、過学習を抑制できる分類アルゴリズム、複数のアルゴリズ
ムのアンサンブル手法などを新たに開発しました。





図【文書を色彩で認知するイメージ】
図【文書を色彩で認知したイメージ】
※暖色・寒色・無色(白)の四角はそれぞれ文章の構成要素を指しています




なお、このAIアルゴリズムは、KIBIT Automatorをはじめ、FRONTEOの多様な製品への搭載が可
能な汎用性の高い技術であり、当社の既存製品の一層の機能向上に貢献するものと見込まれます。


FRONTEOは今後も自然言語処理に強みを持つ独自のAIソリューションの高度化を推進し、専門家
を支援するデジタルフォレンジック/ディスカバリベンダーとしてアルゴリズムの開発・改良に努
めてまいります。


*形態素:意味を有する最小の言語単位




■KIBIT Automatorについて URL: https://legal.fronteo.com/products/kibit-automator/
「KIBIT Automator」は、米国民事訴訟の公判手続きで必要となる証拠開示(ディスカバリ)の中でも
特に、電子証拠開示(eディスカバリ)における文書レビュー作業の効率向上、作業担当者の負荷軽減、
費用削減を目的として開発されたAIツールで、2019年3月にリリースされました。ディスカバリで使わ
れる調査手法を応用し、AIを活用して証拠資料である大容量の電子メールや電子ファイルの審査・分析
を行います。近年、企業に求められている、短期での情報開示への対応も期待されます。


■FRONTEO について URL: https://www.fronteo.com/
FRONTEO は、自然言語処理に特化した自社開発 AI エンジン「KIBIT(読み:キビット) と
」 「Concept
Encoder(商標:conceptencoder、読み:コンセプトエンコーダー)」、「Looca Cross(読み:ルー
カクロス) を用いて膨大な量のテキストデータの中から意味のある重要な情報を抽出し、
」 企業のビジ
ネスを支援する、データ解析企業です。2003 年 8 月の創業以来、企業の国際訴訟を支援する「e ディ
スカバリ(電子証拠開示) や
」 「デジタルフォレンジック調査」などのリーガルテック事業をメインに、
日本、米国、韓国、台湾とグローバルに事業を展開してきました。同事業で培った AI 技術をもとに、
2014 年よりライフサイエンス分野、ビジネスインテリジェンス分野、経済安全保障へと事業のフィー



ルドを拡大し、AI を用いて「テキストデータを知見に変える」ことで、創薬支援、認知症診断支援、
金融・人事・営業支援など、様々な企業の課題解決に貢献しています。2007 年 6 月 26 日東証マザー
ズ(現:東証グロース)上場。2021 年 1 月第一種医療機器製造販売業許可を取得(許可番号:
13B1X10350)同 9 月管理医療機器販売業を届出
、 (届出番号 3 港み生機器第 120 号)資本金 3,034,846
: 。
千円(2022 年 3 月 31 日現在)。

※FRONTEO、KIBIT、KIBIT Automator、conceptencoder、Looca CrossはFRONTEOの日本における
登録商標です。




<報道関係者のお問合せ先>
株式会社 FRONTEO 広報担当
Email: pr_contact@fronteo.com





7218

新着おすすめ記事