高速道路橋等の床版更新工事における新技術の開発に関するお知らせ

2023 年2月1日
各 位
上場会社名 株式会社ビーアールホールディングス
代 表 者 代表取締役社長 藤田 公康
(コード番号 1726)
問合せ責任者 社長室長 卜部 穣
(TEL 082-261-2860)



高速道路橋等の床版更新工事における新技術の開発に関するお知らせ


このたび、当社連結子会社の極東興和株式会社(代表取締役社長:山根 隆志、本社:
広島県広島市) 高速道路橋等の床版更新工事で既設床版の撤去作業を合理化する新技術
は、
【K-SLASH 工法(ケイスラッシュ)】を開発しましたのでお知らせいたします。
ニュースリリース
2023 年2月1日
極東興和株式会社




鋼合成桁橋の RC 床版撤去作業の合理化技術を開発
~電動ウォールソーを用いた RC 床版撤去工法「K-SLASH 工法」~



極東興和株式会社(代表取締役社長:山根 隆志、本社:広島県広島市)は、鉄筋コンクリート床版
(以下 RC 床版)の更新を行う既設鋼橋のうち、ずれ止めが多数配置される合成桁橋※1 を対象として、
RC 床版の撤去作業を合理化する「K-SLASH 工法」を開発いたしました。
本工法は、電動ウォールソーによりコンクリート床版上面から内部に配置されたずれ止めの頭部を
斜めに先行切断し、非合成桁橋※2 と同様のジャッキアップによる方法で鋼桁から床版を分離・撤去す
る工法です。複数作業の同時並行化と大ブロックでの床版分離・撤去作業を可能とすることで、合成桁
橋における従来工法である「小ブロックで床版を切断し、鋼桁上のコンクリートをはつり撤去する方
法」と比較して、撤去作業の省力化や施工期間の短縮に寄与します。




従来の撤去工法 K-SLASH 工法
電動
はつり工具
ウォールソー
切断




ずれ止め

鋼桁直上以外の床版を 残ったコンクリートを 電動ウォールソーで ジャッキアップにより
小分けにして切断・撤去 人力ではつり撤去 ずれ止めの頭部を切断 大ブロックのまま一括撤去


施工期間が長期化 撤去作業の省力化・施工期間の約 20%短縮


従来の撤去工法と K-SLASH 工法による既設 RC 床版撤去概要




※1 合成桁橋 :多数のずれ止めにより鋼桁と RC 床版が堅固に結合され、両者が一体となって荷重に抵抗する構造。
※2 非合成桁橋:合成桁橋に比べてずれ止めの配置が少なく、鋼桁のみで荷重抵抗する構造。
1.開発の背景
従来の鋼合成桁橋における既設 RC 床版の撤去方法は、床版を鋼桁間で小分けにして切断・撤去する
作業や鋼桁上のコンクリートをはつり撤去する作業に多くの時間を要するため、施工期間が長期化す
る課題がありました。そこで、当社は RC 床版と鋼桁の接合の除去方法に着目し、床版撤去作業を合理
化するための工法を開発しました。



2.本工法の概要
本工法は、既設 RC 床版上面に設置した電動ウォールソーにより、床版コンクリート内のずれ止め頭
部を斜めに切断することで、鋼桁との接合を除去し、床版を鋼桁から分離・撤去する工法です。従来工
法と比較して撤去作業の省力化・安全性向上や床版取替期間短縮(約 20%)および環境負荷低減が見
込めます。
【工 程 短 縮】
「ずれ止め頭部の先行切断」と「床版のカッター切断」「床版の分離・撤去」等の作

業を並行して行うことができる
【省 力 化】ジャッキアップにより RC 床版を鋼桁から分離できるため、大ブロックのままクレー
ンにより一括で撤去できる
【安 全 性 向 上】床版上面からの作業を基本とするため、狭隘な桁下空間での作業を排除できる
【環境負荷低減】コンクリートはつり作業が最小化できるため、現場周辺への騒音・粉塵影響の抑制や
作業員の労働環境の改善につながる



電動ウォールソー




床版上面からずれ止め頭部を斜めに切断 8 基のジャッキアップにより床版と鋼桁を分離




STEP1 ずれ止めの切断 STEP2 RC 床版の分離 STEP3 RC 床版の撤去



本工法の施工イメージ
3.本工法の効果検証
実構造物と同規模の供試体を製作して、ずれ止め頭部の切断から RC 床版の分離・撤去までの一連の
作業を実施し、作業速度や施工時の安全性に関して、想定した効果が得られることを確認しました。




ずれ止め頭部の切断状況 RC 床版の分離状況 床版撤去後の供試体状況




4.今後の展開
今後、同工法の現場適用を推進し、建設現場における生産性向上を進めてまいります。


【お問い合わせ先】
極東興和株式会社
技術本部(TEL 082-261-1204)
https://www.kkn.co.jp/ja/contact1.html


以上

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